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3月18日

 仕事途中、松本近郊で唯一の自動車工具屋さんの近くに行ったので、つい、寄ってみた。つい、と言っているわりには、確信犯的なものがあるのだが。

 Snap-Onの工具を2割引セール中なのだ。なにが欲しいかと言えば、ソケットである。どうあがいてもゆるまなく、ついにKokenのソケットがなめて広がるという失態をおかした触媒のボルトをゆるめてしまったSnap-Onのソケットの虜になってしまったのだ。たくさん買うととても高いので、12ミリと17ミリだけ買うことにした。

 12ミリのボルトはそれほど固く締まっていることはないし、17ミリのボルトならKokenのソケットで十分な剛性があって、実際の作業で困ったことはないのだが、工具箱にSnap-Onのソケットが交じっている、ただそれだけのことがうれしいのである。

 でも買うととても高い。2割引だろうが高い物は高い。

 店内を数十分物色した後、レジで2つのソケットの精算をしていたら、PBのピックツールが置いてあるのが目に留まった。ネットで有名な某工具店がネット上でアイデアを出し合って作り上げた逸品である。3000円ちょっとの値段に、少し高いけれど、欲しいな、と視線を落としていたら、店員さん曰く、「これ、本当にいいですよ。尖っている先の剛性がちゃんと確保してあるし、先が尖りすぎていないのもグッドです。今、とても品薄なんですよ。この前、初回入荷分があっという間にはけてしまったので、10セット追加したら5セットしか入荷しなかったんです。次の船便まで入ってこないから、しばらく手に入らないですよ」と、一気にまくし立てられた。そして留めの一言。「衝動買いとはいっても、絶対損はしませんよ」。買ってしまった。

 実際、エンジンをばらしていると、クラセンのOリングを外すのに、マイナスドライバーを使ったり、細かいところの掃除にわざわざつまようじを使ったりして、こういったかゆいところに手が届く工具が欲しい、と思うことが何度かあったのだ。

 巧みなセールストークに見事にはまってしまった情けなさを少しでも紛らわそうと、使えそうな場所やシチュエーションを次々と考えたのであった。

3月17日

 浴びるほど飲んだのに、今日も飲み会があるのに気が付いた。同業他社の女性が結婚するので、寿飲み会である。

 なんだか最近、そんな話ばかり聞く。回りはみなさん春を迎え、文字通り季節も桜咲く春になったのだが、なぜか僕は飲んだくれてばかりで真冬である。

3月15日

 asahi.comを見ていたら、「日本語件名のウイルス猛威」という記事が目に入った。これまでのウイルスは「I love you」だとか英語だったわけで、2バイトコードの日本語で件名が送られているのは、そういえば新しいかも知れない。「極秘」だとか、気になる件名で送られてくるらしい。

 そこから自分の掲示板にジャンプして読もうとした途端、ノートン先生に怒られた。メール受信中、「悪質なコードを含む添付ファイル」が見つかったらしい。ウイルスか、と思い、添付ファイル「patch.exe」を「検疫」と言って、ハードディスクのある部分に閉じこめておく処置をして置いた。

 問題のメールを見てみると件名が「重要」だった。添付ファイルはノートン先生が隔離しているので大丈夫だ。感染はしない。シマンテックやトレンドマイクロのホームページを見て調べたら、「極秘」だとか「重要」「例の件」「お久しぶりです」といった10数種類の件名をランダムに選んで送りまくるウイルスらしかった。感染してもWindows
のアドレス帳ファイルに登録されているメールアドレスに自分の複製を送りまくるだけだけれど。いや、それが迷惑なのか。

 なかなかタイムリーに送られてきたウイルス。さっそく、送り主を特定して電話で注意してあげた。本人は気付いていなかった様子。ファイルを消せば問題ないし、アドレス帳も登録が5人だけだったらしい。

 猛威を振るわないよう祈るばかり。

3月14日

 標高900メートルぐらいにあると思われる美鈴湖の氷がすでに解けきってなくなっていた。昨年の日常によると、3月22日でもまだ氷が張っていたようなので1週間から10日ぐらい解けるのが早い。最近の陽気で一気に解けちゃったみたい。日陰にはまだ雪が残っているのだが、それも少なくなってきた。

 なぜ、そんなところの凍り具合を知っているかと言えば、仕事をさぼって激走しているからである。いや、激走と言えるほどのものじゃないけれど。

 何回か走ってガソリンを無駄に消費し、大気汚染にも貢献していたのだが、土壌汚染にも貢献していることが判明した。この間変えたばかりのFM901のショルダー部分の摩耗が目立ってきたのである。まだまだ大丈夫なのだが、一部分だけ減っていくのはいい気がしない。腕が悪いのかしら。

 暖かくなってきて、この道に訪れる人たちが多くなってきた。この前は、ランエボとカプチーノが走っていた。ランエボはこちらのことなど目に入っていないらしく、路肩に止まったまま。カプチーノは好戦的ですれ違ったら、Uターンしてきて追いかけてきたので、アクセルをゆるめて追いつくのを待ち、追いついたところで走り出したら、あっという間に見えなくなった。初心者マークだったからねえ。

 バイク軍団も来ていた。2ストの後ろを走るのはつらい。タイヤはセンターライン内でも上半身がこちらの車線に飛び出しているので、危ない。

3月13日

 今日はとても良い日だ。

 夕方、たまたま自宅近くの資源物置き場におじさんが古新聞を置いているのが目に入った。明日は、回収の日らしい。

 月に1度、回収日があるはずなのだが、市の連絡が町会経由でしか来ないから、当然、町会に入っていない僕のところへは届かない。回収日が分からずに、古新聞がたまりにたまって危険な状態に至っていたのである。危険と言っても崩れそう、というぐらいだけれど。

 より、危険だったのは、ビールの缶が、それこそ山のようにたまっちゃったからである。大きなビニール袋の口が閉じられないくらいほど。こんな光景を見られたら、すべての人が僕のことをアル中、と思ってしまう。いや、本当にアル中なのか。

 さっそく、ジムニーを玄関に横付けし、古新聞の束をどんどん積み込む。他の荷物があるので、1度では積みきれない。一度、古新聞を捨て、再び玄関に横付けし、残りの新聞を積んだ後、ビールの箱を束ねて放り込み、さらに、空き缶を2つの袋に分けて積み込む。

 資源物置き場に行くと、おばあさんが一輪車に新聞紙を積んで歩いていた。人前で異常な量の空き缶、それもビールの空き缶を捨てるわけには行くまい。そのまま素通りして、ぐるりと回って自分の駐車場で待機。心の中で100数えてから再び走り出したら、空荷になった一輪車を押すおばあさんの姿が。タイミングばっちりである。

 ところが、今度は若い主婦が手に新聞紙の束をさげて歩いているのを発見した。やばい、とすぐ隣の駐車場にジムニーを突っ込み、主婦がこちらを見ないように祈りながら小さくなって待つ。ジムニーを見れば、当然、荷台に満載されたビールの空き缶が目にはいるからである。

 バックミラーで主婦が去るのを確認し、バックでジムニーを資源物置き場に横付けした。夕方なので交通量が多い。人が荷台を見ないように祈りながら、しばらく運転席で待機。交通がなくなったところで、ジムニーを飛び出し、さっと荷台から空き缶が入った袋を取り出して捨てる。後は、知らん顔して新聞を捨てるだけだ。

 新聞紙とビールの箱の束を捨ててようやく、大仕事が終了。よく見たら、置かれている新聞の束の実に半分ほどが僕の置いた物だった。

 すっきりして、うきうき気分なのである。

3月11日

 昨日は鈴鹿山脈の入道ヶ岳へ友人と上った。標高906m。いつも行く美鈴湖ぐらいの標高だから、軽いな、と甘く見ていた。この前上ったのは標高2857mの常念岳だ。

 のんびりした山登りで、ナガシマスパーランドがある長島町の友人宅に午前8時に集合。四日市まで東名阪で走り、菰野町でコンビニに寄り、宮妻峡ヒュッテというところまで車で行こうとしたら、途中の道が工事中。手前に車を置く羽目になり、20分ほど時間をロスする。

 風が吹くと少々寒いものの、天気に恵まれ、とても気分がいい。ひたすら林道を歩くこと30分ほど。水沢峠へ至る登山道口に到着。

 鈴鹿山脈は伊勢に近いこともあり、あちこちに歴史を感じられる場所がある。途中には奇岩「仏岩」があり、ここは天照大神降臨の地とされているらしい。そのわりには一般に知られていないのが怪しいところであるけれど。麓の神社の宮司が独り、強弁しているのかも知れない。

 少々の急斜面を、ぼちぼちと歩いていく。途中、石で組まれた窯の後が無数、存在する。窯は天井部分が崩れ落ち、石垣のように朽ち果ててしまっていた。昔、炭を焼いた窯らしい。茶碗のかけらも落ちていたから、掘っ建て小屋を建てて、焼き上がるまでそこで生活したと思われる。こうしたところにも歴史が感じられる。

 なかなか良い登山道だ。何が良いか、と言えば人がいない。定番になりすぎた感のある北アルプスは、人だらけだ。難所では渋滞が発生する。登山は生活の煩わしさから逃れるのが目的の一つなのに、ひたすら人に気を遣わなければならない。

 登山道も、あまり踏み固められておらず、所々ルートを探さなければならないところも。北アルプスは整備されすぎて、石の階段ととんとんと上がって行くだけのところがある。所々砂で滑って歩きにくいものの、奥地へ入ってきた、という充実感はある。登りづらい。NikonF90に縦位置グリップを付け、フラッシュのSB-28をブラケットを介して取り付けた、重量1キロを超えていると思われるものを肩からぶら下げていたからである。撮影担当の悲哀、ぼちぼち歩く皆を残して、独り駆け出して先回りし、歩いてくる場面をフィルムに収めなければならない。自分が最初に未踏の地に立っているのに、そう主張することができない川口探検隊のカメラマンの悲哀に通じるだろう。

 水沢峠へ到着。ここはすでにかなりの標高がある。目指す入道ヶ岳のなだらかな山頂がほぼ真横に見える。反対側を見れば、鎌ヶ岳。岩がむき出して斜度のきつい、なかなかの山容を誇っている。

 尾根づたいに入道ヶ岳を目指す。せっかく登ったのに、かなりくだらなければならない。しかも、ピークがたくさんあるので、登ったり下りたり。

 砂が崩れてできた奇妙な地形や仏岩、重ね岩など、見所はたくさん。なにより、人がいなくて、自分たちだけで山を独り占めにできるのが良い。

 やせた尾根で、左右どちらにバランスを崩しても、数十メートルの滑落が待っている。左肩に重量物をぶらさげていると、いちいち姿勢を考えながら歩く必要がある。カメラを岩にぶつけないように。

 一度、かなり下って、今度はきつい岩場の斜面を登ると、アセビの木が生い茂ってくる。北アルプスは標高2000メートルを越えれば植物がまばらとなるが、標高が低いと、樹林帯を突っ切ることになる。視界が開けると、なだらかな山頂は目の前。椿大神社の奥宮で、中高年の団体登山と出会う。昼食を一緒にと誘われたが、山頂で食べることにしていたので丁寧に断る。「若い人たちのエネルギーを奪おうと思っていたのに」とおばさんパワー炸裂の言葉をちょうだいした。

 笹が黄色く枯れた幻想的な斜面を登ると、鳥居とともに一気に伊勢平野が目の前に広がる。残念ながら春霞のためちょうど伊勢湾のあたりまでしか視界がなかった。山国に住んでいると、一直線に伸びる水平線にあこがれるのである。北アルプスでは見られない眺望である。霞んでさえいなかったら、最高だったのに。

 昼食。コーヒーをわかしてもらって飲む。一気に下山して、長島温泉の「なばなの里」で露天風呂。うだうだと過ごして帰宅が午前零時前。

 午前7時に起きて、松本へ出勤したので、今日一日仕事にならなかった。

3月9日

 すっかり春めいた一日。抜けるように青い空で風も冷たくなく、ぽかぽか陽気となった。北アルプスは少し春霞がかかっていたものの、雪をかむった嶺峰がくっきりと青空に映えていた。こんな日に、開幌状態のロードスターに乗らなかったとしたら、人として間違っている。

 仕事にもかかわらず、虎視眈々とドライブに行く隙を狙っていたのだが、なかなか時間が見つからずに、ついに行くことができなかった。人生のうちの数パーセントを無駄にした気分である。

 夕方、仕事を切り上げて、ロードスターのオイル交換。オイルフィルターはトヨタの4AG用を持参していかないと行けない。しかも、交換工賃1000円。WAKOS4CT3.6リットルと合わせて8200円。高すぎる。EXCRUISEという半合成?のオイルを仕入れてもらうよう、強く要望しておいたのだが、実現の可能性は薄そう。2100円で交換していたころが懐かしい。

 その後、軽く名古屋近郊に来ちゃった。こんなことをしているから、あっという間に距離が増えていくのである。