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4月13日

 朝っぱらから家の近くの大学病院に向かう。なぜだか分からないのだが、僕は不思議と病院に行く機会が多い。仕事でもプライベートでも。

 さらに不思議なのは、かなり頻繁に足を運ぶのだが、自分がお医者さんにかかっているわけじゃない、ということである。10年前に足を折ったとき入院して以来、健康診断か、風邪薬をもらいに行ったときぐらいしか医者に診てもらっていない。決して、看護婦さんと仲が良いだとか、そんな話があるわけじゃ、ないんだよ。

4月12日

 仕事でなぜか池袋の東京芸術劇場へ向かう。お昼すぎ到着だから、10時前ののぞみに乗らなければならない。

 東京駅から池袋へ。山手線を待っていたら、同時に京浜東北線の快速が来たからそちらに乗って田端で山手線に乗り換える。まだまだ東京には慣れないが、それぐらいの判断はできるようになった。

 東京芸術劇場ではなぜか楽屋口から入って、舞台の横を通って観客席に座った。ミュージカルを鑑賞。その後、なぜかホテルビーナスの老オカマオーナーに会った。

4月11日

 久々に、しなくてはならないことがない一日だったので昼過ぎまで寝て、ロードスターで出かけた。

 桜巡りツアーである。久しぶりにのんびりとツーリングして、骨休めをしたい。名古屋周辺の桜はすでにほとんど散ってしまっているので岐阜を目指すことにする。最初は郡上八幡周辺へ行こうと考えていたのだが、遠いから恵那峡にした。

 恵那峡の公園はちょうど桜が散り始めたころで、ダム湖の景観も良く、なかなかのものだった。ほとりでのんびりすごして、開幌状態で中津川に向かう。

 行く先々に桜が植えてあって、本当に日本人は桜が好きなんだな、と実感。中津川の街の川沿いに桜が植えてあって、遠くから見ると上流から下流へと帯のように見えてなかなか良かった。国道363号を登って岩村町に至り、瀬戸に抜けて帰宅した。途中、満開の桜の大木や、上り坂の並木道がライトアップされている場所に車を止めて、桜三昧。ソメイヨシノも綺麗だが、しだれ桜も良い。

 久々のツーリングで気持ちが良かった。が、ツーリングを楽しむには足が固すぎる。

4月10日

 鈴鹿フルコースで練習。快晴で、路面は完全ドライだ。3月7日の西コースは雪がまっていて、ちょっと湿っていた上、未体験のスピード域にまともに走れなかった。2回目の20日は、午前中が完全ドライだったものの、午後からウエット。4月4日の西コースは、一日中雨。要するに、ドライで思いっきり走った経験って、まだ少ないのである。

 4日のウエットでそこそこ走ることができて、ちょこっと自信を持っちゃったのだが、その自信はまったくあさってな勘違いであることを思い知った。朝一番の1本目、けっこう攻めているつもりなのに、一向にタイムが伸びない。前回3月20日のフルコースで走ったときよりも、遅いのだから、かなり焦ってしまった。頭から血の気が引く思いで走っていたら、トラブル発生。アクセルオフしているのに、車が前に進む。シフトアップのとき、クラッチを切っているのに、1秒ぐらいエンジン回転が落ちてこない。たぶん、アクセルワイヤがしぶくなって、スロットルの動きが悪いんだろう、と思って、ピットイン。CRC吹いてもらったら治った。やはり雨の中走った車だから、注油しないと不具合が出る。

 走行再開するも、良いところがなく終了する。総監督曰く「今日は元気がないな」。1周2分半かかるコースで与えられた時間は30分。のんびりしている暇はない。

 2本目。やっぱりタイムが伸びず。焦りまくる。

 午前中の走行を振り返り、まだまだドライ路面のスピードに慣れていないのが一番の敗因だと思う。ドライバーが勝手に車の限界を作っちゃって、それ以上の速さで走れないのだ。でも、ドライバーにしたら、怖さを抑えていっぱいいっぱいで走っているのである。

 3本目。強制的に先頭でコースインさせられる。レース屋さん曰く「荒っぽいけど、速い車に付いていくしかない」。覚悟を決めてコースイン。付いていくのだけれど、あっという間に離されてしまう。速い車に付いていったときはタイムがちょこっと上がるのだが、一人になるとぐんぐんタイムが落ちてゆく。そうして、コース上にひとりぼっちになってコーナー進入速度の指標がなくなり、怖いな、と思っていたら、逆バンクでリアが流れ、慌ててカウンターを当てるも回復できず、スピン。ぐるりと180度回ってコースアウトした。出られると思ったが、左リアタイヤがくぼみにはまって空転してしまったため、車を降りる。総監督曰く「走りを見ていたら次の周は戻ってこないと分かったぞ」とのこと。ドライバーが原因のアンダーオーバーが出まくりで、はたから見ても雑な運転だったらしい。確かに、ひとりぼっちになって怖くなったら、集中力が切れていた気がする。

 散漫な気持ちで走っていたら、それこそ高いお金を出して走っている意味がない。次の走行開始までの数十分の間に、なるべく集中する努力をする。走行前、早めにヘルメットやグローブを付けて、いすに座って気持ちを落ち着けて、次にどう走るのか、イメージをつくる。

 4本目。やっぱり先頭からのコースイン。速い車からコースインするのが普通だから、あっという間に追いつかれ、抜かれ、そして付いていけなかった。

 課題は1、2コーナーとスプーンカーブ、130R。いずれも高速コーナーですっごく怖いコーナー。特にメインストレートから1コーナーのブレーキングの最中に、ものすごい勢いで抜かれていくから、それだけ僕が遅いということになる。Dさんによると「かなり突っ込んでも大丈夫。ブレーキングしながら1コーナーを曲がっていく感じ」と聞いていた。速い人に付いていき、どこでブレーキを踏んでいるかを学ぶ。何周かするうち、明らかに前より速く進入できるようになった。体力的には3本目よりきつかったけれど、集中力は切れなかったので、冷静に走ることができる。トップの人たちより1周4、5秒落ちぐらいのタイムにまでこぎ着けた。

 赤旗中断。残り5分でコースイン。タイムが計測できるのは2周目だけである。気合を入れて走り、自力で先ほどまでのベストと同じぐらいタイムが出せた。

 3本目まではタイムがろくに上がらず、焦ってしまったけれど、4本目でようやく進歩がみられてホッと一息ついた形。今回、向上したから良いけれど、タイムが良くならなかったら、かなりへこんでいたに違いない。

 タイムを上げる過程は、自分の壁を一つ一つ乗り越えていく作業だ。壁は次から次へと現れる。たくさんの壁の向こう側に、トップグループの人たちがいる。

4月9日

 明日は間瀬サーキットで北陸ミーティングの走行会が開かれる。

 昨年の走行会に参加する予定だったのだが、3月中にエンジンがブローしてキャンセルした経緯がある。2年前は初参加した。初めて間瀬サーキットを走ったのだが、走行前に無視できないほどのオイル上がりがあることが発覚し、直後にエンジン積み替えをした。なんだか、ここ2、3年は同じことを繰り返している気がする。

 今年は、間瀬の走行会の成功を祈りつつ、鈴鹿でFJの練習をすることになった。明日、午前9時ぐらいからサーキット入りし、フルコースを4回走る。レース直前だから、気合を入れて走ろう。

4月8日

 久しぶりにタイトル画像を変えた。これまでの画像は昨年5月連休にエンジンを組んだときのものだから、1年近く変更しなかったことになる。

 今回は昨年10月18日の筑波走行会のときの写真である。FJで走っていたという「くろはち」さんが一眼レフと望遠レンズを駆使して参加者の車を撮ってくださった中に、僕の車もちゃんと写っていた。写りが素晴らしかったので、思わずタイトル画像にしてしまった。

 やっぱりきちっとした写真を撮ってもらえるとうれしいものだ。僕も、走行会に出かけたとき、余裕があればほかの人の写真を撮ることもある。プリントしてあげることがあるが、やっぱりそうやって写真をもらうとうれしいものだと、実感した。最近FJの練習では、走ることばかり考えていて、写真にまで頭が回らないから、極端に枚数が少ない。Road&Sterの取材では走っているところを流し撮りしてもらい、けっこう大きく乗っていたので感動した。プロに撮ってもらうとやはり違う。一生の宝物だ。

 筑波の写真は僕が写っているものだけダウンロードしただけなのだが18枚もあった。もったいないから、もう一つお気に入りの写真をここに張ってしまおう。

4月7日

 4月18日の鈴鹿クラブマンレースRound2に参戦することになった。

 FJで本格的な練習を始めたのが、3月5日の鈴鹿南コース。7日に西コースを走り、20日のフルコース、4日の西コースとまだ4回しか走ったことがない。たったこれだけの経験で出るかどうか迷ったが、「いい結果はでないかもしれないが、出るんだろ?」とレース屋さんに言われたので、腹をくくった。限られた期間の限られた回数しか開かれないレースである。1戦たりとも見過ごすのはもったいない。10日と17日の2回の練習で形になるようにがんばろう。

 で、エントリーの書類を書いた。経験者のDさんに書き方を教えてもらう。基本的に箱のレースと違ってフォーミュラだから書く内容は少ない。

 一番、悩むのがエントリーネームかもしれないが、僕はあまり悩まなかった。レースに出るきっかけを作ってくれた総監督のチーム名「飛騨石倉組」と、オイルを提供してくれるメーカーの「アップワード」、メンテナンスガレージのスキルスピードの「スキル」で14字。それぞれの単語の間に空白を入れると見栄えが良くなるが、2文字増えると16字で上限の15字を超えてしまう。あと1文字をどうしよう、と思ったのだが、このサイトを見てくれる人が一発で分かるように「雅」を入れた。ゼッケンも自分で決めるのだが、一けたの数字はすでに他の人が押さえている。二けたの数字で決めるのだが、これもこだわりがなかったので、ある人に「二けたの数字で何番が一番好きか」と突然聞いたら、「72」とのことだったので、72番に決定した。

 飛騨石倉組アップワードスキル雅 ゼッケン72

飛騨石倉組アップワードスキル雅72

というなんともちんどん屋チックな名前になった。総監督曰く「速そうじゃねーな」。

 とにかく、4月18日レースに出ることになった。西コースは東コースのようなスタンドはなく華々しさはないけれど、草レース的な雰囲気を楽しめると思う。ご都合の付く方はぜひ、観戦を!

4月5日

 最近、エンジンからノッキングが出まくりである。

 気温が低い時期は問題なくても、暖かくなるに従ってノックの限界が下がってくるらしい。4000回転あたりでアクセルを踏むと、かりかりと音が聞こえる。最近はFreedomをいじるのも面倒になってきたから、そのまま放置してある。サーキットでがんがん走っているわけじゃないから壊れないでしょう。

 そのエンジンもすでに25000キロを走行した。まだまだ壊れなさそう。

4月4日

 西コースでの練習。3月7日の西、20日のフルコースに続く3回目の本コース。が、またしても雨模様であった。最初の走行は雪がちらつき、スリックで走ったけれど、初めてであることもあって、非常に怖い思いをし、20日は午後から雨が降ってウエット路面での走行。そして、またしても雨である。そして、普段なら午前、午後にそれぞれ2枠ずつ、計4枠2時間走ることができるのだが、今回は午前中に1回の計3枠しかない。

 前回は、雨が降ってからはただおどおど走っていただけで、練習にならなくてもったいないことをした。雨だからこそ、ドライより低い速度でいろんな挙動が体験できる。全体を速く走る必要はまだない。テーマを決めて走り込めば、路面の違いはあまり関係ない。前回は貴重なフルコースの2枠をもったいない走りで終わらせてしまったから、今回は気合を入れて走ることにする。

 日々、次はどのように走るかを考える生活になってしまった。今回のテーマはリアが流れることに慣れることだった。フォーミュラはグリップで走るものとの固定観念があったのだが、グリップ走行の範囲内で走っていたら、一生速くは走れないらしい。FJは空力デバイスがないから、余計にグリップを超えたところのコントロールが要求されるんじゃないだろうか。と、一人で勝手に想像している。

 リアが流れる、と簡単に書いているけれど、かなりのアングルが付いてから対応してもなんとか持ちこたえられるロードスターと違って、やばい、と思ったらすでにコントロール不能になっているのがFJだ。それで何度かスピンやコースアウトしている。リアのタイヤのスリップアングルを感じながら走らなければならないのだが、感じたときには手遅れ、というのが今までだった。それを何とかしたい。

 西コースだと、練習になるコーナーはどこか。ヘアピンやショートカットでは車速が落ちすぎていて練習にならない。130Rやスプーンの1つ目で最初から攻めたらマシンが何台あっても足りないだろう。やっぱりデグナーかな、と思って最初の走行に望む。

 困るのがヘルメットの曇りだ。しかも、メガネをかけていると両方とも曇ってしまって危ない。走行前にピットレーンに並んでいるときからすでに前が見えない。スクリーンを半開きにしておき、走り始めればすぐに晴れるのだが、開けておくと水滴が侵入してきてまた視界を妨げる。いずれにしても危ないことこの上ない。

 かなりの降雨量だったので、路面は完全に水で覆われて、ほかの車の後ろに付くとまったく視界がなくなる。いちおう、雨の日はテールの赤いランプを点灯するのだが、まったく見えない。そんな状態で前の車にくっついてコーナーに突っ込んだら、追突してしまいかねない。だから、ほかの車の後ろについてしまったら、あきらめてラインを変えたり、早めにブレーキを踏んだりするしかなかった。

 走り始めて数周で赤旗が出てすぐにピットイン。レース屋さんが来てくれており、「デグナーの2つ目はジワリとアクセルを開けるんだ」とアドバイス。上り坂になっているから、いつまでもケツを振っていると、ヘアピンまでの加速でかなりの差が付いてしまう。肝に銘じてコースイン。ウエットが初めての人なのか、かなり遅いペースの人がいるので、コース上は渋滞気味だ。いらいらしながらヘアピンまで走り、200Rへの立ち上がりで前の車に付いていって、フォーミュラエンジョイやFJを何台か抜く。

 ようやく攻められると思ったら、前の車に付いて行きすぎて、スプーンコーナーをオーバースピードで進入。気が付いたときには回復不能なぐらいリアが流れており、精一杯カウンターを当てるも、そのままコースアウト。我がマシンは土の中に埋まった。土の中で横っ飛びしたものだから、コックピットの中まで砂利が降りかかってきた。20分ぐらいスプーンコーナーを見学する。貴重な時間が見学になってもったいない。

 間近で見学すると分かるのだが、やっぱり速い人はコーナーの進入から立ち上がりまで動きが全然違う。フロントタイヤにリアタイヤが付いていく感じではなくて、ドライバーを中心に車がコマのように回ってコーナーを旋回する感じ。ドライバーはかなり忙しく動いているに違いない。

 こんなときの20分はかなりの長さに感じる。ようやくチェッカーが出て、マシンのところまで駆け寄ると、シートに水たまりができていた。サーキットの車に引っ張ってもらってコース上に出してもらい、シートに尻を付けないように変な体勢でピットに戻る。急ブレーキを踏むと、乗っていた砂利が「ざーっ」という音を立てて落ち、いくぶんか作業が楽になるのだが、さすがにコースを汚すようなまねはできなかった。ピットに戻れば、マシンの掃除が待っている。とにかくどろどろなので、カウルは外して水道で洗い、アームやエンジン周り、アンダーパネルは水をかけて泥を洗い流す。ウエスで綺麗にふき取る。

 お昼を食べる。Dさんからアドバイスを受ける。

 午後からの走行。デグナーへの進入を練習する。1つ目は進入速度が速くて練習にはもってこいなのだが、まだ怖くて攻められない。2つ目をまず攻めることにしたのだが、なかなかうまくは行かない。2枠目は無事完走。レース屋さんからは「形になってきた。デグナーへの進入で、最後の1周でやっていたようにカウンターを当てる感じで走れ」とアドバイスを受ける。総監督は「まだアクセルやブレーキのふみ方、ハンドルの切り方が雑。丁寧に。さらに130Rでアクセルを抜くのが一番早い。みんな怖いんだからがんばれ」とのこと。肝に銘じる。

 レース屋さんから、シートの位置について注意される。「そんなに身長がないくせに、肩まで飛び出していて格好悪い。そんなに起きた姿勢じゃ、マシンの挙動をちょっと高い位置、背中で感じることになってしまう。もう少し潜り込むように座って尻で挙動を感じるようにしろ」とのこと。シェイクダウンのとき、首があまりにも痛かったから、寝そべるように座る姿勢がもう少し起きるように背中にスポンジを張っていた。これをばりばりとはがして座ってみると、なるほど、潜り込むような姿勢になって目の位置もかなり下がった。特にハンドルやシフト、ペダルの位置に不具合はない。3本目に突入。

 かなりウエット路面にも慣れて、コーナースピードが上がったのが実感できる。数周して、130Rへの進入に向けストレートを加速したら、赤旗が出たのでピットに戻る。出たタイミングが良く、再開後は一番先にコースに出ることになった。ほかの車がいると、視界がなくなって思ったように攻められない。それでも、タイヤが冷えているスタート時からトップでコースインするのはまだ怖いから、ありがたい赤旗だ。

 赤旗解除後、コースインして130R。まだ暖まった状態らしく、十分、タイヤが食っているので後ろの人に抜かれる前に攻めることにする。デグナーの進入、ヘアピン前のブレーキ位置、200Rのライン取り、スプーン前のブレーキングポイント。2つ目のスプーンのライン取り。いろいろ考えながら走る。そして130R。まだ突っ込むのは怖いから、加速重視のかなりびびりが入った進入しかできない。

 何台かに抜かれる。僕より速い人たちだから、先に行ってしまうので邪魔になる心配はない。驚いたのは、抜かれてもしばらく付いていけることだった。明らかに今までと比べてスピードが乗っていて、それでもコントロールができたので、なんだか自分で操縦している気がしなかった。

 今回もデグナーの進入を重点的に練習する。今度はデグナー1つ目の練習だ。かなり怖いが、エスケープゾーンが広いので大丈夫だろうと、楽観的に攻める。甘く考えすぎて大スピンをしてしまった。何とかコース上にとどまったので再スタート。数周後、今度はデグナー2つ目でリアを流しすぎてスピン。コーナーの出口でスピンしてコース上に止まると、ほかの車が突っ込んでこないか、非常に恐ろしい。

 路面が2本目より良かったこともあって、タイムも上がった。レース屋さんもデグナー進入についてはほめてくれた。ウエットでは良くても、ドライではどのくらい攻められるだろうのか。まだまだ練習が必要だろう。

 雨の中、駆け抜けてくれた愛車を工場できれいに洗う。だんだんと自分のマシンである実感がわいてきて、愛着がわいてくる。

4月3日

 夜中、突然ヘッドライトが消えてしまって焦った。

 なんとなく兆候らしきものはあった。メーターパネルのハイビームの青い表示がうっすらと点灯していて変だなと思っていた。左側のヘッドライトがなんだか暗いな、とも。

 街頭もない暗闇の場所だったが、携帯電話の液晶バックライトの明かりを頼りにまずはヒューズを調べてみる。エンジンルーム内のヒューズボックスのヘッドライトヒューズ30A。抜いて確認してみても、特に問題がある様子はない。他のヒューズを抜いて刺してみても変化はなし。ここではなさそう。

 ほかの回路のヒューズが切れて変なことになってしまっているのか、と思い、運転席の足下に潜り込んでチェックしてみる。いろいろ調べてみたけれど、どこも正常に機能しているし、ヒューズが切れた様子はない。

 暗いのでヘッドライト周りの分解はあきらめて、危ないが車幅灯だけ付けて帰宅する。警察に見つからないか、冷や冷やしながら。

 翌日、仕事の途中、ホームセンターに寄る。とりあえず、バルブだけでも変えてしまおうと思った。2個1500円ほどの安いものを買い、ヘッドライト周りをばらす。

 ここでトラブルを発見。ヘッドライトのバルブを取り付けるソケット部分のプラスチックが熱で溶けていた。しかも左右両方だ。右側などは、配線の被覆が溶けて導線が剥き出しになっていた。危ない。

 そういえば、最近、夜に走っているとき、車内に変なにおいが侵入してきていた。サーキットや峠でブレーキが加熱したときや、クーラントが漏れてエキマニにかかったようなときに出るにおいに似ていた。気になって冷却水やブレーキの引きずりをチェックしていたのだが、まさかバルブの根本が熱を持っているとは想像すらしなかった。

 溶けたプラスチックがバルブにくっついて、外すのに手こずる。とりあえず、ソケットとしては機能しそうだったので、とりあえず新しいバルブを取り付けてみて、ヘッドライトスイッチをオン。問題なく点灯した。外した古いバルブを調べてみても、フィラメントが切れている様子はない。なんだかおかしい。

 富山の車屋さんに電話したところ「やばい症状だから一度電装屋に見てもらった方が良い」とのこと。たしかにそうだ。とりあえず、しばらくバルブを点灯させてみて、溶けたあたりを触ってみても熱をもっていなかったから、水がかかっても大丈夫なようにビニールテープでぐるぐる巻きにして組み立てて置いた。

 バルブの問題なのか、車両側の回路の問題なのか。後者だったら相当やっかいなことになりそうである。