クルマ

6月2日

 バルブ各部の名称についてとんでもない勘違いをしていた。バルブフェース(Valve Face)と聞いて、てっきり燃焼室側から見た「Face(表面)」だと思っていたら、バルブシートと当たるところが、フェースと呼ぶのだった。皿の形をしているところは「バルブヘッド」または「バルブクラウン」と呼ぶ。恥ずかしい。「バルブ研磨」を訂正しておいた。

 間違ってもバルブフェースをがりがり削ってはいけません。そんなことをしたら、再びシートとの当たりを取るのに、ひどい手間がかかりそう。

 今日は休み。インマニを磨いていたら、「バーベキューやるから来い」との電話があった。アルコール類を異常に摂取して、半ば意識不明状態になりながら、6年以上ぶりのボーリングに行ったら、70台ぐらいしかスコアが取れなかった気がする。正直なところ、あまり覚えていない。

 ボーリングは素面の時にやりましょう。

6月1日

 仕事をさぼって、読者からの情報提供で知った工具屋に行った。読者からメールがもらえるだけでも感動的なのに、さらに情報まで教えてもらえるなんて涙が出そう。

 「メカキチ」という名前の輸入工具屋である。今日の昼に受信した電子メールで名前だけ教えてもらい、タウンページを見て、さっそく夕方、仕事を切り上げて向かったのだ。

 ところが見たタウンページが古かった。松本電鉄新村駅のすぐ南側だと書いてあったので、その通り向かったら、何と閉店していた。「つぶれたのか」と一瞬狼狽したものの、閉じたシャッターに掲げてある看板には新しい場所が地図で示してあった。ちょっと東側の田んぼの中に移転していた。

 期待を胸に中にはいると、予想を裏切る充実度! まず入り口をくぐった正面にWAKOSのケミカル類がずらり。ジャンボブレーキクリーナーも、メタルコンパウンドも、その他、物欲を刺激するさまざまなケミカル類がそろっていた。工具も充実。スナップオンをはじめ、ファコムやスタビレー、ハゼット、日本のものはKTCやKokenなどなど、メガネやコンビネーションレンチ、ドライバー類がずらりとディスプレーされていた。にぎりものも、バーコにKNIPEXと、もれなく並ぶ。工具の製作過程を紹介するオブジェもあった。店内を一巡して思わず、うなり声を上げた。

 他にも、ガレージジャッキやウマ、エアツールなど、車をいじるのに使う工具はだいたいそろっている。変わり種は、KNIPEXの電卓やスナップオンの灰皿など。グッズもちゃんとある。ポート研磨などに使った先端工具類は扱ってなかったけれど。

 今まで工具を買っていたのは、アストロの名古屋店。実家に帰ったついでに寄っていた。基本工具のラインナップは、アストロ名古屋店に勝っているのではないか。この店さえ近場にあれば、わざわざアストロに行かなくても大丈夫そう。ただしアストロは、オリジナルの工具が充実していて、妖しい魅力に満ちているが。800円のピストンリングコンプレッサーとか。

 長野県内で、本格的に輸入工具を変えるのは、長野市のアストロと、ここだけじゃないか、とここの店員。そのおかげで、田んぼの真ん中での営業でも食って行けている、とのこと。

 いい工具屋を教えてもらった。ちなみに耐熱液体ガスケットと、WAKOSのさびおとし(名前を忘れた)を衝動買いした。

5月31日

 事故で愛車のデミオがつぶれてしまった兄貴と同い年の後輩(0.11t)に、どう処理したかを聞いた。

 信号無視の相手の側面にぶつかったしまった事故。過失の割合は100:0なのだそう。相手は完全に悪いと認めている。前部が見事ぐちゃぐちゃになったデミオを修理して、仕事に使うのははっきり言って怖い。高速道路をまともに走るかさえ分からない。完全に向こうが悪いことだし、新車にしてもらったら、とアドバイスしていた。

 しかし、修理代は80数万という見積もりが出たらしい。Aピラーまで変形していれば、修理不可能で見積もりも出せなかっただろうに、微妙な金額が算出されたもんだ。

 80数万と言うと、デミオの新古車あたりを買った場合の車両価格ぐらい。諸経費を入れると、110万円くらいにはなる。何と、27万円ぐらい後輩が自己負担するらしい。何か納得行かないが、後輩曰く「3万キロ近かった車が新車になるし、車検がまた3年後になるし、それくらいいいかなと思った」。いい人だ。

 世の中には、痛くなくても「首が…」などと訴えて、物損ですんだところを人身事故した挙げ句、入院しちゃったり、「衝突の衝撃で10万円のサングラスが壊れた」なんて言っちゃったりして、ごねまくる人だっているのに。赤信号でぶつかってきて、物損事故ですんでいるんだから、相手も27万ぐらい払えばいいのに、とも思うが、これは保険会社が相手のことだから、無理か。

 デミオは後輩が赴任してきたときに、僕がディーラーに行って探してきた車。再びデミオを買うぐらい気に入っているらしいのは、悪い気はしないけれど。

5月30日

 最近、タイヤのグリップ力が下がってきた気がする。ヘアピンカーブでリアが滑りやすくなったし、緩やかなコーナーを速めに走っていたとき、突然「ぐらり」と姿勢が崩れかけて焦ったことがある。もしかすると、ショックが抜けてきたためかもしれない。コーナーで巻き込むようなオーバーステアも以前より出る気がする。

 はいているのは、ブリジストンのRE711。前はいていたのがダンロップのFM901だったので、同じタイヤでもつまらないし、ハイグリップなやつを選んだ。変えたのは昨年の7月末。走行距離は100000キロで、タイミングベルトとともに変えたので、請求金額の高さに泣いた覚えがある。ディーラーで確か工賃含めて6万円ぐらいだったか。

 それが、今ではスリップサインが出始めている。あと1、2ミリといったところ。現在走行距離は113000キロ。冬はスタッドレスタイヤをはいているので、まだ1万キロしか走っていない。

 1万キロちょっと走るたびに6万円の投資はちょっと高い気がする。サーキットに行くわけでもないし、RE711は僕に取ってはオーバークオリティーかも。FM901に比べて路面に食らいつく、というぐらいは分かるけれど、それを生かして何かするわけでもなし、タイムを削っているわけでも、他の人と競走しているわけでもない。タイヤの限界に合わせて走ればよいだけのこと。

 けれども、最近発売されたのがRE711の後継RE01。新しい、というだけで欲しくなってしまうのは車野郎の馬鹿なところ。このタイヤ、サーキットでの走行会ぐらいの走りに対応しているんだろうから、ストリートが前提の僕には必要ないと言えば必要ない。しかし、FM901はまだ新しく、モデルチェンジしていない。一つ前と同じタイヤをはくのも…。でも、RE01は高い上にライフが短い。困ったことだ。こうなったら、ヨコハマあたりを攻めてみるか。悩みはつきない。

 困ったことに車検が6月末に迫っている。もう工場に出してもいい期限だ。最低10万かかる。タイヤは車検に通らないかもしれない。5万くらいは見積もった方がいいか? まだ一度も変えていなくて、最近異音がし出したクラッチもやばい。ディーラーに説得されて交換するとしたら、フライホイールもいっちゃうに決まっている。すでに10万近い。足回りは? KONIが手には入ったら、すぐ変えちゃうかもしれない。バネと合わせて15万弱……。

 不満なところにすべて手を入れたら、いったいいくらかかるんだろう(涙)。

5月28日

 ジムニーの税金とJAFの年会費を払った。ジムニーの税金はなんと4000円。さすが、軽貨物だととっても安い。ロードスターと重量や燃費があまり変わらないのに。排気量だけで決める税金ってちょっとおかしい。ちなみにJAFの年会費も4000円。こちらはいつロードスターで谷に落ちるか分からないので、絶対入ることにしている。

 JAFと言えば、友人が働いている。この友人、めちゃくちゃな野郎で、何と車の免許をJAF就職が内定してから、ぎりぎりで取ったのだ。免許もなく車に興味もないくせに試験を受ける方も変だが、採用する方もおかしい。車好きで入りたくて仕方なかった人が落ちたかもしれないのに。

 現在、会員を増やすため、中古車屋の営業を担当しているが、入ってから1年ちょっと、修行のためロードサービスにも出ていた。事故したり故障したりして、せっぱ詰まって#8139に電話し、さんざん待った挙げ句に、若葉マークが張ってあるJAFの車が来たら、かなりショックだと思うんだけれど。

 去年の更新まで、勧誘成績を上げるため、この友人を通してJAFに入り直していた。毎年2000円の入会金を払っていたのだ。友人のためなら別に痛くもかゆくもないが。さすがに期限切れの近い会員証と、新しい会員証をだぶって持ったときには苦笑した。

 更新の手紙が来たので、今年も成績に貢献してやろうと電話したら「どっちでもいい」と言われた。ロードサービスを担当していた頃のノルマと、営業を担当している現在では、ノルマが桁違い。一人ぐらい増えたって、あまり変わらないのだそう。だから今日、ちょっと寂しさを覚えながら、銀行で振り込んだ。

 友人によると、やはりロードサービスは危険きわまりないらしい。最近も、兵庫支部の隊員が高速で作業中にトレーラーにはねられ、亡くなったそう。こういう話を聞くと、呼ぶ方も心構えをしなくては、と思う。ぶつけたり、故障したりしたら、ちゃんと車を路肩に寄せて、安全確保しなければ。

5月20日

 仕事が激多忙だった上、3日間連続で飲み会だった。昨日も夜の10時から呼び出されて、明け方まで。ひどく酔っぱらって帰宅し、昼過ぎまで睡眠。午後景色がぐるぐる回るまま、修理途中でほったらかしにしてあったロードスターのバンパーを塗装した。

 適当に新聞紙でマスキングし、スプレーを手にする。しゅしゅっと何度か吹き付けると、なんだか様子がおかしい。塗装面がざらざらごわごわなのだ。

 あれれ、と思うも手遅れ。二日酔いで判断能力が著しく低下していたため、「クリアを吹けば少しはきれいになるだろう」なんて考えて、たれるぐらいに重ね塗りをしちゃって、さらに汚くしてしまった。

 どうやら、気温が高すぎたらしい。今日の松本は31度まで上がった。塗装をしたのは午後2時ぐらいだから、30度を超えていたのは間違いない。駐車場での塗装だし、塗装面もかなりの温度だったに違いない。

 頭がボーっとしていたから、気温が高すぎるとも感じなかった。信州って気温が高くてもさわやかだし。炎天下で塗装すれば、失敗するに決まっている。飛んでいった塗装のつぶつぶが、バンパーになじむ前に固まっちゃうのだ。

 一度塗装をはがして、もう一度早朝にでもトライするしかない。そう思って、塗装をはがしにかかった。ここで、再び馬鹿なことをやった。シリンダーヘッドを載せ替えするとき、ガスケットをきれいにはがすため買っておいたWAKOSの剥離剤を塗装で試したくなっちゃったのだ。しゅっと少し掛けると、ぶわっと泡が立って、塗装が浮き上がってきた。強力すぎ。あわててウエスで拭き取ったら、目も当てられない状態になった。

 素人の企んだ板金塗装は失敗に終わったのである(涙)。

5月17日

 ツーリングで同じ趣味の人たちと一緒に走るのは、とても気持ちがよろしい。

 僕の周りには同じ趣味の人がいない。ジムニーと2台持っていることがばれたりして、いつも肩身の狭い思いをしていると同時に、車のことを相談したり、「談義」したりする人がいないので、変なストレスがたまってしまう。

 だって、女の子もいる酒席で、「悩みうち明けタイム」となったときに、

 「僕のロードスター、高回転のパンチ力がもっと欲しいんだよね。カムを変えるほどの回転数まで使うわけじゃないし、いっそのこと、カムスプロケットのキー溝をちょっと削ってオーバーラップを…」

 なんて語り出したら、次から声をかけてもらえなくなっちゃう。いくら、僕が高回転のパンチ力について純粋に真剣に悩んでいても、関係ないのである。やはり「車好き」は、「音楽好き」「映画好き」とは違って、社会的に認知されていない。いや、それどころか「反社会的」な見方さえされることがある。「音楽好き」「映画好き」はマニアックな話をすると周りから尊敬されることが多いから、うらやましい。

 ところが、ツーリングに行って、初めて会った人に、

 「僕、ヘッドを加工しているんだけれど、燃焼室の形状をどうするか悩んでるんだよね」

 とうち明けたら、多くの場合、僕の勝ちである。いくら僕のロードスターが遅かろうが、運転が下手であろうが、「何となく」優位に立ってしまうのである。優位に立つとはいえ「どちらの方がより変態か」という尺度だからあまり自慢にならないんだけれど。所詮、自己満足の世界だから、お互いの自慢をし合って、お互いに「よくぞそこまで堕ちた」と讃え合えばいいのだ。

 このページを作り始めてから、そういう知り合いができはじめたのでうれしい。どんどん仲間を増やさなきゃ。

5月11日

 兄貴と同い年の後輩(0.11t)のデミオがつぶれた。松本市内で青信号を直進したら、信号無視のエスティマが突然右から現れ、回避行動をする余裕もなく衝突したらしい。

 松本は城下町なので、道は狭く見通しが悪い。あまりスピードは出ない場所なので、後輩にけがはなかった。エスティマの横っ腹につっこんで、そのままもつれて止まった、とのことだったので、正面衝突のように突然スピードがゼロになったわけではなかったらしいのが、不幸中の幸いだったか。デジカメで撮影した写真を見たら、ラジエーターがぐちゃぐちゃになるぐらいまでのダメージ。心なしか、タイヤの位置もおかしい。エンジンを掛けようと、キーを回したら、回らなかったということなので、かなりダメージが大きいと思われる。全損扱いかな。

 このデミオ、昨年1月に後輩が赴任したときに、僕がマツダのディーラーを走り回って見つけた新古車だった。ちょうどマイナーチェンジがあったときで、型落ちの在庫が県内で10数台あったときだったので、ほぼ新車の車をお得な値段で買えたのだ。ちなみに、ディーラーからは「紹介」の謝礼として数千円もらった。

 0.11tを乗せて息も絶え絶えがんばっていたのに、1年数カ月2万キロちょっとの命だった。冥福を祈ろう。

 いくら安全運転していても、無法者の相手があれば事故になってしまう。気を付けないと。

5月7日

 11万キロ以上の走行に耐えてきたクラッチが音を上げ始めた。ほんの少し(遊びの部分ぐらい)ペダルを踏むと、「キーッ」という音が出るようになった。ときどき「ピーヨロロロロ」というお洒落な音が出る。

 くせで、走っているときは、クラッチペダルに軽く足を載せているのだが、足を載せたぐらいの位置がもっとも音が出る。始めなんの音かわからず、他の車のベルトが鳴く音かとも思ったが、どうやら自分のロードスターから出ているらしいことが分かった。最近、サイドブレーキが戻りにくくなったことがあり、ブレーキを疑ったのだが、走行中にフルブレーキしても、サイドブレーキだけかけても、音は出っ放し。なんだなんだ、といろいろ試しているうちに、クラッチであることが分かった。

 クラッチレリーズシリンダーあたりだろうか。グリースアップで直ればありがたい。クラッチを変えるのは、組み直した腰下を積むときにしたい。あと1年ぐらいは持ってほしいな。

5月4日

 仕事が長引いて、松本を出発したのが午後11時。途中で買い物をして、午前1時すぎに飲み会会場に到着して、飲む。いつの間にかぶっ倒れて変なところで寝ていた。

 朝。ロードスターを運転して実家へ。駐車場に止めたら変な音が後ろからした。コンクリートブロックにバンパーをこすっちゃった。見ると、バンパーの下側に激しく何本もの筋が(涙)。

 とりあえず寝て、昼過ぎに起床。バンパーの処置を考える。このバンパー、事故車からはぎ取って付けたもの。こちらの方がきれいだったから。色も微妙に違うし、きれいに塗り直してもらおうかな、などと考えるが、下側であまり目立たない場所なので、自分で直すことにする。

 オードバックスで、補修用のパテやらを買う。マツダの緑色のスプレーがなんと200円で特売していた。

 家に帰り、ささくれだった傷をサンドペーパーで削り、パテを盛る。乾いたら再びサンドペーパー。実家に戻っても、やっぱりサンドペーパーが手放せないらしい(涙)。現在、作業途中でほったらかしてある。