12月18日

 早朝5時半の市場はまだ真っ暗だ。だが、熱気は変わらず、相変わらず暴走軽トラやフォークリフト、暴走台車が騒音をたてながら神業のような身のこなしであちこち動きまくる。ぶつからないことが不思議なくらいだ。

 この時期によく並んでいるものと言えば、アンコウ。肝がもっとも重要なので、すべてがお腹を上にしてひっくり返され、腹が割かれて肝をでろりと表に出している。大量に並んでいる姿は気持ちの良いものではない。

 目立つのは、なんと行っても富山湾で上がった寒ブリだ。ほとんどの魚は白い発泡スチロールの箱に収められているのだが、氷見のブリだけは青い箱なのである。だから、どこに置いてあっても目立つ。10キロを超えるものなので、ひときわでかいのもポイントだ。昔よりは安くなったとは言え、キロ2000円台というから、1本2、3万円はするんだろう。

 やっぱり富山のスーパーに行ったら、こんなブリがごろごろしているんだろうか。

12月17日

 昼過ぎに、仕事場の人たちとJRセントラルタワーズにメシを喰らいに行く。午後1時すぎだというのに、まだ行列ができているほどの盛況ぶり。エスニックレストランに入る。明太子石焼きビビンバを注文。シンガポール風焼きそばを注文した上司曰く「ただのソース焼きそばだぞ」。あくまでアジア「風」であって、お手軽なお店であった。

 その後、上司と2人で東急ハンズ内を徘徊する。暴燃会での余興に使う景品を集めるためだ。ツボマッサージ用の「ツボ押しアニマル」や音に反応して踊る「プチミュージック缶(ダイエットペプシ柄)」、猫週めくりなどなど他愛のないものばかりを買いそろえたのだが、15人分もあれこれ思案しながら集めると、かなりの手間。結局、3時間ぐらいかかってしまったので、午後は宴会準備で終わってしまったことになる。

 夜は岩倉に行って講習を受けてきた。

12月16日

 妙蓮寺駅近くの友人宅で目を覚まし、シャワーを借りて7時半には出発する。仕事は午後1時半から東京・御成門だったから、ずっと寝ていたい気分だったのだが、さすがに気が引けたので、友人とともに出かけて電車に乗り込む。菊名始発の電車に乗り換えて座ることができた。

 神谷町まで直通。御成門まで歩いていける距離だ。8時半に到着してしまったのだが、仕事までにはまだ5時間もある。途方に暮れているわけにもいけないので、スターバックスに入ってコーヒーとフレンチドッグを注文。まだビールが残っていて気分がすぐれなかったが、本を読んですごす。

 座った席が店員の真正面の場所だったので、長居するにも居心地が悪かったので、10時に店を後に。御成門の交差点にあるカフェに入り、今度は2階に陣取って本を読む。わずか280円のカフェオレで、3時間ちょっと粘った。

 愛宕署裏での仕事自体は数十分で終了し、浜松町まで歩いて、東京駅。のぞみで名古屋に戻る。ちょっと疲れがたまっていたので、パソコン広げて作業していたら気分が悪くなった。いや、二日酔いではないと思うのだが…。

 5時には名古屋の仕事場に戻った。ふらふらだったけれど、7時すぎに抜け出して、ビールやワインをがぶ飲みする食事に突入。

12月15日

 東京・町田で仕事があったので午後から新幹線。新横浜で降りて横浜線で成瀬駅。1年ちょっと前、同業他社の実家に泊めてもらったとき、この駅に来たことを思い出す。ファミレスで2時間ばかり仕事をして、目指すは妙蓮寺。友人の家に泊めてもらうのだ。菊名で下車し、約束の時間までしばらくあったので、1駅分ぐらいなら歩けるだろうと、街歩きをする。

 横浜とはいえ、東京の延長みたいなものでやっぱり過密な街。東急東横線を横目に見ながら幹線道路沿いを歩き、商店街が見えたので再び線路方面へ向かう。商店街を抜けたら、大倉山駅。方角を勘違いして反対方向に歩いてしまった。仕方がないから110円払って電車に乗り、2駅戻って妙蓮寺。友人に電話すると「まだ片づけが終わらない」とのことだったので、ドトールコーヒーで時間をつぶす。

 駅近くの鉄板焼き屋さんで、ビールを大量摂取。牛タン、とんトロ、砂肝に広島焼き。おつまみなどなど。酔っぱらって友人の家になだれ込み、冷蔵庫のビールを飲み尽くして意識を失った。

12月14日

 久しぶりに洗車してやることにした。最近は、鳥のウンコやら猫の足跡やらがたくさんついて、なんだかケモノチックな車になってしまっていた。水垢もこびりついて、光沢も消えた。これは、いかんと一念発起、作業用のつなぎに着替えて、ホース片手に、カーシャンプーをたっぷり付けたスポンジで軽くボディーをなでて汚れを落とす。

 これだけでは綺麗にならない。水滴が付いた後、直射日光で急激に乾いたような跡がまだらについているので、専用の水垢クリーナーを使う。昔は、高級ワックスのシエラスターを使っていたのだが、こびりついた水滴跡はなかなか取れない。水垢クリーナーならワックス効果もあるので、1度だけ磨けば済む。リンレイのものを使っているけれど、非常に優秀でごしごしボディーをこすらなくても塗ってふき取れば大体の汚れは落ちてくれる。

 幌もメンテナンスすることにした。この冬にでも張り替えてしまおう(もちろん、味のあるNAビニールスクリーン幌を使う)と思っていたのだが、もう2年ぐらい使いたい気分になったのだ。表面がひび割れしそうなぐらいかさかさだったので、アーマオールを塗ってやることにする。

 乾いた表面が光沢を放つまでに塗り込むと、かなりの量が必要だ。これでもか、というぐらいにアーマオールを吹いて、布でゴシゴシとすり込む。全体が終わると、ギラギラとオイリーに黒光りする幌となった。悪趣味でよろしい。ついでに、フロントガラス回りや、ウインドー回りのゴムにもアーマオールを塗り込む。ギラギラと怪しく輝いて素敵。

 最近、表面のプロテイン塗装がはがれてきたダッシュボードにもアーマオール攻撃。メーターフードも塗り塗り。いずれも黒光りして悪趣味でよろしい。文字通りぴっかぴかである。

 オイリーなてかりが怪しい車でツーリング。知多半島を一周してきた。

12月13日

 夕方、仕事があったので栄の某ホテルに出かける。フロントで待ち合わせをしていて、おや、と思った。以下の写真を見てほしい。

 

 テレホンカードの販売機に、今はもう懐かしい感じがするグレーの公衆電話。今はFreedom制御用にしか使っていないThinkpad535が現役ばりばりだったころ、Niftyserveの電子メールをチェックしたり、フォーラムを巡回したりしたいときに良く探した。モジュラージャックが付いているので、パソコンを接続できたのだ。カードさえあれば、ISDN接続もできる。

 右のテレホンカードの販売機の表示を注意深く見ると変なことに気が付く。テレホンカードでも「ICテレホンカード」の販売機なのだ。ICテレホンカードって、旧テレホンカードより分厚く、ICテレホンカード専用の電話機がないと使えない。もちろん、左にあるグレ電では使えない。

 辺りを見回したがICテレホンカードの電話機は見あたらない。普通なら、問題が起こってすぐ電話機が変更になると思うのだが、こんなちぐはぐな組み合わせが普通に成立している、ということ自体が、公衆電話がほとんど使われていないことの裏返しなのかも知れない。サービスを売るホテルなんだから、これぐらい気付けよ、と思うのだが。

12月12日

 いつものように市場へ。市場のおっちゃんとマニアックな車談義を軽く交わした後、恵んでもらえる食券で9階の市場食堂でメシを喰らう。毎週食べさせてもらっているから、これこそ食券乱用だろう。

 さすがに市場。社員食堂に相当する場所なのだが、ほかの社員食堂よりは良いものが食べられる。それでも市場の人々は「こんなものしか出ないのか!」といつも怒っている。が、150円のラーメンや得体の知れない野菜いためなどを仕事場で食べている僕にとっては、感動の連続だ。何てったって、刺し身やいくら丼が食べられる。

 期待で胸を躍らせつつ、今日は何があるのくぁ! と9階にたどり着くと、おお、この季節らしく牡蠣フライがあるではないですか。フライに決定。

 タルタルソース付きの牡蠣フライ。普通社員食堂のようなところで揚げ物を食べても、数時間前に揚げてそのまま置いてあったりするので、衣はぐちゃぐちゃ、冷たく、風味もへったくれもない代物で、仕方がないからソースをぐちゃぐちゃにかけて飲み込む、ということになりがちだが、ここのフライは揚げてから20分ぐらいの感じ。衣はまだパリパリで、温かくてうまかった。

 で、何を食べてきたのか、市場のおっちゃんに報告するわけだが、僕がうれしそうに「今日は牡蠣フライでしたヨ!」と言うと、おっちゃん曰く「食堂にあるようなものは、春あたりに冷凍した奴だわさ!」と冷たくあしらわれた。「パン粉付けて、揚げるだけの状態でカッチンカッチン」。がーん。市場特選の牡蠣を使っていると思いきや、やっぱり加工品だったのね。このおっちゃんが市場に入ってくる牡蠣を扱っているのだから、間違いない。

 「今はそんなもんばっかだわ」とおっちゃんは嘆く。「10人いて、そのうち何人が卵付けてパン粉付けて揚げられる? できせんって」

 何が言いたいか、と言えば、ここ数年は魚介類はだんだんと売り上げが減っている、ということだ。加工品などで便利にはなったけれど、自分で手間を掛けて料理する、ということをしなくなった。食はすなわち文化だから、その衰退を憂いているわけだ。おっちゃんの場合は、昔から食材を扱ってきたから、肌で感じるんだろう。

 牡蠣フライからとんでもない方向に話が飛んでしまった。

12月11日

 スピードパス、というものを薦められたので、無料だし、しばらくは値引きがあるので作ってみた。こんなやつ。

 エッソ、モービル、ゼネラルのセルフ給油のガソリンスタンドで使える。セルフ給油は支払いがけっこう手間だ。これまで、給油してからお店の中のレジで精算するタイプと、事前に給油機にお金を入れておいて、給油後おつりを受け取るという2つの方式があった。いつも入れていた家の近くのエッソでは、給油後にお店で精算する方式。これだと、入れてそのままお金を払わず逃げてしまえるな、と思っていた。実際、逃げてしまう人もいるらしい。ガソリン泥棒が多発したからどうかは分からないが、最近、給油機ごと事前にお金を入れるタイプに切り替わっていた。そこで、薦められたのが、スピードパス。

 クレジットカードの番号を登録しておいて、給油前に機械の所定の位置にスピードパスをタッチするだけで給油ができる。支払いは、クレジット会社を通じて。

 クレジットカードの番号が漏れるのでは? と思ったのだが、それはできない仕組みになっているという。たぶん、センターで番号を管理していて、スピードパス自体にはカード情報が入っていないんだろう。落として悪い人が拾ったら、これで入れ放題になってしまうが、そのケースだと保険が下りるのだそうだ。悪用防止のためかしらないが、1回1万以下、1日2回まで使える。

 初めて使ってみた。ガソリンスタンドに入り、給油機に横付け。車を降りて、タイガーのマーク(エッソなので)の位置にこいつをタッチする。ぴかっと光って、しばらく通信してから給油が可能に。油種を選んで、給油し、あとは立ち去るだけ。楽だけれど、何となく後ろめたいのは万引きしているみたいだからか。

 向こう何ヶ月かは、こいつを使って給油するとリッター当たり2円安くなる。すると、ハイオク1リットル103円、ということか。松本で120円で入れていたころが懐かしい。

 日本列島横断が日常の僕にとっては持ち歩く現金を少なくできるのがメリット。が、もっとも使いたいと思われる富山県にはまだ取り扱うスタンドがない…。岐阜県や三重県もまだ少ない。使えるスタンドが増えずに消えたりして。

12月10日

 全容が明らかになるにつれ、ホッとした部分とどきどきする部分とが入り交じって、反省することしきりだ。今日もメールが来て、失われた過去を改めて知るという何とも奇妙な経験をした。これも、周りが阿鼻叫喚の飲み会の中、一人、ウーロン茶を飲んで冷静に居てくれたベーシストのおかげである。

 「○○ちゃんは服を汚されたって怒ってたよ。今度見かけたらぶっとばしてやる!ってさ。ははは(^^)」

……。吐いて服を汚したのではないことは確かなのだが、気になる。

 「○△氏のセクハラみたいに、人に迷惑を掛ける類の酔っ払い方じゃないから。愉快!愉快!の楽しい酔っ払いであったぞよ。 人に害を与えない陽気な酔っ払い君でありました」

 良かったのか、悪かったのか判然としない。

 「帰る寸前に□○ちゃん(雅の注:人妻である)が来たのを覚えてるかな?君は□○ちゃんの足を持って放さなかったんだよ。愉快!愉快!わははははは〜(^▽^)」

 笑ってすむんだろうか。さらに引用。

 「あの焼酎はデンジャラスなのさ。 来日公演の際、ジョンがあの焼酎を飲み過ぎて翌日二日酔いで苦しんだそうだ。その体験からジョンが作ったのがDOCTOR
ROBERTらしい。

 ちなみに、その時ベッドで苦しんでるジョンを横目に、ポールが作った歌がGOOD DAY SUNSHINEらしい。そんな名曲を生み出した伝説の焼酎で二日酔いできるなんてCOOLじゃん!」

 おお、なんだかカッコイイじゃないですか(勘違い)。

12月9日

 ひどく気分が悪く、午前中ベッドから起きあがることができなかった。どんなひどい状態だったのか、思いだそうにも思い出せない。途中までは覚えているが、その後は断片しか残っていない。なぜかパジャマを重ね着して、しかも前後が逆だ。

 うう、とのろのろ起き出して、考える。どうやって帰ってきたのか。タクシーを降りた記憶はあるが、乗った記憶はない。久々にひどい酔い方をしてしまった。

 こんなとき心配になるのが、乱暴狼藉を犯していないかである。女の人とかに抱きついちゃったりしてたら大変じゃないですか。どうも、過去の経験からは、記憶がなくなるほど酔っぱらってもけっこう普通らしい。でも、心配だ。

 こんなときは、自分の失った記憶(いや、記録されなかったのか)を取り戻すため、おそるおそる情報を集める。パソコンを開いてみると、「大丈夫でしたか、無事帰りましたか。心配になって携帯に電話したけれど繋がらなくて」とメールが入っていた。心配してもらっている、ということはたぶん、乱暴狼藉はしていないだろう。一安心か。が、最後の一文。「カメラ大丈夫ですか?」。へ?

 のろのろと玄関にたどり着くと、ブラケットから脱落し、中身の電池をぶちまけたフラッシュを発見した。根本が折れている。直さなければ。

 もう一通メールが届いていた。「やっぱりあの焼酎はヤバいんだよ。たぶん君は2本分ぐらい飲んでるはずだよ」。そんなに飲んだんですか。2時間ぐらいの時間に焼酎1リットル以上飲めば、ちょっと中毒気味でやばいよなあ。文字で書いていると人ごとみたいだけれど、今にも出そうな吐き気を感じながら読んでいるのである。最後の一文。

 「ふふふ…楽しませてもらったよ( ̄ー ̄)」

 そうか、面白かっただけか。たぶん、乱暴狼藉はしていなさそうだ。返信メールを打つとしばらくして返信があった。

 「○○ちゃんの巧妙な『調子こいて飲んでんじゃね〜よ!二日酔いにしたろか大作戦』の罠にはまったね。△△ちゃんも手強いな。彼女にトドメを刺されたって感じだな」

 どうやら、おねえさま方のおもちゃになっていたらしい。がーん。