エンジン

11月26日

 昨日と今日は連休であった。昨日の夕方に腰下を降ろして、今日はばらばらにした腰下を家の中にしまい込んで、スロットルとインマニを拡大加工すべく、クロネコに持ち込んだ。また、オルタネーターとセルモーターをオーバーホールしてもらおうとディーラーに依頼し、さらに、コンロッドを削り(重量が10g以上違っていてめちゃくちゃ大変でした)、ピストンにリセス加工をして、バルブを磨き、ヘッドを組み立てちゃった。夜に仕事があって、一度外に出て、午後11時すぎからヘッドを組み立て始め、カムスプロケットまで組んで午前3時に終わった。明日仕事だというのに。HLAを分解したので、現在すべてのバルブが開いている状態。一度始めちゃうと、なかなか終われない性格なんです。

 現在午前4時近く。早く寝なきゃ。 

11月25日

 ロードスターに潜っての作業が終了したので、友人Kに電話した。

 「今日休み?」

 ちょうど休みであった。「今すぐ来てくれない? 軍手は用意するから」

 友人Kは逃れられない、とあきらめている様子。「いま、ちょっと離れたところにいるから、待っていろ」。意外と早くやってきた。

 エンジンを吊るため、4メートルの足場用鉄パイプを立てる。ちょっと1人ではできない作業だ。3メートル以上の高さにチェーンブロックを吊るさなくてはならないのに、持ち合わせの脚立は1メートルほど。届かない。ジムニーのスタッドレスタイヤを4つ重ねて、その上に脚立を置いて、その上に立ってみたら、僕の身長では届かなかった。僕より背の高い友人K、見事にチェーンブロックをフックにかけてくれた。

 ボルトに鎖を通し、エンジンを吊る。ミッションとの連結がなかなか外れなくて、往生した。30分くらいあれこれやっている間、従順にも待つ友人K。何とか外すことができ、腰下を運ぶのも手伝ってもらった。電話1本で来てくれる。やはり、持つべきものは友達である。お礼に夜、ファミレスの「バーミヤン」でごちそうした。12月1日に松本駅隣で開店するホテルに転職した友人K。研修の話で盛り上がる。

 午後9時半に帰り、軒下で腰下の分解。何と、ピストンだけで5gの差があった! しかも、1番と4番。どうりで高回転での振動が多かったわけだ。

11月23日

 10リットル以上のオイルを燃やした燃焼室&排気ポート。洗浄には難儀した。詳しくは本編に書くと思うけれど、サンエスのカーボン落としに漬けた後、使ったのがWAKOSの剥離剤。ガスケットやカーボンを溶かす、強力な薬剤である。

 バルブの洗浄と合わせてこれを半分近く使った。清掃会社でアルバイトしていた友人曰く「剥離剤を使うと、翌日に手の皮が一皮むける」とのこと。怖いな、と思いつつ、大量に吹きまくった。ストーブの隣で。

 残念ながら爆発はしなかった。けれども、吹き付けた直後の硫黄臭が怖々しい。うっすらと湯気のようなものも立ち上る。思わず窓を開けて、部屋から退避しちゃう。もう一つ、家庭用の洗剤も使った。これも酸性。翌日、どうなっていることやらと思いながら、作業を続ける。

 この季節になると気が付くけれど、パーツクリーナを大量に使った後に、石油で暖房した部屋に入ると、変なにおいがする。これって僕だけだろうか。ヘッドを削っていたときにも気になっていたから、再現性がある。最近では慣れてきたけれど、鼻の中で、一体どんな化学反応が起こっているんだろうと想像すると、空恐ろしい。

 今日の朝、手の皮はむけていなかった。やはり、友人が使っていた業務用のものは恐ろしく強力なんだろう。

 連日の揮発性物質の吸飲。異常プリオンが繁殖する前に脳みそすかすかになりそ。

11月22日

 思いっきり変てこな筋肉痛になっちゃった。

 首筋と肩、胸の筋肉が痛い。前側だけジャッキアップしたロードスターの下で、土の上にもかかわらず、ごろごろずりずりと、転げ回ったせいである。しかも、エキマニのボルトがフルパワーでもゆるまずに、30分ぐらいは、全身全霊、のたうち回っていたので、肩が痛い。さらに、土の上に頭を付けるのは抵抗があったので、浮かした状態での作業。首筋が痛いのはそのためである。

 力仕事を飯も食わずにやっていたら、エネルギーが切れかけた。腹が減ってぶっ倒れそうになったのは久しぶり。運転しながら、意識が遠のいた。

 バルブきれいにしなくちゃ。

11月21日

 休みだったので、エンジン製作をがんがん進めようとした。

 昨日の夜。夜10時すぎから、翌3時ぐらいまで、作業をした。ヘッド分解、HLA分解、オイルポンプ洗浄などなど。

 朝早く起きようとしたものの、起きたら昼だった。外で、腰下を外すための作業をする。今日中に腰下を吊ろうと思っていたのに、つまずいた。何と、エキマニと触媒をつなぐナットで。14ミリのナットのくせに、おかしなくらい固い。

 結局、ここでつまずいて、腰下を降ろすことができなかった。この季節、4時をすぎると薄暗くなってくるし、寒い。

 暗くなってからは、買い出しに出掛ける。工具屋に行ったら休みだった。ホームセンターで工具を買い込み、ディーラーへ。WAKOSのオイル2リットルと、店長から電子はかりを借りてきた。0.5g単位のもの。

 夜はヘッドの洗浄、HLA組み立て。さすがに10リットル以上のオイルを燃やしたエンジンだけあって、カーボンの堆積がものすごい。きれいにするのに、しばらくかかりそう。

 時間がないぞ。

11月18日

 燃焼室が大惨事である。

 休みの昨日の朝、ふと「もうそろそろエンジン降ろさないと、間に合わないかも知れないな」と思い立ち、10時半ごろ、おもむろにロードスターを家の庭に移動して、ばらし始めた。冷却水を抜き、アッパーホース、ストラットタワーバー、吸気管をばらしていく。エキマニ、インマニ、ヘッドカバー。配線などなど、ばらしてヘッドとシリンダブロックを切り離したのが1時すぎであった。うち3分の1ぐらいはインマニのボルト外しに苦戦した時間。2回目の車上分解となると、早くなるもんだ。半分ぐらいの時間で終わっている。

 一番の関心は、どこからオイル漏れが発生していたのか。ピストンを見ると、分厚いカーボンがすべての気筒で堆積していた。ヘッドガスケットを見た限りでは、吹き抜けは発生していない。吸気ポートは少し曇っているけれど、鏡面のまま。バルブがなんとなく、オイル色に焼けている。やはり。

 燃焼室側を見て絶句した。排気バルブに1mmぐらいの厚さでつもったカーボン。磨いた燃焼室も厚くカーボンが積もり、無惨な姿である。圧縮比に影響がありそうなくらい、カーボンが付いていた。最近、気温が下がってきたためか、かなりパワーが出ている気がしたのだが、もしかするとカーボンのせいもあったりして。

 とにかく、どこから漏れていたのか、というレベルではなくて、すべての気筒にオイルが侵入していた。シリンダー側は傷があるわけでもないし、クロスハッチもかすかに認められる。こちらが原因とは考えにくい。

 やはり、吸気側のバルブシールの組み方で致命的な欠陥があったと考えるしかない。ちゃんと組んだつもりだったのに。もしかして、部品が違ったのかな? とにかく、原因をもっと詳しく調べなければ。

 ヘッドを降ろした後、暗くなるまでなぜか仕事をして、帰ってきてから再び作業を再開。ハイカムに載せ替えて、バルブとピストンが当たるかを調べるために、組み立て中の腰下と合体して、ウオーターポンプ、オイルポンプを仮組み、タイミングベルトまで張ったから、やはり上達したと考えても良いのかしら。

 でも、誰にも自慢できない上達だったりする(涙)。

11月13日

 廃油をつぎ足したロードスター。さすがに実家に戻った翌朝にオイル交換をした。名古屋のディスカウントストアで買った米国製のもの。何と1リットル弱で298円なのだ。ここには昔、バルボリンという向こうでは有名らしいメーカー(最近は日本でも売っている)のオイル(確か5W-50!)が黄色のプラスチック容器に入って同じ値段で売っていたので、それを目当てに行ったのだが、なかった。買ったのは10W-30の粘度で、鉱物油なのか合成油なのか、半合成なのかはパッケージからは判断できなかった。これを10本買った。オイルフィルターも交換。トヨタの4Aエンジン用のものを使う。

 工具を忘れてきたので、モンキレンチでゆるめようとしたらなかなかゆるまない。実家にもジムニーがあり、車載のタイヤレンチで外れるな、と思い、使ってみたらあっという間にゆるんだ。やはり、道具はきちんとしたものを使いたい。

 廃油が混じったオイルを廃油処理箱めがけて抜き、新しいオイルを入れる。これまで使ってきたちょっと高い化学合成油に比べると、粘度が低い気がする。名古屋弁で言うと「しゃびしゃびだがね」。

 エンジンをかけ、アイドリングさせる。油温を80度にしないと、オイルクーラーの中のオイルが残ったままになる。しばらくアイドリングさせた後に、入れたばかりのオイルを抜き、捨てる。オイルフィルターを新しいものに換え(ちゃんとOリングにオイルを塗る)、再び新しいオイルを注ぎ込む。ここまでやって3本余った。継ぎ足し用の在庫としてトランクに積みこむ。レベルゲージを見ると、ほとんど汚れがなく、ほぼ透明だった。

 松本からの帰り、ずっと高速走行だったが、油圧もWAKOSの4CTとそれほど変わらない。7000回転以上の音はうるさい気がする。いつもの山道を走れば、オイルの違いが分かるかも知れないが、それほど差は感じられない。オイルクーラーがあるからこの季節だとどれだけ回しても油温が100度に達することもないと思われる。だから、油圧を心配しすぎることもない。安いオイルで十分な気がするのだが。

 だって、日本のオイルって高すぎるんだもん。

11月11日

 昨夜、名古屋近郊の実家へ向かう前に、オイルの残量が気になったので調べてみると、オイルレベルゲージの「L」よりも下だった。いつもの山道などでぶっ飛ばしたのが悪かったのか、ちと少ない。実家までの200キロを、標準量より下のレベルで走るのは嫌だ。オイルを継ぎ足さねばならぬ。

 助手席の後ろに置いてある2缶のオイル缶は、前回の補給で空っぽであった。足すオイルがどこにもない。時はすでに午後11時。ディーラーやカーショップも完全に寝静まった時間である。

 手持ちのオイルはなにがあるのか、と考えを巡らせる。エンジンの腰下を組むときに使っているトヨタの純正オイルは、鉱物油なので、化学合成のWAKOS4CTと混ぜる気にはならない。他に何があるか、と考えても思い浮かばない。やばい。このまま名古屋まで走ると、オイルが切れてエンジンが焼き付く恐れがある。

 何かオイルを足さねばならぬ。考えていたら、2年前に抜いたカストロールシントロンの廃油が確かオイルえ缶に保存してあることを思い出した。シントロンは化学合成油である。いくら再利用であろうと、鉱物油を混ぜるよりは、よいだろうと、物置を物色した。

 オイル缶はやっぱりあった。フタを開けて、中のオイルを手に付けてみると、ちゃんと粘度もあるし、色もまだ大丈夫そう。ああよかった、とこの再利用油をエンジンに注ぎ込んだ。

 アイドリングでの油圧が高いのは、たくさん継ぎ足したからだろう。気にすることはない。どうせ、名古屋まではリッター12キロの走り。大人しく、回すだけである。

 油圧に注目しながら走る。無事、実家にたどり着きました。

11月5日

松本も最低気温が0度台となってしまった。たまたま寒気が入り込んだだけでまだまだ暖かいと感じる日もあるだろうけれど、外で作業するにはつらい気温に間もなく突入しそう。

はかりを貸してもらった富山の車屋さん(いつもお世話になってます)で、余ったハイカムをもらってきた。このハイカム、出所が不明で、なかなか怪しくて素晴らしい品物であった。吸排気側とも、264度の作用角を持つ。リフト量は、車屋さん曰く「不明」ということだった。264度くらいのストリートカムに毛が生えたくらいのものだと、B6エンジンの場合、リフト量はだいたい8.7mm前後というものが多い。まあ、それくらいのリフト量だろうと思って今日、確かめてみたら、「264」という数字の横に、「9.0」と書いてあった。しかも、手書きで引っ掻いたような刻印なのが、怪しくて素敵。

何と、9mmのリフトなのであった。ノギスで測ったから間違いない。戸田レーシングでHLAを使うカムで264度の9.0mmがあるけれど、やはり8mm台のリフトが多い。戸田にはもう一つ、同じ作用角で8.5mmリフトのものもあるから、やはりリフトの違いで低速のトルクの出方が変わってくるのかも知れない。でも、せっかく棚ぼたで手に入ったカム。激しい方がうれしい。

さて、これを組んで、カムとバルブががっちんこしないかな。確かめなくては。9mmリフトであることの興奮から、今日は一気にコンロッド、ピストン回りを組んだ。

そろそろ、ヘッドを下ろすことも考え始めなければ。