コンピューター

移行

 20年以上前に書いたコンテンツがどれぐらいの価値があるのか分からないが「ガレージ雅」に載せていたコンテンツを新しいURLに移行している。スマホ、特にiPhoneでページを開くとテキストが小さく表示され、いちいちピンチで拡大縮小しながら読まねばならず、読みにくいことこの上ない。

 当時から読むデバイスによって違う画面の解像度の問題はあり(幅640~1200px程度)、印刷物を作っている人間にとってレイアウトが崩れるのが嫌で、一定幅(600px)のテーブル(枠)内にテキストや写真などを配置していた。

 表紙のページは印刷物の見出しを意識して、テーブルの中にさらにテーブルや画像をごてごて配置してレイアウトを固定した。当時はトップ画像にメニューのテキストが並んでいた簡素な表紙ページが一般的であり、にぎやかに見えるこのデザインを「新しいのでは」などとけっこう気に入っていたのだが、今から思えばオールドメディアの再現をして悦に入っていただけなのだから、新しくも何ともない。

 当時から「テーブルでレイアウトをごてごてするのはいかがなものか」という意見をいただいたことがある。HTML4が出て普及が進んでいた時期で、デザインと構造は分離し、CSSにデザイン要素を書き込むべきだ、という考え方に移行している時期だった。だが、意図通りのレイアウトでテキストと写真が表示されればいいじゃないか、ぐらいにしか思っていなかった。

 PCの解像度は幅1920px以上が一般的になった今でもページの拡大率を変えれば当時と同じように表示されるが、前述のようにスマホだとハンドリングが悪い。これではせっかく検索で表示されても、読まれない可能性が高い。当時のままであることも価値の一つだが、今風の表示になるように、テーブルによるレイアウトを極力使わないようCSSを駆使して改造した。

 知識がないとできない作業だが、それほど手間をかけなくてもできてしまうのがAI時代だ。古いhtmlファイルをアップロードし「モダンなデザインにして」とプロンプトで伝えるだけで、あれこれ提案してくれる。すべてのファイルをAIで書き換えると膨大な手間になるし、現時点のAI(GPT4o)の駄目なところなのだが、コンテンツを勝手に短縮したり、改変したりする。

 そこで、CSSなどを盛り込んでひな型となるHTMLが完成したら、一括して修正するPythonプログラムをAIに書かせる。数十のファイルの書き換えが一瞬で終わる。困ったことに、Andoroidなら問題ない表示も、iPhoneだと画面の解像度が高すぎて、字が小さく表示されてしまう。こちらもAIに指示して、iPhoneかどうかをJavaScriptで判定して文字の倍率を上げてやって解決した。

 スマホがない時代に人と人はどうやって連絡を取っていたのだろうと思うのと同じように、AIがない時代にコードはどうやって書いていたのだろうと思うぐらい、手軽に手が出せるようになった。

 身辺雑記の「日常」もAIに日付ごとに切り分けてもらって、Wordpressにインポートできる形式で主力してもらった。手直しが必要だが、千数百本を移行できた。中身が変わっているかもしれない、という不安はあるが、もともと日記代わりに書いていたものだから多少変わったり欠けたりしても問題はない。

 ひと通り移行が終わったら、ようやく新コンテンツである。ただ、ナンバーを取ったロードスターは車庫にしまったままになっていて、ネタをつくることができない状態だ。

 

自動化

 前任の職場を任されることになったとき、怒りで震えた。あるコンテンツを2次利用してあるサイトに登録する作業なのだが、コンテンツを生み出す訓練を受けた人材が、コピペのような非効率のしょうもない作業に膨大な時間を費やしていたからだ。いわゆるブルシット・ジョブだ。

 サイトは商材には違いないが、運営自体をコンテンツをつくることができる人間がやる必要はない。サイト立ち上げの実験段階でそういうことがあるのは仕方ないにしろ、コンテンツを売ることではなく運営自体が目的化してしまっては本末転倒だ。サイトでどんなコンテンツを売れそうか探っていく、それが本来の仕事であるべきなのだ。

 配置換えになって着手したのが、自動化だ。システム間でコンテンツを取り込むのに、一手間が必要なオペレーションだった。文字列の変換もいちいち確認が必要だった。さらに、ブラウザで動かすCMSが古くて出来が非常に悪く作業の効率が悪い。テキストを整えた後、次の画面に行くボタンがページの最上段や最下段にあり、がりがりマウスのホイールを回す、というような馬鹿げた作業だ。これを1日60~70本夜勤で投入していたのだから人間的とは言えない仕事だった。

 一部業務がお手製Pythonプログラムでつくられていたので、当時使えるようになったChatGPTを使ってコードを書いてもらい省力化システムを作っていった。SeleniumでChromeブラウザを制御し、操作パネルで一連の作業がワンタッチにできるようにした。コンテンツを投入すればプレビューが自動で出るようにした(プレビューを見るだけで手間がかかっていた)し、サムネイルの整形も自動でする。複数のコンテンツの整形を自動でするバッチ処理も付け加えた。

 これで作業者は見出しやコンテンツに付けるタグに集中すればよくなった。作業に必要な(多くがコピペや画面のスクロールなどのクソみたいな)時間が大幅に減り、日常的だった残業がほぼなくなった。

 本当ならば、コンテンツ投入作業は確認ぐらいにして誰かに任せたいし、見出しもAIにつけてもらいたいところなのだが、見出しはコンテンツを生み出す企業としては機械化はしてはならないとされ、不可侵の領域となっている。僕はこだわらないけれど。媒体によって読者や特性が違うので、当然見出しは変わってくる。こたつ記事の「釣り」の見出しではなく、眺めるだけで用事が済むような実用的な見出しでよい媒体だったので、AIにつけてもらうのがいちばんうまい気がする。

 でも結局、残業がなくなったぐらいでコンテンツ投入作業はまだ仕事の大半を占めており、新たなコンテンツを生み出すところまでは行かずに異動になった。運営の部分とコンテンツ探求の部分は分けて、運営を別人材(退職後の短時間勤務の方とか)や省力化でなんとか売れるコンテンツを生み出すようにしたかったけれど、サラリーマンの悲哀、組織の論理に従うしかない。

 アナログな仕事に戻ってそれはそれで楽しい。だが、なんとなく物足りないのでサイトを復活させたんだろうな。

3月16日

 まさかの、iPhone5s復活…。

 auのiPhone6sに乗り換えて、役割を終えた5s。いろいろ試したけれども、文鎮状態から脱しないので、あきらめかけていたが、とりあえず、パソコンのitunesにつないで、復元を試みる。

 もちろん、何度もやった作業だけれども、今回、たまたま別のモードでの復元になったらしく、「アクティベートできません」というエラーがでなくなり、「復元を進めています」とのメッセージが出た。時間がかかりそうだったので、外出して帰ってくると、見事に復活。もちろん、docomoを解約しているので、電波は「圏外」表示だけれども、たぶん契約が有効なsimを差せば動くだろう。

 まだまだ5sで良かったのになあ、と思うが、すでに乗り換えちゃったものは仕方がない。どうせなら、1月中に自発的にauに乗り換えちゃえば、docomoの解約金は取られなかったのだが。

 6sは手に余る大きさで操作が若干しづらかったけれど、滑りにくい素材のカバーを付けたら使いやすくなった。とりあえず、5sはバックアップ機として、しまっておこう。押し入れには、simフリーの4sとdocomo5sが眠ることになった…。

3月14日

 朝、起きたらiPhone5Sの様子がおかしい。電波の表示が「検索中…」になっていて、いっこうにドコモの電波を拾わない。Wifiはつながったので、家にいる限りは普通に使えるけれども、電波が拾えないんじゃ、電話が使えない。

 これは、致命的だ。今は、それほど緊急に動かなければいけない部署ではないから、電話がつながらなくてもそれほど困りはしないのだが、20代のころから染みついている習性で、仕事場からの電話がつながらない、というだけでいてもたってもいられなく焦る。これは、もうビョーキ。

 とりあえず、機内モードにして、電源offにして、リセットをかけて、ネットワーク設定のリセットもかけたけれども、改善せず。こりゃ、初期化するしかないかな、と思い、とりあえずパソコンのitunesにつないでバックアップをして、工場出荷状態に戻す。

 で、初期化されたiPhoneを起動したところ、Wifiをつないで次のところでつまずく。「このiPhoneをアクティベートできませんでした」だと。ここから画面は進まない。昨晩まで普通に使っていたのに、朝起きたら壊れているだなんて、いったい何が起こったのかさっぱり分からない。とりあえず、simカード不良を疑う。

 で、電話がつながらないから焦る。とりあえず、職場には用事があったらメールを送ってもらうように頼んで、iPadでメールチェックをしてしのぐ。仕事にならないから、ドコモショップへ。30分ぐらい待たされて、店員にiPhoneを渡すと、「店のsimを突っ込んでも変化がないので、本体が壊れている可能性が高いですね」だと。

 リセットをかけなければ、最悪、wifi環境で使えるipodになったのだけれど、リセットを掛けちゃったものだから、ただの画面が光る板になってしまった。

 一刻も早く電話を復活させたいので、代替の機械を手に入れるしかない。特にほしいとも思っていなかったiPhone6Sに乗り換えるのが、まあ、現実的な選択肢だ。ドコモの店員に聞くと、在庫はあるが、今使っている料金プランは継続できない、と。今までは、Xi料金プラン。会社が業務通話料とパケット定額代を負担してくれるので、低い基本料なこのプランが一番ありがたかった。新規では入れないことは知っていたのだが、継続もできないとはどういうことかと聞くも「決まりなので」という答えだけ。まあ、店員を責めても仕方がない。

 「んじゃ、いいです」と店を出て、結局、auのLTEプランでiPhone6S 128GBを契約した。だって、乗り換えた方が安いんだもん。キャリアメールはずいぶん前に捨てているので、まったく支障はない。会社がパケット代を出してくれなかったら、あっという間に格安simにするのだけれど。2年たったら、売っ払ってまた新しい携帯にするかも。

 いまは、itunesにつないで復元中。再設定の手間が少ないのが、iOSの良いところ。

2月19日

ひさびさにフルコンのFreedomを装着する雅号(街乗りロードスター)を動かしたところ、始動直後にエンストしそうになるのが気になった。水温補正が薄いんだろうなと思い、助手席後ろに放り込んであるノートパソコンを取り出し、グローブボックスに仕込んである通信ケーブルと接続する。1年以上は動かしていないので動くか分からない。電源を入れると案の定「カカカッカカッカ」と不吉な異音が鳴り響いた。ハードディスクっぽい。

ブートに失敗したので、拳で「ガツン」と一発くれてやる。電源を入れ直したら、普通に起動した。10年以上前のパソコンなのに、まだまだ動いてくれる。

水温補正をいじるときにやっかいなのは、一回始動してしまうと水温が上がってしまうため、パラメーターをいじってもすぐには違いを確かめることができないことだ。こんなもんだろう、と水温が30度以下のところを増量する。用事が終わって10時間後ぐらいに始動したら、修正が効いたらしく、ぶーんときれいに回った。

それでも、アイドリングはどろどろするし、ところどころ薄い気がする。さらに、燃料カットからの復帰など、微妙にアクセルを踏んでいる領域でぎくしゃくする。かなり久しぶりでいろいろ忘れちゃっているので、「ガレージ雅」を見ながら、燃料マップや燃料カット補正、アイドル補正など、あちこちのパラメーターを確認しては、修正する。アイドル補正は、なぜかほとんど効かないような数値が入力してあった。アイドル吸気圧なまし量なんかも、変な数値が入っていたので、修正。ノーマルエンジンなのに、ハイカムを入れたようなどろどろしたエンジン音が、だいぶ普通になった。

過去に4連スロットルだったときのパラメーターがそのままになっている部分もあったかも。Freedomを買ったのが2002年なのだから、すでに13年も経過している。E&Eさんも何か起こっても「知らん」と言うだろうなあ。

8月30日

 仕事で三重県伊賀市に行くことになったので、もちろん、ロードスターで向かう。

 排気系を一新したので、Freedomのセッティングが若干ずれた感じになっている。アクセルを1センチぐらい踏んだ以降の空燃比はそこそこ合っているのだが、数ミリ踏んだところのスロットル開き始めの空燃比が薄すぎて、ぼこぼこっとエンジンが不完全燃焼をしてしまう。

 サーキットでは気にならないかもしれない領域も、街乗りだととても気になる。特にワインディングを気持ちよく走るには重要なセッティングだ。

 高速道路で助手席にパソコンを置いて、ぱちぱちとセッティングを進めてみる。だいたい合ったかな? と思ったのだけれども、アイドルが妙に濃かったりとなにかふに落ちない感じ。

 夜、仕事が終わって帰る時に走ってみると、今日セッティングをした領域がめちゃくちゃ。思わず「???」と頭の中が疑問符だらけになったが、そういえば、吸気温センサーが以前、4連スロットルを付けていたときと変えていないことに気がついた。今はノーマルエンジンに、NBの吸気管を取り付けているので、実際の吸気温度とセンサーが付いている場所の温度はかなり違うかもしれない。

 ということで、吸気温センサーの取り回しから修正しなくちゃならない。そもそも、あまりにも暑い日にはセッティングをしない方が良いかも(汗)。

2月22日

 信州大の某教授が「アクティブトレーサー」という機械を開発した。

 万歩計を恐ろしく正確にしたと思えばいいかもしれない。大きさもポケベル程度で、XYZ3軸の加速度を正確に記録する。人間の腰に付けた場合、立った、歩いた走った、こけた、という動きが加速度として記録されていく。手で持って、少し振った程度でちゃんと反応するからかなり細かな動きも記録する。データはUSBを使ってパソコンに入力できるようになっている。

 この加速度の数値と体重が分かれば、消費したカロリーが正確に分かる。万歩計では走っても歩いていても、歩数しか出ないからどれだけの強度の運動をしたのかは分からない。アクティブトレーサーの場合は、加速度として記録しているから、とっても正確に消費カロリーが分かるのだ。

 この先生はスポーツ科学が専門。これを何に使っているかというと、お年寄りがどれだけ強さの運動をどれだけの量したら、健康を維持していられるか、ということを探るためだ。昔成人病と呼んでいた生活習慣病は、多くの場合、運動不足が原因という。だから、例えば高血圧で悩んでいる人が病院に来た場合、薬を渡すのではなく「あなたみたいな人が1カ月これぐらいの運動をしたら、血圧がこれぐらい下がります」と運動を処方するのだ。現在、実際に中高年の人を対象に健康教室を開いて、データを蓄積し始めたところ。

 このデータをグラフにしてのぞいてみると恐ろしいのだ。月単位で見れば、ある人が最初、どれだけ意気込んで運動をやり始め、時がたつにつれてだんだんさぼって運動しなくなり、けれどもデータを回収する直前はやはり運動をしないのも何だからと再び運動を始めた、というような様子が克明に分かる。さらに、もっと恐ろしいのが1日単位の動き。スイッチを切り忘れたらしい主婦の、運動をしていない間の動きも克明に記録されていた。ウオーキングから帰り、しばらく何やら家事ぐらいの強さの運動をやり、夕方になって、どうやら夕食の支度。その後、片付けて寝るに至るまでが、だいたい分かる。

 自分に付けられちゃった時を想像するととっても怖い。仕事していないのが一発でばれる。午後1時から3時までまったく動きがなければ、それは昼飯を喰らった後に、少し長めの昼寝をしたに違いない、ということが分かるのみならず、寝返りが多いから落ち着いて寝られなかったんだな、ということまで、詳しく分析すれば分かってきてしまうのだ。スポーツ選手だと劇的。ゲームの中でどれだけ動いていたか、さぼっていたかが露骨に分かる。これは、怖い。

 何でこんな装置を紹介したかと言えば、先生から話を聞きながら、車に積めば面白そう、と思ったからだ。車重を測っておき、回転数などのデータと合わせて計算すれば、エンジンの馬力が正確に分かる。サーキットに持ち込めば、どこどこのコーナーでアンダーだしちゃったとか、このドライバーとあのドライバーであのコーナーの攻め方がこんなに違う、だとかが分かりそう。あれこれ考えるだけでいろいろな使い方が浮かんでくる。

 ちなみに、加速度を測るセンサーは自動車用ABSのものだという。ロックしたかどうかを検知するセンサーがこんな使われ方をするとは。

 まだまだ試験段階だから、装置は1つ5万円。さらに、わけてほしい、と言って買える物ではないのが残念。

12月23日

impressのPC Watchで今年の10大ニュースアンケートをやっていたので、答えてみた。ここ3年以上はほぼ毎日見てお世話になっているし、たまにはアンケートぐらい答えてやろうと思ったから。ここを見ているとパソコン雑誌を買う必要性がなくなります。買っているけれど。

アンケートはPC Watchが挙げたニュースの一覧の中から、これと思ったニュース5つまでにチェックする、というもの。ところが、これと言ったニュースがない。

苦悩してようやく挙げたのは、(1)「Sircam、Nimda、CodeRedなどウイルス蔓延」(2)「Microsoft、米司法省と和解」(3)「RDRAM普及せず、DDR
SDRAMが次世代の主流に」(4)「HPとCompaq、合併を発表」(5)「Yahoo! BBの登場を機にADSLが低価格化。ブロードバンドの普及進む」の順番。(1)は、ウイルスのまん延が実際に社会にダメージを与えうる、ということを実感させた、という意味で。僕の給料をドブに捨てている会社も致命的な影響を受けかけた。これは、文句なしの1番だと思う。

(2)(3)(4)は「これまでとはちょっと違うぞ」で、まとめてもいいかも知れない。ITバブルがはじけるなど、IT産業の成長が止まったり、力関係が変わったことを受けた動き。(2)の和解も、バブルがはじけ、アメリカの経済成長が止まったことを受けているし、(3)はIntelの主導権が失われ得つつあることを示しているし、(4)はもろに不況のせいの気がする。

(5)はブロードバンドが普及したから、というより、まだITに幻想を持ってえげつなく儲けようとしている人がいるんだなあ、と思ったから。幻想というときつく聞こえるけれど、本質を見分けないまま、成長神話を盲信している人が未だにいる気がする。少なくとも、現段階では、ブロードバンドは本質じゃない気がする。

でも、ニュースを見るとIT不況だということがよく分かる。ここ何年かは「Windows95発売で家庭にパソコンが普及」「携帯電話が普及」「インターネット接続が一般的に」「iモードが普及」とか、物が売れるニュースばかりだったのに。

でもITはまだ物(または情報)を大量に売り出す余地がある雰囲気がある気がする。

その「何か」が分かれば億万長者なのに。

12月19日

 WindowsXPを我が家のデスクトップ機に導入した。ヤマダ電気のパソコン専門館に寄ったら、ちょうど発売日だったらしい。衝動買いをしてしまったのだ。ネットワーク機能は必要ないだろうと、ホームエディションを選んだ。

 ホームページ作成や電子メールはノートパソコンのDynabookでやっている。このパソコンは会社から支給されたものだから、OSをいじるわけにはいかない。だから、デスクトップ機を遊び用に作った。ゲームを入れたり、変な実験をしたりするためのもので、いつ壊れても痛くもかゆくもない。95以来、個人向けのOSが久しぶりに大きく変わったので、ぜひ遊んでみたかった。

 Windows98からCD-ROMを読み込ませてやったら、セットアップ画面が起動し、数十分待ったら、XPへと進化していた。なかなか優秀なセットアッププログラムである。基本的に、98の環境がそのまま移行されている。Windows3.1から95へ乗り換えたころと比べると、かなり進歩したもんだ。95に移行したときは、NECのPC9821Aシリーズに採用されたローカルバス用のCanopus製グラフィックカードの対応ドライバーがなかなか出なくて、3.1用のドライバーを無理矢理95で動くようにあれこれした。今から考えると、すごく暇だったらしい。

 優秀であるが、2000円ぐらいで買ったサウンドカードを認識してくれなかった。バッタもんの無印カード。付属CDを見てもWindows2000用のドライバーが入っていない。メーカも不明。仕方ないので、同じサウンドチップを使っている他社製カードのドライバーを放り込んだら、音は出るようになった。けれども、妙にエコーがっかった変な音。おまけにジョイスティックを認識しない。手動で認識させようとすると、突然リセットが掛かるおかしな状態になった。

 だましだまし使っていたら、オンライン認証の期限が切れかけた。XPは1カ月以内にインターネットを通じて「認証」という手続きをしないと、使い続けられないのだ。某パソコン雑誌関係者の友人に聞くと、認証についてはマイクロソフトが仕組みを明らかにしていないが、どうやら認証した当時のハードウエア構成を記憶しておき、複数の機械に不正インストールをするのを防いでいるらしい。すると、デスクトップ機をいじって再インストールをしたときに認証ができない可能性があるわけだ。

 フライトシミュレーターをやりたいので、ジョイスティックはぜひ動いてほしいし、Windows98の時代から何となく不安定だったので、サウンドカードを新しく買ってきて再インストールをすることにした。クリエイティブのサウンドブラスターのバルク品を6400円ぐらいで。さらに、IBM製の40GBハードディスクを14000円ぐらいで買った。20MBが10万円していた時代と比べると、ただみたいな値段。340MBが100万円というのもあった覚えがあるぞ。

 セットアッププログラムがCD-ROMから起動できるのも、便利すぎるのである。昔は、MS-DOSを起動して、コマンドプロンプトからの操作でフォーマットしてFDISKして、さらにCD-ROMのドライバーをCONFIG.SYSに記述して、と大変だったのに。良い時代だ。

 40GBのハードディスクにセットアップしたら、ドライブレターがFになっていた。失敗。元々付いていたハードディスクの電源を抜き、もう一度セットアップ。楽ちんだから、あまり苦にならない。

 大容量化でディスクが速くなったこともあるけれど、全体的に快適。鬱陶しいビジュアル系なインターフェイスはすべて、OldWindowsスタイルにしてやった。余分な飾りはいらない。

9月20日

 ウイルス蔓延、というニュースを横目で見ながら、いつものようにパソコンを使ってインターネットを利用していた。作業が終わって、ブラウザとメーラーを閉じ、ダイアルアップ接続を切ろうと思ったら、なぜか異常なトラフィックが。何もしていないのに、回線を何らかのデーターが行き来していた。なんだろう、と思ってニュースを思い出し、はっとした。あわてて、一度回線を切断し、再起動。怖かったがまたネットに接続して、ノートンアンチウイルスのライブアップデートでウイルス定義ファイルを更新した。さらにもう一度、再起動してから、ウイルスチェックを実行した。

 「W32.Nimda.A@mm」

 こんな表示がずらりと出てきた。実に35個。ファイルの修復ができないらしく、コンピューターのある領域に閉じこめておく「検疫済み」という状態になった。不審なメールを受け取ったわけでもないし、怪しげなファイルの実行もしていない。普通に使っていただけなのに、ウイルスが侵入してきた。どこから侵入したのかが分からないのは、恐ろしい。

 今のところ実害はない。僕のアドレスでウイルスを誰かに送ってしまった可能性があるけれど、方々に聞いても届いていない、というから、気付くのが早く、まき散らす前に殺したんだろう。僕から届いた人がいたら、ごめんなさい。お詫びにシステムの復旧に伺います。

 とりあえず、セキュリティーホールをつぶすために、InternetExplorerをアップデート。さらに、今までシステムが重くなってしまうので敬遠していた、ノートンアンチウイルスの「リアルタイムスキャン」機能をオン。がちがちにガードを固めた。

 うちの社でも、かなりの被害があったらしい。パソコン雑誌を作っている友人に電話したら、その社でも大混乱だという。「ネットワークケーブルを外してください」というおふれが出ているとか。一番ウイルスに強そうなところなのに、案外、弱いのね。

 かなり悪意のあるウイルス。米中枢同時テロと関係がある、という報道もあるけれど、話ができすぎている。

 ネット社会は便利だけれど、備えも必要。