クルマ

1月30日

 実家で暇だったので、久しぶりにロードスターを洗うことにした。最近、時間が取れればエンジン関係の作業をしていたから、まともに洗車した覚えがない。平成4年2月登録で、ちょうど10年選手となった。塗装面は、水滴が乾いた後やら、傷やらでひどい状態。とりあえず、カーシャンプーとは別に、水垢クリーナーをかけようと、実家近くのホームセンターで買ってきた。

 まずは、洗車場に行って、ボディーのほこりを吹き飛ばしてくる。家に戻り、ささっとカーシャンプーで洗う。その後、水垢クリーナーを塗った。ワックスみたいなもの。実際にワックス効果もあるらしい。

 塗ったクリーナーをボロボロになったTシャツで拭いてみると、あら不思議! あれほど悩まされた水滴後のまだら模様やら、虫が激突死したとみられるシミ、猫ちゃんが上で寝っ転がって付いたシミやらが、ほとんど目立たないくらいまで落ちた。これはいい。

 水垢クリーナーだけで十分輝いてきれいなのだが、少し目立つ傷をコンパウンドでこすって、ごまかした。その後は、シュアラスターを塗る。このワックスはにおいがいい。

 洗う前は、捨てられる寸前のポンコツ車に見えていたのだが、ワックスを掛けたらなかなかの艶が出た。エンジンのオーバーホールが終わったことだし、後は足回りを交換して、上質な乗り味になれば、まだまだ10年は行けそうである。

 光った愛車に満足して、家の中で晩飯を喰らうなどしていて、帰る時間となった。玄関をがらりと開けて、体中が凍り付いた。雨が降っていたのである。

 みぞれ交じりの中央道を走った我がロードスター。融雪剤によって、再び見るも無惨なポンコツ車に成り下がったのである。

1月29日

 雪国・松本から逃げ出して、名古屋で元ボスと飲む。イタメシをつまみに、ひたすらビール。帰ってきて、おもむろにPS2の電源を入れ、RX7を飲酒運転していたらいつの間にか意識を失っていた。松本でやったら凍死するかもしれない行為である。

 昨日、ロードスターの右後ろのサスペンションから、停止する直前に「ぎし、ぎし」という異音がしていた。耳をすまさなければ、分からないほどのかすかな音。タイヤの回転に合わせて鳴っているので、最初パンクかと思った。駐車して見てみたら、パンクじゃない。

 どこから出ているのかな、とジャッキアップして、タイヤを外そうとしてみて、すぐに分かった。ホイールナットがまんべんなく少しゆるんでいた。

 年末、実家でスタッドレスに換えたとき、エンジンを載せ替えた直後だったので、ちゃちゃっと工具をかき集めてトランクに積んだら、21ミリのソケットを入れ忘れていた。仕方なく、そこら辺に転がっていた車載用のレンチで交換したのだが、締め方が甘かったらしい。トルクレンチで増し締めしておく。他のタイヤはちゃんと締まっていたものの、非常に危ない状態だった。反省。少し走ったら、ちゃんと増し締めしておかないと危ないね。

 雪かきしたダメージがまだ体に残っている。背筋が痛い。

1月24日

 片道400キロをひた走ってたどり着いた大阪では、このページを通じて知り合った人と会った。志を同じくする(または、同じ嗜好を持った変態)が、距離を隔てていても、出会えるネットって素敵。一緒にトンカツを喰らった。

 お店では、店長の言うことを聞いているしかなかったのが少し悲しい。奥の深さではエンジンに引けを取らない足回りは、今後チャレンジする分野である。とにかく、届いた足回りを自分で取り付けることから始めるのだ。実は、エンジンはばらして組み立てて、降ろして載せたけれど、足回りはまだやったことがない。というか、ブレーキ整備さえやったことがなかったりする。このアンバランスさが素人の馬鹿さ加減である。

 店を後にして、大阪の某氏に僕の車を試乗してもらう。吹け上がりの良さに感動している様子だった。「踏め踏め8000まで回せ!」と助手席から怒鳴っていたけれど、遠慮して7000ちょっとしか回さなかった。遠慮なんて無用なのに。

 ファイナル4.3のNA8に試乗させてもらった。回りたがらないエンジンだけれど、やはり排気量が大きいことがあって、下のトルクが厚く、ノーマルB6よりもけっこう速いだろうな、と思った。でも、実用エンジンみたいに、全体的にもっさりしていることは確か。ROMで改善すべし。

 NB乗りの諏訪の某氏にも乗ってもらったら、やはり普段から145馬力に乗っていることもあって、さほど驚いた様子はなかった。速さだけ求めるなら、やはり新しい車を買うべきらしい。NB2に乗っている人が僕の車に乗っても「こんなものか」と思うに違いない。NA6乗りの人が乗ったら、感動するだろうけれど。

 足回りは3週間後ぐらいに届くらしい。早く来ないかな。

1月16日

 松本唯一の自動車専門工具屋さんから、2割引セールのメールが届いたので仕事をさぼって行ってきた。もう車を組み立ててしまったから、当面は追加の工具はいらないのだが、車の下に潜っていて、とっても欲しい物があったのだ。それは、ギアレンチである。

 ラチェットだと分厚すぎて入らないすき間のねじはそれほどあるわけでもないけれど、数カ所あるだけでとっても時間が掛かる。寝っ転がりながらメガネでちまちまやるのは、不器用でもあるし、頭に血が上っているしで、脳みその血管がぶち切れそうになるのだ。

 ギアレンチは、メガネの形で、ラチェット機構が付いているもの。とっても便利なはずだ。これを目当てに工具屋を襲撃する。

 いろいろ探してみるが、SIGNETのGEARWRENCHセットが目に付いた。メガネタイプではなく、コンビネーションレンチなのだが、10、12、13、14、17ミリの5本と小物が付いて、特価で4500円程度。安いけれど、ぴかぴかのメッキ仕上げで、KTCの工具を使っている者としては、まばゆいばかりの輝きである。ギアの動作も軽快な音がして気持ちがいい。買うしかあるまい。

 その他にも衝動買いしようと、店内をうろつく。Kokenのロングソケット1つと、KTCブランドのVISE GRIPが2000円に値引きされていたので、思わず手に取り、さらにギアレンチが増えた分、まとめておくものを一つと思い、USAGのレンチホルダー(650円)を選んだ。

 特価品が2つあって気が引けたものの、ダメで元々、怪しい眼光で「2割引ってメールが来たから、足を運んだんだよ」と言い放ったら、「このSIGNETのレンチセットだけはちょっと…」と最初とまどった店員さんだったが「ま、いいでしょう」と2割引いてくれた。言ってみるものだ。

 ちなみに、2割引セールはメールが届いた人のみ。松本近郊の人は、登録してみると得するかも。

1月15日

実家に戻っていたとき、庭にどこかで見覚えのあるオブジェが転がっていたので目を凝らしてみてみた。

 何と、パワープラントフレームではないか! 梅の木の枝の方向を矯正するためのおもりとして使われていた。ロードスターを1台解体したときに、記念にと車庫の壁に立てかけてはしご代わり(使いづらいけれど)にしていたのが、親父によって利用されていた。見事な廃物利用。あまたあるパーツの中で、この部品だけは再利用されることが少ない気がする。ここがゆがんでしまうような事故だったら、廃車に決まっているもんね。

 庭にただ転がっているのを見ると、肉体が朽ち果ててしまって背骨だけ残った動物の痕跡のようにも見えて、少しもの悲しい。

1月9日

 週末から始まる東京オートサロンで、ロードスターを改造してつくったCosmo21と、RSCoupeが出品される。みなさん知っていると思うけれど、Cosmoはコスモスポーツのボディーをそのままぱくったもの。リアのオーバーハングをわざわざ長くしてまで似せてある。ロータリーエンジン「RENESIS」が載れば、少しは売れそう。RSCoupeはロードスターのクーペバーション。クーペになったらロードスターじゃないんだけれど。NAのときも、発売が噂されたらしい。

 点火プラグとエアフィルタークリーナーを買いに、仕事をさぼってディーラーに行き「なかなか面白いよね」と切り出し、「Cosmoは評判が良ければ売り出すらしいけど」と話したら、「ないんじゃない?」とばっさり。「うちにそんな余裕はないでしょ」だって。全否定されてしまった。他の人は「RX8が発売されるのは来年春だと予想しているけれど、本社から何も言ってきませんね」。

 最近、新車の発売があまりないマツダ。もう少し元気出してほしいぞ。

1月2日

 雪が降る中、朝一番で松本城に行き、なぜか市長が太鼓をたたくところを見た。開門式の後に紅白もちが配られるとあって、なかなかの人混みであった。本丸庭園から天守閣を望むと、うっすら雪化粧した白さと、烏城と呼ばれる黒い外壁の対比が美しかった。松本城もけっこうやるなあ、と訳の分からないことをつぶやいて、後にする。

 慣らし運転として目安にしていた1500キロを乗ったので、仕事をさぼってディーラーへ行った。さまざまなアドバイスをもらってお世話になっている店長に乗ってもらうためである。今日は初売りだけで、サービスはしていないのだけれど、無理を言ったらオイルを交換してくれた。いい人だ。

 乗ってもらった後、デミオに乗った。ファミリアヘッドを載せたDOHCデミオという日本に何台あるのか分からない珍品である。「壊れるから6000回転まで」と言われていたので、大人しく乗ったつもりなのだが、なかなかいい吹け上がりをする。エンジン音もレーシーである。走りはスポーティーな感覚なのに、景色は全くファミリーカーであるギャップが面白い。6000とは言わず、7000以上でも回っていきそうな吹け上がりだったので「カム変えてあるでしょ」と言ったら、どうやら264度が入っているらしかった。今度サーキットで一緒に走るか。

 どうせすることもないし、そのまま山道へ行った。雪道を走るためである。ロードスターだと、ジムニーよりもスライドコントロールは簡単である。かなりアングルが付いても何とか元に戻せるし。

 しかし、最初のきつい上り坂であえなくリタイヤした。狭いヘアピンなので、速度を上げるわけにもいかず、ゆっくりとした速度から後ろを滑らせたら、ずるりと滑っていき、横をむきかけたのでカウンターを目一杯切って何とかこらえた、と思ったら、おつりをもらって反対側にスピンして停止した。道に対して真横に向いてしまい、さらに坂ですべりやすいため、クラッチをつなぐと、そのままリアが坂の下の方に向かって流れてしまう状態。昨日からの雪で圧雪の上に新雪が積もり、特に滑りやすい路面ということを悟り、すごすごと引き返した。

 夜、いまさら年賀状を作成。車関係のお友達に一通り書いたのだけれど、やはり住所が分からない人が多い。

 まだ住所を伝えた覚えのない人、ぜひメールで知らせてください!

12月17日

 友人たちの忘年会に誘われて、穂高町の高台にある貸別荘でしこたま飲んできた。

 薫製作りにチャレンジしたらしく、スモークチーズやらタマゴやら、肉やらがたくさん燻されていた。なかなかいける。ビールにワインにシャンパンに、と飲み、冗談で買っていったアルコール96度のスピリタスをコップにあけて、火を付けたらかなり豪快な炎が。吹いても消えないくらい。

 皿でフタをしてようやく炎を消し少し温かくなったスピリタスを2、3口含んだら、我がシングルタスクの脳みそに不正なエラーが発生し、シャットダウンした。

 朝起きて、2日酔いの頭をシャキッとさせうと、−5度ぐらいと思われる外に出たら、薫製されたまま放置されていた豚肉が、固体になっていた。凶器になりそうなぐらい。高台とはいえ、まだ12月なのに激しく寒い。

 朝、高台から下ると、すっかり雪をいただいた常念岳が真横に。得した気分。そのままジムニーを板金に出した。勉強代払わなきゃ。

12月15日

ジムニーをぶつけちゃった。

雪雲にどんよりと覆われていた安曇野を高瀬川沿いに北上すると、松川村あたりから雪が強く降ってきた。大町市に入る頃には本降りとなり、路面は圧雪状態。4駆に切り替える。普段の遅さのイライラをここで解消するのだ。だてに175-80-R16のタイヤを履いているんじゃない。ロケットスタートだぜ。

街中ではさすがに飛ばせないけれど、山道に入ってしまえば遊び放題。目的地の美麻村に入った頃、再び2駆に戻した。積雪は30センチぐらいか。馬鹿である。コーナーでわざと姿勢を崩してみたり、急ブレーキをしたりと、はたから見たら狂った野郎だ。ジムニーはホイールベースが短いだけに後輪を滑らすと、一気にスピンモードに入ろうとする。なかなか難しい。

訪問先に電話したら、外出中だったので、3、40分待つことになった。滑らして遊ぶしかない。

信州新町の僻地へ通じる狭い道を走る。ところどころガードレールがなく、ふざけていると、2、30メートル落下してしまうので、あまり遊ぶことができない。Uターンして再び美麻村の少し広い道路でストレス発散。スラローム走行である。

アクセルを踏み込んで後輪を滑らせると同時にハンドル操作し、姿勢が傾きかけたところでカウンターとともにアクセルを抜いてやり、くるりと逆に向きが変わったところで再び踏み込む。この動作を連続させようとすると、ハンドル操作とアクセルの調和が難しい。だが、非力な車でも振り回せるのは雪道ならでは。面白い。

スキーのウェーデルンみたいな動きを目指して走っていたら、甘いアクセル操作をしてしまった。踏みすぎ、ぐらりと車体が左側に大きく傾く。とっさにハンドルを右に一杯切ってカウンターを当てたものの、操縦不能になった。直線でスピンモード。やばいと、パニックブレーキを踏んだら、壁に吸い込まれるように突き進み、鈍い音とともに激突。馬鹿。下手でごめんね、マイ・スイート・ジムニー。

バックしたら、ハンドルが切れないことに気が付いた。降りてみると、凹んだバンパーが前輪に食い込んでいた。近くでバールとごついハンマーを借りて、大雪の中、修復を試みるものの、一人では無理。訪問先から電話があったので、車で来てもらう。さすがに「スラロームをしていてぶつけました」とは言えなかった。ロープで引っ張ったり、たたいたりしてみたけれど、バンパーの裏側のフレームが食い込んでいるみたいで、びくともしない。結局、車屋を呼ぶことにして、訪問先で用事を過ごす。この家には、ロードスターの宿敵である猫ちゃんが10匹ぐらい生息している。

車屋が来たので外に出ようとしたら、僕の靴の中に猫ちゃんの嘔吐物がぶちまけられていた。想像するに、家の人と違う人のにおいがするので、クンクン、とかいでみたら、あまりにも異臭がしたので、ゲロしちゃったんじゃないだろうか。ゲロしながら逃げた後があった。泣きっ面に蜂とはこのことである。

長靴を借りて車屋さんとともに雪の中、現地で動けるようにする。修理代3000円。地獄に仏とはこのことである。正しく直すとしたら、バンパー交換、フェンダー板金で5万円ぐらいだろうか。痛い。自分で直すかな。

教訓:下手なくせに雪道で遊ばない

12月12日

 東京出張から帰ってきた仕事場の人が、物欲しそうな顔して立っているのでピンと来た。「いつものショットバー行きたいんでしょ」と言うと、「うん、行こう」。外はとても寒かったので、近くの居酒屋で熱燗を2つ。ぽかぽかしたところで、歩いてショットバーへ。ちなみに今朝の最低気温は−6度である。

 金曜日以来だったが、「久しぶり」とマスター。ビールに半分以上がアルコールのいつものバーボンをストレートで飲みながら、語らう。気がついたら午前2時。

 今日は仕事で麻績村という山あいの村へ行った。長野道のインターもあるのだが、松本から1区間だから馬鹿馬鹿しい。ジムニーをかっ飛ばす。

 ロードスターに乗れなくなって、そろそろ1カ月になってしまう。ちょっとストレスがたまっていたので、ジムニーで発散する。

 松本市の北、四賀村から本城村へ抜ける道は、なかなか面白い道なのである。ここでROMのセッティングをしたこともある。550ccOHC・インタークーラーターボエンジンF5Aがうなりを上げる。

 2速でレブリミッターに当たる7000回転まできっちり回して、猛ダッシュ。かなりの上り坂だが3速に入れても、まだ回転が上がっていく。タコメーターがレッドゾーンに飛び込んだところで、タイトな右コーナーにさしかかった! 車格のわりには良く利くかっくんブレーキを踏み込み、かかとでアクセルをあおるものの、失敗した。だって、アクセルとブレーキの位置がどう考えても、そんな操作を前提としていない。足を90度近く横倒しにしないと、かかとがアクセルに届かないの。体全体が傾きます。とにかく、2速にたたき込んだ。

 少々減速しすぎたものの、タイトコーナーである。車幅より高い全高とオフロードを前提とした柔らかなリーフスプリングに支えられたサスペンションのため、ものすごいロールだ。タイヤが滑る前に横転間違いない。体は水平を保とうとするため、窓ガラスが迫ってくる錯覚を受ける。

 倒れるか倒れないかのスリルを味わいながらクリップに付き、アクセルを踏み込む。2速7000回転で数回レブリミットに当たりながらも、速度を維持。内側の後輪が若干空転する感覚が伝わってくる。こう書くと、ものすごいスピードのコーナーリングで、緊張感にあふれているように思えるが、時速40キロでの攻防である。回転を落としたら加速しないんだもの。

 下りにさしかかり、4速からのフルブレーキング! 3速全開の高速コーナーをクリアする。3速全開でも60キロちょっとです。

 極めて安全にスポーティーな走りができる車なのであった。軽トラなんて目じゃないぜ。