サーキット

5月3日

 STAGE春の大運動会に行ってきた! 結論から言うと、半年ぶりに思いっきりスポーツ走行ができて、とても楽しかったのですよ。

 思わせぶりな書き出しをしたのは、走る前からエラーがたくさんあったから。まず、間瀬サーキット入り前から雅久号、破損。積載車に積んでいったのだが、固定が緩んだらしく、変な物音で気がついたら恐ろしく積車の運転席近くにいる雅久号をバックミラー越しに発見してしまった。あわてて積車を路肩に止め、確認するとバンパーが無残な姿に…。泣きながらテープでバンパーを修復。ドリ車みたいだ。

 サーキットに着いて、雅久号を降ろそうとすると、キーがONの位置に。あー、LAPSHOTの動作確認をしたときに戻すのを忘れたんだな…。一晩しかたっていないのだが、バイク用のバッテリーで動かしているので、セルモーターはうんともすんとも言わない。

 Fire丸山さんに小型のジャンプスターターを借りてエンジンをかけるも、あと2、3のトラブルが重なり、「今日は何をやってもだめな日なんだ!」と、走行前からモチベーションはだだ下がり。自分の走行前には、小雨も降り出して、ただでさえ緊張感を強いられるコースなので「もう無理」と気が引けてしまう。中途半端に臨むと、車を失うどころか、けがをする危険性もある。

 1本目は最初はドライ気味だったのだが、途中から少し雨が強くなり、ところどころ滑り出す。バックストレートの途中からアクセルをすーっと抜いて、Zコーナーのかなり手前からゆるーくブレーキを踏んで走る。こうなると、リズムも取れないので、ただの峠走行とそう変わらない感じになる。レースを走るだとか目標があるのなら、良い練習ができるコンディションなんだけれども、がんばる理由が見つけられなければ、ただ走るだけ。無駄に時間を使って1本目終了。

 2本目前に気合いを入れようとピットレーンへ。主催者Tさんとあれこれ話す。「2本目にはドライになっているヨ!」と優しく気合いを入れてもらったのだが、心の中では白目。帰りたい。

 いつもは真っ先に車を並べるのに、テンション低めなので、後ろの方。たまたま、Fire丸山さんの後ろになり、コースインをする。

 BP2リットルハイコンプ4スロエンジンのFire号はストレートでぐーんと引き離される。いるものまで外して(今回はヘッドライトまで外した)軽量な雅久号は、非力なB6ノーマルながらも、ブレーキングとコーナーでその差を詰める。

 これがとっても白熱したバトルで、数年落ちのタイヤで立ち上がりのリアが不安定だったFire号と雅久号が良い勝負(タイヤがフレッシュだと1秒以上ちぎられる)。全身の血が沸騰するような時間を過ごし、数周したころには完全にスイッチが入っていた。

 3本目は、一番先にコースインするために15分前からピットロードに車を並べる。みなさん、1周目は様子見でゆっくり走るのだが、僕はシケイン出口からもう全開。だってタイヤが暖まらないんだもん。タイヤのおいしいところを見極めるため、2周目からタイムを狙っていきたい。そのためには、一番最初にコースインする必要がある。

 4月のわりには涼しいコンディションだったため、数周はタイヤが暖まらずにいまいちなタイムだったものの、ぽんっと12秒台に入る。ヘッドライトまで外してますます廃車チックに拍車を掛けたのだから、たとえタイヤが秋からのお古だとしても、秋の1分12秒4は上回りたい。

テンションMAXで走ることができた3本目=Fire丸山さん撮影

 非常に速いNCが後ろからやってきたのだが「どうせストレートだけだろう」と思ってZコーナーや最終コーナー、シケインを攻めたのだが、まったく引き離せないどころか相手の方が上手。こりゃいかんと、すかさず道を譲って引っ張ってもらう作戦に変更。がんばって走ったら、ベストの12秒1が出た。その後は、タイヤがたれてきたのか、12秒半ばぐらいを記録して、この日の走行は終了。目標には届かなかったのだが、テンションミニマムからMAXに引き上げられたので、とっても収穫のあった走行会だった。こういう瞬間を経験すると、日常生活とか仕事でも生きるんですよ。

4月26日

4月26日(火)

 30日はSTAGE春の大運動会! 28日夜から富山入りし、昨年の秋の大運動会から放置してある雅久号を29日に整備、30日朝に積載車で北陸道を通って間瀬サーキット入りする所存。富山の仲間は今回、走らないようなので、一人でサーキットに向かう。道中、見かけたらお声がけください。といっても、こちらは積載車なんで一緒に向かう感じではないですが…。

 前回の走行会のことはすっぽり忘れている。Evernoteに入れていた記録を発見! このごろめっきり記憶力が落ちたので、きちんとメモをすることにしたのが役だった。タイムを見ると1分12秒4だったらしい。14インチだったとしても、いまいち。当時のセッティングと、あれこれセットを変えてどう変化したのかが簡単に書いてあったので、走り始めから全開でいけそうだ。

 今回の武器は軽量化! 前回、富山のTORFを訪れたとき、ヘッドライト撤去&FRPボンネットに変わっていた。ボンネットはあまり変わらないかもしれないが、ヘッドライト撤去はでかい(ナンバーなしの車です)。あとは、ドライバーも軽量化! 合わせて10キロ以上は軽くなっているハズ。

 タイヤは使い回しのため、おいしい感じではなさそうだが、12秒フラットぐらいを目指したいなあ。

 夜は、長岡駅前・アルファーワンに宿をとってあるので、深夜まで飲んだくれるのだ。ラーメン屋で焼き肉を食いたい。

 今回は「目が三角モード」ではないので、見かけたら気軽にお声かけください。アドバイスなんかはできませんが、僕がどんな感じで走っているかぐらいはお話しできると思います。メールは随時、スマホで見てます。

2月17日

 間瀬サーキットの耐久レース・クーマックカップを走った雅久号は最初、アンダーコートは手を着けなかった。ナンバー付きだったこともあるし、始まったころは「ノーマルで参加できるレース」という触れ込みだったから、雅久号にもナンバーを取って、自走でサーキットまで走っていた。早朝にサーキットに到着すると「儀式」として、ジャッキアップして触媒をストレートパイプに交換していた。そうしなければならなかったから、当たり前のようにしていた。

 その仕様のままでも良かったのだが、ともに参戦していたシビックがとっても速かった! 予選では1秒半ぐらい引き離されていて、絶望的な差があった。それでも何とかレースになったのは、ロードスターが安定してタイムを刻めたことだ。前後、ローテーションが必要がないほど均一にタイヤが減ったし、スタート直後からゴールまでほとんどタイムが同じだった。

 とはいえ、あるとき、バージョンアップしていかないと、勝負にならない感じになってきた。ということで、やったことといえば軽量化だ。トランクに積んだバッテリーをエンジンルームに移設してハーネスを間引いたり、内装もクラッシュパッドは残してあとは裏側を削ったりして限界まで軽くした。細かいステーなども切り取ってちまちまと軽量化。

 で、アンダーコートもはがしたのだけれど、たぶん、それで一桁キロぐらいしか軽くはならなかったと思う。少しでも速くしたければ、通過儀礼的にやるしかないのだけれど、労力と得られたタイムが比例はしない世界ではある。

 日曜日に作業していて、雅久号での試行錯誤を思い出した。で、何が書きたかったというと、最近、おなか周りを中心に自分自身の軽量化が進んだ。間瀬を走っているときに軽くなっていれば、明らかにタイムが変わるぐらいに。

 数キロであんなに苦労したのに、なんということだ!

10月29日

出掛けて来ましたSTAGE間瀬大運動会! 間瀬を走ったのは去年の同じ走行会だから、1年ぶり。去年は、195/50R15のネオバの新品。今回は、グッドイヤーのEAGLE RS Sportを投入。車の仕様はまったく同じ。路面温度的には、今年の方が低めで、若干タイムが出やすかったかもしれない。

結果。去年の1分12秒3から、今年は1分10秒9まで1.4秒も速くなった。

正直、とまどう結果。今まで、雅久号のベストは、ビスカスデフで12秒0だった(しかも僕が出したタイムじゃない…)。あれこれ試行錯誤してセットアップを進めても、どうしても12秒台から上には行かなかった。去年は軽い効きのLSDを入れてもやはり12秒台。詰めて走るとデフの違いはそんなにタイムに出ないみたい。

それがタイヤ銘柄を変えただけで1秒も上がってしまった。

グリップの向上は1コーナーからシケインへの新入へのブレーキングで、明らか。ネオバより、車1台分ぐらい奥でブレーキングしてもOK。もう少し詰められるかもしれないが、失敗した時のリスクも大きいので試してない。Zコーナーも1台分まで行かないけれど、ブレーキングポイントが奥になった。コーナリング時も超グリップする。

雅久号はナンバーを切って積載車でサーキット入りしているため、最初のコースインでは文字通り新品イボ付き状態。シケインやソックスで皮をむいていないタイヤに特有のずばっと滑る挙動もなく、最初のZコーナー進入だけ注意して後は全開で行けた。

とりあえず、ネオバのときと同じ走りをしてすでに11秒台前半。ブレーキがもっと詰められるとがんばったら、10秒9が2回出た。コーナー中はオンザレール状態で、「慣れたらどんなタイムになるんだ」と思ったけれど、20分の走行枠の後半になったら、横滑りの挙動も出だした。

走行後タイヤを見ると、ショルダーの端の1センチぐらいだけ溶けたように減っていた。ネオバに合わせてあるので、アライメントを見直す必要がありそう。

2回目の走行ではタイヤの空気圧やショックの減衰を変えてみたら、あまりおいしい感じではなく、11秒台止まり。

3回目は、タイヤを前後ローテーションして、、路面温度が低くなることを見越して空気圧を調整し、1回目のセットアップに戻してみる。すると、再び10秒9。ショルダーの偏摩耗がなければ、もう少し出たかもしれない。走り方でもコンマ1、2詰められるけれど、ようするにコースじゃないところを走る走り方で、車も壊す可能性があるのでやらない。

3回目の走行では、JOYFASTの伊佐治さんに追っかけられて何ラップも遊んでいただいた。間瀬をホームコースにしていると、例えホームストレートで追い付かれても、シケインで引き離すことができる「地元ライン」があって、気持ちに余裕を持って走ることができるのだけれど、まったく引き離せないことが分かって、少々パニック。後から聞くと、Fire丸山さんからラインを聞いていた、ということだけれども、すぐにマスターしてしまうところはさすが。何周かして、タイヤもたれてきて、あちこちでとっちらかるようになったので、先に行っていただいた。超光栄。がんばって走っていて良かったなあ、と思う瞬間でした。

結局、ロードスター勢で3番手タイム。軽くしたNA6って刺激的で良いですぜ。

写真をこれ以外、まったく撮っていないことに気付く。

9月1日

 鈴鹿サーキットの50周年記念イベントに富山から参戦するという情報を聞きつけて、僕も行ってきた。入場料無料という大盤振る舞い。さすが鈴鹿サーキット。

 長島のいちご農家の友人宅に寄って、お昼過ぎに国道23号で鈴鹿に向かったのだが、ものすごい渋滞。普通なら1時間も掛からないところ、倍ぐらい時間が掛かった。

 オートキャンプ場に駐車スペースがあるということなので、乗り入れる。施設も充実していて、けっこう良い感じ。午後2時すぎにグランドスタンドに到着。さすがにお客さんがたくさんいて、1コーナー方面へ行かないと座る場所はなかった。

 ちょうどホンダF1参戦の第1期から、デモンストレーションが始まったので、iPhoneで撮影してみる。

 RA272など
http://www.youtube.com/watch?v=w_7A2enHyMg

http://www.youtube.com/watch?v=w_7A2enHyMg

 ラルース LC90
http://www.youtube.com/watch?v=rUmhSV7ugb4

http://www.youtube.com/watch?v=rUmhSV7ugb4

 ロータスT100ほか
http://www.youtube.com/watch?v=1K2x_s2ApAA

http://www.youtube.com/watch?v=1K2x_s2ApAA

 ホンダRA106
http://www.youtube.com/watch?v=tkmpWRZOgcU

http://www.youtube.com/watch?v=tkmpWRZOgcU

 音を聞いているだけでビールが進む感じ(笑)。WGPのデモランも見て、満足してキャンプエリアへ。バーベキューをして花火を見て、奥さんの運転で帰宅。

7月22日

 先週、土曜日に富山へ。日曜日の風来人ジムカーナ練習会に出るために、前日入り。雅久号は富山にあるし、ナンバーも付いてないので、積載車に積み込んだりといろいろ面倒だからね。

 サーキット用の雅久号はナンバーを切ってしまったのだが、もう1台、ドライブ用の雅号の車検を取ろうと思っている(車検切れで放置してあったのだ…)。足回りはばっちり直して、気に入らないところはどろどろに汚れているBBSホイールや修理したところが再び割れて排気漏れしているエキマニとか、ノーマルマフラーとか。あと、塗装の状態もひどい。購入時の塗装が残っているパネルはきれいなのだが、事故ったりして塗り直したパネルはどうしても、磨かないとどろどろになってしまう。

 話がそれてしまったけれど、雅号の気に入らないところの1つ、排気漏れを直すため、富山に向かう途中、岐阜のアップガレージに寄って中古部品を物色。すると、ちょうどNA6CE用のHKSたこ足が15900円で売っていた。

 見た目はそれほど悪くないのだけれど、商品説明には「クラックあり」としてある。店員にお願いして詳しく見せてもらって、確かに1部分、触るとクラックが入っていることが分かるところがあった。全体的にきれいだし、蛇腹もまだまだ大丈夫そうな外見だったので、店員さんに「修理が必要なわりには高くない?」と問うと、900円引いて、15000円で売ってくれた。

 富山に到着して、雅久号を積載車に載せて、ビールを飲んで意識を失う。

 日曜日。早朝から積載車を運転して、IOXアローザというスキー場の駐車場のジムカーナ場へ。常連組は集合場所で集まってから会場入りすることになっていたので、集合場所へ向かう。んが、集合場所が良く分からなかったので、直接、会場に向かうことに。

 雅久号を積載車から下ろして、会場入りしたところで雨が…。雨が降るだけなら歓迎なのだけれど、スキー場ということもあって、少々標高が高く、霧がかかるとなにも見えなくなってしまう。案の定、スタート時刻に近づくにつれ、霧がかかってきた。200メートル先のパイロンが見えない感じになるので、霧がかかってしまうとジムカーナ自体できなくなってしまう。

 去年は霧で後日に順延になってしまったのだが、今年は10分ほど濃い霧で何も見えなくなった時間があったものの、間もなく晴れた。それどころか、かんかん照りになって、熱中症の危険が危ない感じに。

 そもそも、ミッション車をほとんど運転していないので、まともに走れるかどうか不安だったが、体が覚えているもので、それなりに走る。でも、なんか気合いが抜けていて、午前中はさんざんな感じ。それなりに走るけれど、タイムもそれなりって感じで速くない。走行時間が終わると今度は旗振りをするものだから、けっこう体力勝負。スポーツドリンクをがぶ飲みしながら振ったり走ったり。

 昼ご飯を食べて、残り数本になったところで、おおとろ氏とあれこれ話す。前半部分はきっちりスピードを乗せるところは乗せ、そのために必要なライン取りを考えなくては、と示唆されたので、そういえばサーキット走行と同じだよな、と1から考え直して走ったら、まあまあのタイムが出た。んが、おおとろ氏の集中1本で出したぶっちぎりタイムには遠く及ばず、ほえ面をかいたのであった。

 積載車を運転しておおとろ亭に戻ってビールをがぶ飲みし、意識を失う。

 翌日、前日の疲れがまったく取れないところに年齢を感じつつも、やっぱり雅号にも乗りたいというモチベーションが高かったので、朝から工場のリフトを借りて、ブレーキ整備なぞをする。ボディがあまりきれいでないと乗る気も起こらないので、これまた機材を借りてバフがけする(いつもお世話になっています!)。

 夕方まで作業して、車検をお願いして、軽自動車で帰宅。どうも軽い熱中症だったらしく、以後数日間はふらふらして過ごす。

10月18日

 寒い。明日の最低気温は4度だそうだ。山の上はもう凍っているな。

 夕方、仕事場で座っていて仕事が増えるのも嫌だったので、密かに抜け出す。なんとなく、すっきりしたくてロードスターでいつもの山道へ。2往復もしちゃった。片道6キロぐらいあるから、激しく24キロ走ったことになる。前回給油してからまだ200キロも走っていないのに、燃料系が4分の1以下を指している。極悪燃費、激オイル食いの、環境に悪魔のような車である。

 暇だった昨日、ビデオを買った。怪しいやつじゃない。エンジンチューンがテーマのものである。はたから見たら、別の意味で怪しいか。

 パッケージには、さまざまな能書きが書いてある。いかにエンジンからパワーを絞り出すか、パーツの選択が重要だ、などなど。4AGやSRエンジンの中に、B6エンジンも入っていたから、何となく、買ってみた。13Bチューンまで盛りだくさんに入って、全部でたったの45分しかなかったから、その内容は推して知るべし。それでも、加工後の燃焼室がちらりとでも移っていれば参考になるな、と思って期待して見たら、案の定、何の役にも立たなかった。

 ごくごく普通に、エンジンの組み立て方の断片が収められているだけ。クランク回りのオイルクリアランスやエンドプレー、振れの測定(このサイトに掲載したばかりじゃないか)やバルブの当たりの見方、その他タイミングチェーンのかけ方など、普通の組み立て方を紹介しただけであった。パッケージにはハイコンプチューンとかいう文字が躍っているのに。「燃焼室はここを削れ!」「理想のポート形状はこうだ!」「B6エンジンにはこのピストンを使え!」とか少しは紹介してくれるのかな、と思っていたのに、やはりそれらは企業秘密なんだろうか。僕は少しはかじっているから、何となく感心する部分もないことはないけれど、これから始めようという人が見ても、なんだかよく分からないと思う。いったい、どこに焦点を絞って編集したのか、制作者の意図が全く見えてこない。「チューニング」をうたっておいて組み立て作業の羅列を見せるだけじゃ、詐欺に近い。

 以前にも、「サーキットドライビング」何たらというビデオを買ったが、これもまったく参考にならなかった。プロのレーシングドライバーが出演していたのに、擬音を交えた解説。素人にも運転させていたけれど、アドバイスが抽象的。自分で運転して車載カメラの映像を見せておきながら「そうそう、こうだよ」なんて、1人で話しているだけなのだから、救いようがない。

 中には出来のいいビデオもあるかも知れないけれど、今のところ2戦2敗。変態、と呼ばれてしまうぐらい速い人がロードスターで筑波を走った車載映像の方が、数百倍もためになった。

 でも、またそのうちにだまされるんだろうなあ。

10月16日

F1決勝当日。友人と、夜の宿代を賭け、勝者予想である。実はこれまであまりF1に興味がなかったので、公式ガイドブックを見ながら学習。友人の話を聞いたり、直前情報を読んだりしながら考えた。

僕が選んだのは、ウイリアムズのモントーヤ。予選で2位。新人で予選がとても速かったし、態度もでかい。アウトローで暴れん坊なところに惹かれたのだ。爆速ミハエルは総合2位を狙う同僚バリチェロを1位にさせるため、道を譲ると予想した。スタート直後でミハエルの土手っ腹にぶつけてともにフェードアウトする可能性など、モントーヤはいつどこで派手にクラッシュするか分からないリスクはあったものの、とっても速そうで気に入った。

友人は最初、譲られるであろうバリチェロをチョイスしたものの、考え直してハッキネンを選んだ。これは彼自身の思いもあったとみられる。スタート直後にモントーヤがミハエルを狩ってしまえば、十分にあり得る。結局、神速を見せたミハエルが1位。モントーヤが2位でハッキネンは実質3位だったから、なかなかいい予想をしたことになる。順当にいっただけか。

座った指定席は「D」という区域。この区域は1コーナーの突っ込みを見ることができる、良い場所だった。席料は32000円と高いが、スタート直後にごたごたがあれば一番に見える場所だし、ホームストレートで一番スピードが乗るし、抜くポイントでもある。さらにS字が見える。素晴らしい。

緊張のスタート。カーンと飛び出したのはミハエル。まったく危なげもなく、刺客モントーヤも寄せ付けない完璧なスタートだった。動けない車が1台あったものの、スムーズな開幕。テレビ観戦と違うのは、すべての車が通りすぎてしまうと、静寂が訪れること。実際は、遠のく爆音や周りの歓声でうるさいはずなのだが、鼓膜が振動するほどの爆音を聞いた直後なので、シンと静かになった感じがする。

1番で戻ってきたのは、ミハエル。すでにモントーヤとの差が開き始めている。速過ぎ。少しぐらいトラブルがあればレースが面白くなるのに、危なげなく貫禄勝ちしてしまった。

観戦で一番興奮したのは、暴れん坊モントーヤ。スタート直後、バリチェロとバトルを繰り広げていた時、シケインで抜かれた直後の1コーナーで再び抜き返したときである。バリチェロは3回ピット入りしたので、序盤に燃料をあまり入れずに車体を軽くし、モントーヤをぶち抜いた後、ミハエルが1位を譲って、モントーヤをブロック。そのまま抑える作戦だったのかも知れない。

身軽だったと思われるバリチェロは、シケインにて稲妻のような動きでモントーヤをパス(リプレイの映像で見た)。2位に躍り出たように思われた。

1コーナーで観戦いるときには、ミハエルの後、モントーヤの姿が現れると思っていた。しかし、立ち上がってきたのは赤いバリチェロ。「どこで抜いたんだ?」と不思議に思う間もなく、モントーヤ、イン側にノーズを差し込み、1コーナーへ2台がからまって激しく突っ込む。負けじとブレーキを遅らすバリチェロ。2台のブレーキローターがひときわ明るく輝く。タイヤはロックしなかったから、絶妙なブレーキングである。

ぶつかる、と一瞬、思ったが、モントーヤが競り勝った。バリチェロはイン側を締めることができなかった。暴れん坊が迫ってきたからラインをふさいだら「ぶつけられる」と思ったのかも知れない。体に震えが来るほどの鮮やかな抜き方だった。なにせ、ぶち抜きスペシャルの戦略を立ててきて(予想だけれど)、実際に抜き去った車を、直後に抜き返したのだから。この一瞬だけでも、この席に座った価値があった。

しかし、テレビ放映ではこの場面が出てこなかった(見落としただけ?)。アレジや2位争いに焦点があったから、仕方がないか。でも僕は、この人間味あふれるドライバーを応援したくなってきた。あまりにも優等生じゃつまらない。ある屋台に売っていたモントーヤTシャツ(6000円!)を買い損ねたのを悔やむ次第である。このTシャツを着て街を歩いていたら、かなりファンキー。F1に詳しい人が見たら、吹き出すかも知れない。ステキ。

写真は、午前中のフリー走行のとき撮影した。さすがに自分の席からでは無理だった。時速300キロ以上の物体は、望遠レンズを通すと、一瞬で過ぎ去ってしまう。色のついた陰が横切ったようにしか見えない。選んだ場所は130R。シャッタースピードは125分の1で流し撮りをした。物足りない数値に見えるかも知れないが、何しろF1マシンを追っかけているのだから、レンズを振るスピードも半端じゃない。十分背景が流れていた。

2枚を紹介。

 激速M・シューマッハ。少々ピントが甘い。やはりフェラーリは人気が高かった。グッズに身を包んだ人の何と多かったことか。

 やはりホンダのエンジンを積んだ車に、自然と目と耳が向いた。F1を去るにもかかわらず、クラッシュしてしまったジョーダンのジャン・アレジ。

 あの音を1度聞くと、クセになるかも。来年は開幕から毎戦テレビ観戦することになるのかしら。

10月15日

F1観戦は宿確保が最大の壁だった。

「F1に行こう」と甲府の友人に誘われたのは、今年の夏前ぐらいだったか。チケットの販売状況をホームページで見て、まだ売れ残っていたのを確認し、行くことに決めた。チケットの購入は友人にまかせた。

ところが、9月中旬になっても「まだ買っていない」という。すでに年間優勝が決まっていたので、キャンセルが相次いで、チケット屋での値段が下がると踏んだらしい。友人は1度行ったことがある、と言うし、本当に行けるのかしら、と心配になりながらも、とにかく待っていた。

友人が買ったチケットは入場料9000円と、指定席32000円の計41000円の場所だった。「D」というブロックで、ホームストレートから1コーナーに入る、非常に良い場所だった。しかし、安く買うと言っていたわりには、定価のままの購入であった。

相談の電話が掛かってきたのは、先週のこと。「宿を探したのだけれど、あまりまともなところがない。明日までに入金すれば泊まれる場所が1カ所ある」とのこと。値段を聞くと1人20000円。普段はモーテルらしい場所なのに、だ。さすが国際イベントF1。特に宿泊関係は「F1価格」になってしまう。

41000円の上に2万円も払いたくなかったので、鈴鹿市の隣、亀山市に住んでいる人に電話をしてみた。すると、「何もかまえないけれどOKよ」という返事。やはり持つべきものは心優しき知り合いたちである。

そして、F1出発前の金曜日。快く泊めてくれたお礼を持っていこうと、仕事をさぼって食材を買いに出掛けた。信州ならではのうまいもの、と言えば、きのこ鍋しかあるまい。知り合いに少し分けてもらうようお願いし、さらに松本平中を回ってきのこをかき集める。

松本電鉄上高地線の終点、新島々駅近くのおみやげ屋や、町の観光協会が運営している地場産センターを回り、かき集めた。クリタケ、ヒラタケ、シメジなどなど。さらに、塩尻の知り合いのところへ寄り、僕の中では1番うまいと思うジコボウを分けてもらう。おみやげ屋では、3、4000円で売っているやつを、冷凍だが、大量にもらった。

ジムニーの助手席に積み上げられたきのこたちを見て、1人でほくそ笑んだ。いまだかつて、こんな大量のきのこを鍋にぶち込んだことはない、と。

その日の夜は、友人Kの仕事先での送別会だったので参加する。いったい、いつ仕事をしているのか、自分でも不思議なくらいだ。土曜日は、甲府の友人と午前6時すぎにJR岡谷駅で待ち合わせをしているので、ちびりちびりとやっていた。

いつもと同じようにしこたま飲んでしまって意識不明となり、携帯の振動で目覚めたのが午前6時前。完全に遅刻である。

友人Kが「翌日、朝に東京に帰る」と言っていたのを思い出し、電話でたたき起こして、迎えに来てもらい、岡谷に向かう。岡谷インターに午前6時半すぎ着。甲府の友人のスープラに乗り込み、鈴鹿を目指す。午前11時着。フリー走行は音しか聞こえなかった。予選はシューマッハの走りに興奮する。

夜、9時半ごろ、亀山の知り合いの家に到着。大量のきのこを開けたら、家の人が目を丸くしていた。東海地方ではなかなかお目にかかれるものではない。とにかく、きのこを鍋に全部ぶち込んで、煮込む。本当は、水を入れずに肉を焼き、野菜を投入してから、日本酒を注ぎ込み、野菜から汁が出てきた頃にきのこを加えると、濃厚なスープとなるのだが、この日は昆布だしの中に放り込んだ。5、6種類のきのこが投入された鍋は壮観である。肉は豚肉がうまい。野菜のメインはやはり白菜。それにしょうゆで味付けしただけである。

煮上がったきのこたちの醸し出した味の、なんとうまいことか! 4人では食べきれないかな、と思っていた、ただならぬ量の鍋だったのに、見る見る間に胃袋に収まっていく。具を食べ尽くした頃に、うどんを入れる。きのこだしの汁で煮込んだうどんは、もはや別の食い物である。大量の具を食べた後のうどん3玉も、瞬く間に終了した。

亀山の知り合いも、「これまで食った鍋のなかでも1、2を争うね」と絶賛。きのこのうまさに開眼したようであった。まつたけの味、なんてお金を出してまでのものじゃない。雑きのこのうまさに比べれば。

連日の飲みで体力が消耗していたが、これで回復。

10月7日

 友人Kの引っ越しを手伝った後、治部坂へ行ってきた。こうやって書くと中部ミーティングに参加したように見えるが、満面の笑みでこちらに手を振って会場の駐車場に誘導する係員に軽く会釈して、猛スピードで走り抜けてしまった。心が痛む。

 前日泊組みの集まりに潜り込んだのだった。今日はどうしても外せない仕事があったので、泣く泣く出勤である。

 三重のショップのデモカーに乗った。といっても助手席だが。ドライブした人は速過ぎて「変態」と呼ばれてしまう人。サーキット走行前夜、午前5時まで話を聞いていた人である。キャブ車でバネは前15キロ後13キロだったか? 13インチのSタイヤ。で、道路のギャップで目玉が飛び出し、首の骨がずれるかと怖がっていたら、乗り心地が良かった。自分の常識では考えられない、ものすごい動き方をした。「こんなスピードで突っ込むんですか?」「ここでさらにアクセル踏むんですか?」と、もはや別世界。もちろん、ドライバーは人の車だから遠慮して走っていたことは言うまでもない。

 その後、筑波サーキットで1分6秒台のドライブ(もちろんロードスターで)の車載カメラ映像を見たりして、宴会場で午前3時ぐらいまでずっと話を聞いていた。質問ばかり。

 上には上がいてきりがない。そんな思いを新たにするとともに、自分のちっぽけさを再認識する最近なのであった。