12月14日

 寒波がやってきて、長野県北部では大雪が降るらしい。松本でも、どんよりと重たい雪雲が盆地の西側を覆い、雪がちらついた。でも、路面が濡れるほどじゃない。内陸で北アルプスの絶壁に守られた松本は、雪があまり降らないのだ。冬型の気圧配置が強まると、からりと晴れて、恐ろしく冷えるだけ。

 いくら降らないとは言え、さすがに夏タイヤじゃまずいと思い、仕事をさぼってジムニーのタイヤを付け替えた。スーツ姿のままである。用意するのは、75センチのブレーカーバーと十字レンチ、19ミリのソケットと、安物のトルクレンチ、フロアジャッキである。

 タイヤを替えるときは、いつもだいたいの時間を計る。用意ドンで、死にものぐるいで作業をするのだ。75センチのブレーカーバーで一気に20個のナットをゆるめる。すかさずジャッキアップして1輪を浮かせ、十字レンチを回転させてナットをすべて外し、タイヤをスタッドレスにして、再び締める。ナットは仮止め。4回繰り返して、20本のナットをトルクレンチで本締めしたら、20分弱が経過していた。まあまあかな。

 スタッドレスだと、すこしハンドルが軽くなる。固くなっていそうな表面をちょっと削ってやろうと、いつもの山道をジムニーで攻めた(笑)。とっても遅い車でも、ちゃんと操作してやると、なかなか面白い。

 自分でもいつ仕事をしているのか、不思議なのである。

12月13日

 「車にはねられました」

 と、職場の後輩から連絡が入った。情報はそれだけ。たぶん、救急車にでも乗り込む前に1本電話を入れたんだろう。困った奴だ。

 松本広域消防局に電話する。と同時に、目の前を救急車が走っていった。職場の同僚が事故に遭った旨を話し、現場を教えてもらう。仕事場から300mほど東へ行った辺りの、交差点だ。歩いていてはねられたらしい。

 路上駐車してあったジムニーに乗り込み、アクセルターンをしたい気分なのだが、非力なので大人しくUターン。30秒で救急車とパトカー、はねたとみられるRX7が目に飛び込んできた。交通整理をしているお巡りさんの真横に車を止め、救急車に飛び込む。顔にけがをしていたものの、普通に話していた。なんだ、軽いじゃないか。大丈夫か、と声を掛けたら、やっぱり少し朦朧とした表情だった。どうやら、宙を舞って顔から落ちたらしい。正しいはねられ方である。

 救急車に付いていきます、と救急隊員に言ったら「交通違反になるからダメ」。ケチ。

 ジムニーを駆って近くの病院に着くと、レントゲン室にぶち込まれるところだった。15分ぐらいで出てきて、処置室へ。顔に絆創膏、足に湿布を張って出てきた。ジムニーの助手席に乗せ、走る。ただでさえ乗り心地の悪い車なのに、バンピーな松本の路面。打った頭がゆさゆさと揺れて、少々気の毒に思った。

 青信号で横断歩道を渡っていたら、突然宙に舞ったらしい。車が近づいている、ということすら気が付かなかったのだから、少々ぼんやりしていたんだろう。右折のRX7の餌食になっちゃった。軽いけがだから、4輪ドリフト状態ではなかったことが推測できる。普通に走っていて、右折中に人をはねるなんて、ひどいドライバーだね。

 先生も走るこの季節。落ち着いて運転しましょう。

12月12日

 東京出張から帰ってきた仕事場の人が、物欲しそうな顔して立っているのでピンと来た。「いつものショットバー行きたいんでしょ」と言うと、「うん、行こう」。外はとても寒かったので、近くの居酒屋で熱燗を2つ。ぽかぽかしたところで、歩いてショットバーへ。ちなみに今朝の最低気温は−6度である。

 金曜日以来だったが、「久しぶり」とマスター。ビールに半分以上がアルコールのいつものバーボンをストレートで飲みながら、語らう。気がついたら午前2時。

 今日は仕事で麻績村という山あいの村へ行った。長野道のインターもあるのだが、松本から1区間だから馬鹿馬鹿しい。ジムニーをかっ飛ばす。

 ロードスターに乗れなくなって、そろそろ1カ月になってしまう。ちょっとストレスがたまっていたので、ジムニーで発散する。

 松本市の北、四賀村から本城村へ抜ける道は、なかなか面白い道なのである。ここでROMのセッティングをしたこともある。550ccOHC・インタークーラーターボエンジンF5Aがうなりを上げる。

 2速でレブリミッターに当たる7000回転まできっちり回して、猛ダッシュ。かなりの上り坂だが3速に入れても、まだ回転が上がっていく。タコメーターがレッドゾーンに飛び込んだところで、タイトな右コーナーにさしかかった! 車格のわりには良く利くかっくんブレーキを踏み込み、かかとでアクセルをあおるものの、失敗した。だって、アクセルとブレーキの位置がどう考えても、そんな操作を前提としていない。足を90度近く横倒しにしないと、かかとがアクセルに届かないの。体全体が傾きます。とにかく、2速にたたき込んだ。

 少々減速しすぎたものの、タイトコーナーである。車幅より高い全高とオフロードを前提とした柔らかなリーフスプリングに支えられたサスペンションのため、ものすごいロールだ。タイヤが滑る前に横転間違いない。体は水平を保とうとするため、窓ガラスが迫ってくる錯覚を受ける。

 倒れるか倒れないかのスリルを味わいながらクリップに付き、アクセルを踏み込む。2速7000回転で数回レブリミットに当たりながらも、速度を維持。内側の後輪が若干空転する感覚が伝わってくる。こう書くと、ものすごいスピードのコーナーリングで、緊張感にあふれているように思えるが、時速40キロでの攻防である。回転を落としたら加速しないんだもの。

 下りにさしかかり、4速からのフルブレーキング! 3速全開の高速コーナーをクリアする。3速全開でも60キロちょっとです。

 極めて安全にスポーティーな走りができる車なのであった。軽トラなんて目じゃないぜ。

12月11日

 午前6時まで飲んだ後、自宅に帰ってプレステ2にはまっていた。バリバリにチューンされたロードスターや、ガンダムの操縦がやめられなくなった。寝る時間を削って打ち込み、どうやらガンダムはあと一歩のところまでシャアを追いつめたのだが、そこでシナリオが途切れて残念。続編はないのか。

 昨日は、自宅から直接茅野市へ仕事で行った。仕事場のパジェロが運転しづらいし、GDIのくせに排気量が3500ccもあるせいで、燃費が悪いし、大排気量のくせにトルク感が薄いしで、すっかり疲れてしまった。AT特有のダイレクト感のなさもいやだ。

 街中で運転しているときは、巨体なわりにはなかなかの加速をする。しかし、ちょっと速めに走ると、燃料計が目に見えて動くのが分かる。だから、なるべくアクセルを踏み込みたくないのだが、希薄燃焼を優先しているらしく、ある程度踏まない限り、加速していかない。そのくせ、燃費の節約のためか、アクセルが重い。中央道を名古屋から松本に向かえば、上り坂だらけなわけで、上り坂にさしかかるたびに速度が落ち、それをカバーするためにその重たいアクセルを踏むと、半分以上踏み込まざるをえない。半分近く踏むと、キックダウンでギアが1段上がってしまう。結局、上り坂ではあまり省燃費運転ができない、何とも頼りない車であった。

 スロットルを電子的に制御すればいいのに(もうなっているのか?)、今まで運転した車とはアクセルを踏み込んだときのレスポンスが特殊だったので、とにかく疲れたのである。

 ある会合に顔を出して、終わったのが午後8時ぐらい。仕事場に戻って、メシを喰らって、家に帰り、なぜかNA8Csr1のROMをいじっていたら、意識がフェードアウトした。寒い部屋の中、コートにマフラー姿のまま、こたつでねちゃったのである。結局、その姿のまま、朝を迎えてしまった。どうやら、疲れがたまっていたらしい。たまっているのに、そんな寝方をするから、全然回復しない。

 寝ている間、こたつから飛び出した頭が恐ろしく寒かった。松本はすっかり真冬である。

12月9日

 我がロードスターは現在、不動車に成り下がっているので、名古屋へはジムニーで行くつもりだった。100キロ巡航ですら少し厳しい我がジムニー。時速90キロで走るとすると、松本から名古屋まで行くのに高速道路を使う意味があまりない。正確には、松本から中津川までの区間だが。国道19号で中津川まで行ったとすると、距離が10キロぐらい短い。しかもこの木曽谷を走る国道、信号で止まることが少ない。だから、90キロでしか走れないジムニーの場合、高速を使って浮く時間は1時間ぐらいになってしまう。

 燃費だって悪くなるし、高速代だって払っているのだし、絶対国道を走った方がいいのである。だから、お昼頃にのんびりと出発して、とろとろ走っていこうと考えていた。

 しかし、1本の電話でそんな予定が簡単に破壊されてしまった。ただ単に仕事が入っただけだけれど。重要な用事があるときに限って、強制的にやらざるを得ない仕事が入るもんだ。

 名古屋での飲み会は午後6時から。松本を出発したのが5時前。ジムニーだったら、1次会が終わってしまうので、仕事場の車を借りた。ホイールベースが短い方のパジェロ。この車があまり運転しやすくないのだ。シートが悪いし、操作系が微妙に疲れる配置になっている気がする。

 結局8時前に、会場のベトナム料理屋に着いた。当然、若いハイエナどもの集まりだから、喰らう物は残っているはずがない。そういえば、今日はアイスクリームしか食べていないな、と頭の片隅で思いながら、空きっ腹めがけて、ビールと日本酒をがぶ飲みする。2次会は、中華系居酒屋。3次会は、お洒落系居酒屋。4次会は、南方系居酒屋。5次会がカラオケ。結局、午前6時にお開きとなった。異常な飲み会だ。

 主に学生時代の仲間が集まったのだが、5年ぶりに会ったやつもいた。奥さんを連れていたけれど、本人は相変わらず変わっていなかった。当然、顔を出せなくなった仲間もいるのだけれど、とりあえず、集まった仲間は学生時代と同じ顔つきをしていて、安心した。

 しかし、下山してくると、暖かい。松本は日陰の水たまりが、昼すぎても凍っている。

12月8日

 自爆して超酔っぱらったのに、さらに昨日も飲みに行っちゃった。なぜか、松本市の3役の1人と話し合い、出入りしている福祉系民間団体が引っ越しで困っている話をして、アイデアを提供。実現すると良いな。

 その飲み会は9時前にお開きになってしまったので、ほろ酔い気分にはなったものの、どこか物足りなく、歩いて仕事場に戻ったら、哀れな後輩がほか弁を食べているのが目に入った。

 「飲みに行くぞ」。有無は言わせない。ちょっとだけ酔っているから、何をするのか分からないのだ。もし、少しでも嫌そうな顔をしたら「つべこべ言うな」と、暴れ出す雰囲気が、怪しい目つきから醸し出ていたと思われる。素直に了解する後輩。

 いつものショットバーに行き、ハイネケン。すでに、暖機運転が終わって、高回転向きのバルタイになっていたらしい。一方的にしゃべりまくっていた気がする。

 実は今日も名古屋で飲み会だったりして。テレビ棟東側あたりで、結婚式の2次会。「義理は欠かせないからねえ」とかすかに痛い頭の中で自己弁解しつつも、実は楽しみだったりする。

 アル中かしら。

12月6日

 昨日も作業して家に帰ったのが午前4時。缶ビール3本飲んで、5時ぐらいに寝て、10時に起きようと思っていたら、無理だった。ただれた生活。

 今も、1日の鍋パーティーの残骸である2リットルのビール缶を開けて飲んでいるところ。なんだか、全部飲んじゃうかも。今にも倒れそう。

12月5日

1日に我が家で開いた鍋パーティー。みんなで飲めやと買った3リットルサイズのワイン「CARLO ROSSI」は、やはり1リットルぐらい余った。そのまま、僕に寄贈されたので、この3日間はワイン漬け。

昨日は仕事場で作業(仕事じゃない)をし、寝る前にワインを飲んだら、ちょっと酸味がかった味がした。やはり古くなるんだろうかと、結局、ちょっと無理して飲みきってしまった。

今日は10時にある場所に行かねばならなかった。やっと起きたら10時。あわてて10時15分にその場所に行く。なぜか田中康夫が阪神大震災のことを話していた。

話自体はまともで、もっともなことばかり。終わった後にちょっとだけ話をした。

近寄るのさえ、嫌なのに。

12月4日

 ぱちん、が嫌いなのである。

 この季節特有の静電気。昔は気にしていなかったのだが、いつからか、この衝撃が嫌いになった。それほど痛いわけではないのだが、気になりだしたら、いやらしい電気的な衝撃におびえるようになってしまった。

 一度、嫌になり出すと、とことん嫌になるもので、松本に来たぐらいから、外を移動するときは車のキーを手に持つことが多くなった。

 車を降りるときの静電気が一番強い。雨の日以外はほぼ、100発100中でドアを持つときに衝撃が手を走る。そこで、エンジンを切って抜いたキーをそのまま手に持ち、キーでドアを固定する車体側の金具を、かちん、とたたいてやると放電する。強烈なときは、かなり大きな静電気が飛ぶ。夜だときれい。ロードスターの皮シートに座っているときは、ほとんど発生しないから、ジムニーのシートは静電気が発生しやすいのかも知れない。

 最近は、嫌さ加減が最大になり、車を降りた直後はキーを持ったまま歩き、仕事場やコンビニ入り口のドアの取っ手に、かちん、と触れてから手で握るようになってしまった。ここまで来ると、病的ないやがり方かも知れぬ。

 ある日、お店のレジで店員からおつりをもらったとき、ぱちん、と衝撃が走って「ハッ」と顔を見合わせたら、きれいなおねいさんだった。残念ながら、電撃的な恋に落ちることはなかったのだが、ちょっと得した気分。

 気分的な問題だね。