12月20日

 金曜日にも仕事を激しくさぼり、今日も仕事をさぼって工場へ。不動になっている我が愛車を早く動くようにしなければ迷惑だ。

 バルタイを測るのが面倒で、「このまま組んじゃっても大丈夫だよね」とお伺いを立てるも「ヘッド面研してない?」の一言で企みが瓦解した。確かに、ぽん付けすればメーカー推奨値のバルブタイミングになると思うのだが、面研してあればそれがずれてしまう。やっぱり現状値がどれくらいかを知っておかないと、今後セッティングをするときにも基本が分からないからやっぱり計測した方がベターかなと思ってがちゃがちゃっと測定器具をセットした。意外に難しい。

 排気側はぽん付けで112度あたり。これは最初から狙っていたぐらいのバルタイだったので、調整せず。吸気側の計測に移って困った。最大リフトの時期がクランク角で20度余りある感じ。やっぱりメーカーも、バルブをいかに開いていようかと知恵を絞ってそういうカム山の形に設計しているんだろうと思った。

 で、困った。なぜかと言えば、プーリーに分度器を張って計測する正統な方式ではなく、プーリーの外周を計測して100度の位置、110度の位置といった感じでヤスリで印を付ける方式で、バルタイ調整をしているから。吸気側は100度から5度刻みで115度まで印を付けてあったのだが、20度ちょっと最大リフトとなれば、狙った中心角118度ぐらいのバルタイだと、最大リフトから再び閉じ始めるときはまったく印がないところになってしまう。ま、そんなに数値にこだわっているわけじゃないから、目分量で大体110度後半のところに中心角が来ていると思われる感じのところに調整しておいた。

 本当は、カム山が左右対称じゃない可能性も考えて、1mmリフトのところのクランク角を読んでその真ん中を中心角とするんだろうけれど、分度器付けるのも面倒だし、数値マニアでもないから、大体合っていればOK。生ガスが出ていそうだとか、アイドリングがか弱いだとか、そういう現象から判断してバルタイをずらせば良いと思うのだけれど。

 ヘッドカバーを取り付けて、点火コイルを付けて、クラセン、ウオーターポンププーリー、ベルト2本などなど順番を追って組み上げていく。配線、配管も大体、組み終えて後はスロットルポジションセンサーとISCVの配線のみ。

 とりあえず、Dジェトロで回すのだから、スロポジもISCVも動いていなかろうがエンジンはかかるはずだと、ラジエーターに水を入れてクランキング。案の定、きゅきゅきゅきゅん、ぼぼぼ、ぼうん、ぼぼぼ、ぷすん、とちゃんと回っている感じの挙動を示した。バルタイがずれていたり、配線がおかしかったりすると初爆がない。たぶん大丈夫そう。

 AE101のスロポジとISCVは、NB6と比べて1本ずつ配線が多い。それぞれ、不要な配線が1本あり、正しく配線する必要があったのだが、文献調べて正しい配線を確信してから組むのは面倒だったので、フィーリングで配線する。

 NB6のカプラーはあったので、調べてもらって線の色でアースとか電源とか信号とかを把握し、とりあえず、もともとAE101のセンサーに付いていたカプラーに差し込んでみる。とりあえずスロポジを配線してエンジンをかけると、アクセル開度で数字が変わるので、どうも合っているっぽい。っぽいというのは、全閉レベルとか全開レベルとかをきちんと合わさないとまともな数字が出てくれないから。でも、DジェだからアイドルONさえ検出してくれればあとはあまり必要ない。

 次はISCV。アースはたぶんここって感じで信号線を差し込もうとしたら火花が出た…。あわててキーをOFFに。適当に差してエンジンを回してみると、やっぱり動いているっぽい。

 はたから見ていたO氏曰く「そんないい加減なのかい!」。プライベーターは勢いと勘と失敗で成長していくのだ。

 とりあえず、回るようになったエンジン。ノーマルチックに回るかと思ったら、やっぱりハイカムなので、少しでろでろする。でろでろはいいにしても、ミッションの歯打ち音ががらがらと消えないのが気に入らない。ノーマルフライホイールでも入れるか。たまたまオークションで見つけたのが9mmリフトのカムだから、8.5mmよりはでろでろするかも。

 とりあえず、不動車ではなくなり、敷地内を動かせるようになったのでよしとする。

12月16日

 午後から激しく仕事をさぼって、工場に出掛けてスーツ姿でシム調整。WAKOSの組み付けペーストがいつの間にかワイシャツに付いてしまった。シミが取れるかしら。

 元祖雅号のエンジンを「大人の理由」で普通のエンジンにすることになり、日曜日から作業を始めた。サーキット走行は雅久号があるので、元祖雅号は完全なるツーリング用に。吸気272度、排気288度のカムを、256度のカムに交換する。ほぼノーマルカムになって4連スロットルもいらないので、転がっていたNB6のインマニに交換。アクセルワイヤーが合わなかったので、転がっていたNB8からワイヤーを取りはずし(てもらって)取り替える。

 圧縮比が若干高いかな、と思うがくたびれたエンジンで圧縮も抜けているし、Freedomで点火時期をどうとでも調整できるので大丈夫だろうと判断。ハイオクも安くなったし。

 同じTODA製のカムで、ベースサークルは同じはずだからぽん付けできるだろうと、シム調整もしないで、バルブタイミング調整もしないで組み込もうと思ったのだが、「それはないだろう」という突っ込みを受けて仕方なく、シックネスゲージを買ってきてスキマを測る。排気側はすべて許容範囲のスキマでびっくり。吸気側は6カ所のスキマが狭くてこれじゃちょっとやばいということになって、マイクロメーターでインナーシムの厚さ測定。測定値を紙に書き出し、入れ替えたりして4つが要調整となった。

 ある自動車メーカーのインナーシムがそのまま使えるという情報を持っていたので、品番を伝えて発注してもらったら、「納期は来年2月以降」との回答。仕方がないので、転がっていたインナーシムヘッドのカムを外してシムをもらい、厚さを測って使えそうなものをオイルストーンで削る。

 かしかしかしっとオイルストーンで削ってもいっこうに厚みが変わらない。面倒くさい、と5年前はグラインダーで「どぅりゃぁ」と削ったのだが、かなり斜めに削れてしまったのをそのまま組んだ反省があったので、どうしようかとも思ったが、やっぱりオイルストーンは時間がかかりすぎるので、600番のペーパーでがしがし削る。

 マイクロメーターで中心のほか、周りの厚さも測って斜めに削れていないかを調べながら慎重に削る。ちょこっと斜めな感じのシムも、削り方で真っ直ぐな感じになる。

 がしがしっと削ってこれでよし、とカムをセットしてスキマを測ると、てんでばらばらのスキマになっていた。メーカー在庫が品切れで良かった。測定値を書き写したり、シムをセットしたりするときに間違えたらしい。10本のボルトを外したり付けたりしなくちゃならないから面倒くさい。

 再び2つのシムをヤスリで削る。ちゃんと1500番でなめらかにしてからセット。ほんの少しまだ狭い感じのところもあったが、大丈夫でしょうとシム調整終了。

 すでに夕方になっていたのであわてて県庁に戻る。何事もなかったかのように仕事を提出して、パソコンに向かってまじめに仕事をしている雰囲気で、こんなくだらない文章を書いていたりして。

 オイル食いもあるエンジンなので、どうせならレギュラーでも回るのを1基つくろうかとも考えたが、そこまで無理することもないかと、カムとスロットル交換だけにとどめた。その時間を足回りリフレッシュに回そうかと。あちこち痛んで、今富山にいる間にきちんとしておかないと、捨てるだけになってしまう気がする。次、どこかに飛ばされたら、もしかしたら車遊びができないかもしれないから、今のうちに思いっきりやり尽くしておくのだ。

12月12日

 下位に沈んで良いところがなかった金魚決戦。だけど、僕はこれで良いと思っている。悔いが残ると言えば、車の状態からは目標の30秒台に入りそうだったのに、限られた走行時間の中でそれが達成できなかったことか。

 それが今の僕の走りに対するスタンス。

 さかのぼること5年前の筑波決戦。初参加だった前年はぱっとしないタイムだったので、せっかく走るのだからと気合いを入れていった。ノーマルエンジンからボアアップ、4連、ハイカムエンジンに(壊れたこともあるけれど)。タイヤは15インチ旧ネオバから15インチ048に。足回りはちょこっとレートアップして12K10Kにしたけれど、それほど変化はない。

筑波決戦

 で、突然6秒以上のタイムアップで上位に。コースから出て車から降りたとき、足ががくがくと震えるぐらいだったから今から思えばけっこうがんばって走っていたんだとは思う。が、最初に思ったのが「つまんないな」ってことだった。

 車が速いだけでドライバーが速いんじゃない、と。大好きな車でぶんぶん走るんなら、やはり腕で速くなりたいと思った。

 そこから急転直下、鈴鹿FJ1600参戦ということになって、再び急転直下、家庭の事情でやめる状況になり、逆ギレ状態で走りから遠ざかっていて、昨年8月に富山に異動になって再び走り始めた。そして選んだのが間瀬耐久参戦。枠内の中で車を作って同じ条件で勝負できることもあったし、ノーマルNA6CEでどこまでできるのかも興味があった。そしてつくったのが雅久号。エアコン、パワステ、幌、内装を撤去して足回りとマフラーを交換しただけ。付けたのはロールバーと4点式ベルトと水温計とLAPSHOT。

 昨シーズン最終戦から4戦出場して、間違いなく走りが速くなった。路面にタイヤがどうグリップして、それを伝えるバネとショックがどうなってと前よりも走りが分かるようになった。今の僕には絶対的なタイムはあまり重要じゃなくて、手持ちの道具からどう引き出すか。タイムは結果、出たという感じ。

 チューニングを否定しているんじゃなくて、どこに喜びを覚えるかということだと思う。雅久号だってけっこうお金遣っているし。結局は自己満足の世界で、どこにお金を掛けるかだと思う。

 枠の中でどうがんばるかを追求したい。で、来年の枠を何にしようか、今シーズンを終えて考え中。

12月10日

 金魚決戦の余韻に浸るまもなく、翌日は鈴鹿サーキットへ。伊勢湾岸道ができたのでけっこう近い。

 FJ1600に出場しているDさんの今シーズンラストランを応援に。シーズン序盤は調子が上がらなかったのだが、何かが吹っ切れたらしく、第4戦から3連続で表彰台に上っていたのだ。あとは頂点に立つのみ!ということで、期待を胸に鈴鹿西コースへ。

 そういえば、西コースのパドックに入ったのって久しぶり。東コースかフルコースのときばかりに応援していたんだな、と改めて思う。

 クラブマンレースのパンフレットを見て、Dさんが年間ポイントランキング3位に付けていることを知る。年間チャンプは「FJの猛者」な方がすでに決めていて、2位とは1ポイント差、3位に3人が付けて4人が競るというものすごい熾烈な2位争いが繰り広げられていた。

 予選では4位。朝はパドックが凍っているほど路面温度が低く、タイヤが暖まらなくて苦労したそう。イエローフラッグが振られていたり、1台抜いたりして、いまいちな周回がベストタイムだったので「だめだぁ」というのが感想だったらしいのだが、結果が出てみれば4位だったという。ウエットはもとより、グリップが低い状態だと抜群に速い。

 いつものように、グリッド上で握手して気合いを入れて、コースの外から見守る。11周で争われるレース。スタートでちょっと遅れて5番手になったDさん、だが前の車のミスがあって4位を奪取。昨年はこういう展開になると、トップ集団からじりじりと離されていく展開が多かったのだが、今年は違う。ぴったりと前の車に付いていき、トップが2番手を引き離しにかかったところで、130Rで見事に刺した。今しかない、というタイミングで。

 3番手となって前にはFJ猛者の年間チャンプ。前回のレースでは一時トップを走っていたものの、舌を巻くようなレース展開のうまさで猛者に抜かれ、2位になっている。この展開なら、猛者にトップを料理してもらい、その後で前回レースの決着を付けることができそうだ。

 レース後半、単独で走っていたトップが見せた隙を突いて2位集団が追いつく。当然のように猛者が料理にかかり、130Rで並んだと思ったら接触! 猛者、スピン。

 Dさんは冷静にアウト側のランオフエリアに逃れて2番手を確保。しかし、タイヤが汚れてしまうと西コースショートカット加速でスピードが乗らないらしく、トップとはわずかな差ができた。

 「よし行け!」と声援を送るも、さすがにわずかな周回で抜くには至らず2番手フィニッシュ。年間2位も確定した。強いレース展開でもぎ取った年間2位なのだから価値がある。が、本人はあくまで最終戦でトップになりたかったに違いないから、悔しさを胸に秘めているに違いない。

 見ていて、本当に手に汗を握るおもしろいレースだった。やっぱり、FJ格好良いよ。

クラブマンレースの表彰台でシャンパンファイト。手前がDさん

12月9日

 金魚決戦第2ラウンド。多くの人は昼の走行会が勝負だと思うかもしれないが、近くのペンションで繰り広げられた壮絶なバトルは中部ロードスター界の中で長く語り継がれて行くに違いない。

 コテージ借り切っての宴会。主役は宴会から参加したRジャンキーの鬼軍曹とRCファクトリーSTAGEのT氏、おりぼーさん。Rジャンキーの角さんも絡む。

RジャンキーRCファクトリーSTAGEおりぼーさん

 鬼軍曹、決戦の賞品のオイルを各方面から集めてくれたり、宴会用に鍋を作ってくれたりと恐ろしく面倒見が良い。ただ、恐ろしく体育会系。エンジンオイルも水平対向用だったり0W-20だったりと、微妙なチョイス。

恐ろしく体育会系微妙な

 コテージ入り口のテーブルに陣取って(ストーブが近くにあって暖かかったからだ)「みんなそろったら乾杯ね」という場の空気も読まずにすっかりお客様気分でぷしゅっと勝手に淡麗を開けて飲みはじめた富山勢とT氏。まったりしているところに、鬼軍曹が食器やら野菜やらを持ち込んでテーブル横のキッチンで鍋を作り始めた。みんなのために用意してきてくれたんだ〜、良い人だなと思うのもつかの間、

(ストーブが近くにあって暖かかったからだ)

 ちゃけぞえっ! おまえ、なぁ〜に座ってんだ、てめえはお客さんか!!(゚Д゚)(刻んで鍋に放り込むぞ)

ちゃけぞえっ! おまえ、なぁ〜に座ってんだ、てめえはお客さんか!!(゚Д゚)(刻んで鍋に放り込むぞ)(刻んで鍋に放り込むぞ)

 とメンチ切りながら、お客さんに交じって缶チューハイ片手に談笑していたRジャンキーの若手特攻隊長をしかりとばす鬼軍曹。もうすでにただことじゃすまない夜であることを覚悟する。

 

 晩ご飯をペンションで済ませて、再び同じテーブルに戻る鬼軍曹と富山勢。飲み直そうとベランダで冷やしてあったビールをテーブルに運ぶとき、がんっ、と1つが床に落っこちた。ありゃりゃ、そんなビール、開けたら大惨事じゃないですか。

がんっ

 満面の笑みの鬼軍曹。そのビールをT氏が戻ってくるであろう席に置く。それを知らずにご機嫌で戻ってくるT氏。机の上のビールを早く開けないかな〜とみんなが微妙な笑顔で見守っていたのだが、なかなか開けない。しばらくハイテンションでしゃべっりまくって「ビールは?」と聞くT氏。目の前にあるのはアサヒの本生ドラフトだから発砲酒。T氏はキリン一番搾りを所望している感じだったのだが、周りのみんなは「目の前にあるじゃないですか〜」と、なおも微妙な笑顔でT氏に本生ドラフトを勧める。

ビールは?

 T氏も空気を察した感じであったのだが、気を取り直して本生ドラフトをぷしゅっと。が、ぐずぐずぐずっと泡がちょっとだけ出て不発に終わった。時間がたって収まっちゃったみたい。思わず「収まったんだ」とつぶやいたら、横にいた鬼軍曹から強烈な殺気とメンチが送られてきた。

 ひとまず、その場は収まってロードスターの話題なんかそっちのけで馬鹿話が進行する。何かが仕組まれていたさっきの気配を覚えていたT氏、「オレ、KYだからさぁ。漢字、読めない」と訳の分からないことを叫びながらトイレに立った。廊下に消えたと思ったら「何もしないでね」と念を押しに戻るT氏。これは「何かしてね」ということだろう。

オレ、KYだからさぁ。漢字、読めない

 机にあった2本の本生ドラフトを強烈にシェイクする鬼軍曹と宝石氏(富山勢)。T氏の席にはぱんぱんに内圧が上がった本生ドラフト2本と、普通の淡麗1本が並んだ。

(富山勢)富山勢

 戻ってきて3本をのぞき込んだT氏、「これはねーな」と淡麗をわきによける。おお、素晴らしい勘じゃないですか。もう、周りの人間は笑いをこらえるのに必死。隣の席からは逃亡。そんなばればれな状況の中、本生ドラフト2本を前にして、どっちかな〜という感じで見比べるT氏。どっちもぱんぱんであるとは思っていなかったらしい。

これはねーな

 しかし、1本を手に取ってもやっぱり開けない。満面の笑みなのだが、プルトップは動かさない。そのうち、ビールに耳を当てて「音が聞こえる」と真顔で語るT氏。

音が聞こえる

 「何の音?」と周りがきょとんとする。「ほらあ」と内圧が上がった本生ドラフトを鬼軍曹の耳元に持って行くT氏。「本当?」てな感じで素直に鬼軍曹が耳を近づけた瞬間、

 「ばじゅーっっっ

ばじゅーっっっ

と圧が解き放たれた。耳どころか顔に飛沫がかかって転がり回る鬼軍曹。「血が流れる」と周りはどん引き。阿鼻叫喚とはこのことだ。

血が流れる

 「目に入った。滅茶苦茶痛い」ともだえる鬼軍曹。辺りは爆笑しながらも、次に起こる惨劇に備えて身構えているというなんだか良く分からない空気に包まれる。

「目に入った。滅茶苦茶痛い」ともだえる鬼軍曹

 そこからはビールのかけ合い。勝者なきビールかけ。何も知らない人たちを連れてきて、ビールを小刻みに振りまくりながら「妖精の声が聞こえる」だとか「エンジンが9300回転でブローして飛び出す音が聞こえる」だとか言って耳元に。角さんたちが犠牲者となる。

妖精の声が聞こえるエンジンが9300回転でブローして飛び出す音が聞こえる

 周りはジェントルに車談義を繰り広げている人たちばかりなのだが、完全に机の周りだけ浮いた感じになって、だれも近寄ってこない。腹筋どころか、ほっぺの筋肉も痛い。

 

 なんだか、兄弟みたいな掛け合いのT氏と鬼軍曹。鬼軍曹がコーラを飲んでいるのを見たT氏、良い感じに酔っぱらって壊れているものだから「おまえ、コーラ一気のみしてげっぷしないで九九を言えるか!」というのを間違えて、

 

 「コーラ一気のみしてげっぷしないで四捨五入!

コーラ一気のみしてげっぷしないで四捨五入!

と叫ぶ。ごめん、Tさん、四捨五入はどうやっても言えないわ。げっぷは我慢できてもそれは無理だわ、と爆笑の渦が巻き起こったのだが、そこで突然、話題を振られたおりぼー氏曰く、

 「俺は5を捨てる」だと。

俺は5を捨てる

 ええ〜、普通5は繰り上げるだろ、小学生でもちゃんと捨てるのは4までだろう、と爆笑どころか、おりぼー氏の男気を褒め称える声がわき起こる。そうか、オリーブボールでは3.5時間の作業をしてもらっても3時間分の請求になるんだ。それどころか5万円以下なら無料なのかなどなど、周りにいたみんなが次の作業はオリーブボールに持ち込もうと誓ったのであった。

 もうね、文章に書いていると訳の分からない酔っぱらいの掛け合いだけれど、その場にいたら本当におかしいの。1年分ぐらい笑った。

 走行会から飲み会までこんなに楽しい時間ってなかなかない。また、みんなが集まる機会があるのかどうかも分からないけれど、こんなご縁をつくっていただいた主催者とRジャンキーな方々に感謝します。

第2ラウンドの一こま

12月8日

 金魚決戦。北陸は雪模様になるようだったので、金曜夜に愛知の実家に泊まって出撃することに。総監督とともに、スタッドレスタイヤの雅久号で愛知へ。低い車高にノーマルホイールって激しくかっこわるい。

 10時半ぐらいに実家に到着して、タイヤ交換。ホンダF1撤退などを肴にビール片手にわいわいとやる。買っていったビールをあっという間に消費し、気がついたら日付が変わっていたのであわてて寝ることに。翌朝、母親が机の上に散乱した空き缶を見て絶句していた。

 瀬戸赤津インターから豊田松平インターへ。急坂な国道を上って40分ぐらいで作手に到着した。駐車場にはすでに、各地から集まった猛者たちが。

 間瀬耐久と同じ条件にするために、排気系中間ごにょごにょ。慣れたもので、ジャッキアップしてごそごそしてあっという間にセットアップ完了。コース内のピットに車を運ぶ。

 ずらりと並んだ38台の参加車両を見て、あることに気がついた。

 14インチって雅久号だけじゃん…orz

14インチって雅久号だけじゃん…orz

 ほかのNAロードスターはすべて15インチ。しかも、半分Sタイヤという噂のTOYO R1Rの装着率が異常に高い。ラジアルの半分以上がR1Rじゃないんだろうか。しかも、サイズも205の方が多数派。こっちは185ネオバなんですが…orz

 渡されたメンバー表を見ると、デフの装着率も7割超え。ノーマルでもみんなトルセンで、ビスカスなのは雅久号だけ…orz

 ノーマルエンジン率は2割ほど。怒ノーマルB6エンジンは富士のNゼロに参戦しているにゃじごんさんを含めて3台だけ…orz

 ってどんな走行会なんだよっ!

ってどんな走行会なんだよっ!

と、思わず心の中で叫んでしまった。

 会場となったオートランド作手のコースを見てまたびびりまくる。ぱっと見のビジュアル的にトップターンコーナーが壁のように立ちはだかっていて「転がる」という噂も納得。「B6じゃ、登らないのでは」と頭から血が引く。1コーナーから2コーナーを見て、かなりハイスピードで回り込む感じのレイアウトに「失敗したら刺さるんじゃ。廃車になるんじゃ」とさらに血の気が引いていく。ミニサーキットの気楽さは一切ない感じ。

オートランド作手

 2コーナーを抜けた3コーナーもけっこうハイスピードで、しかもそこから一気に登っているものだから、リア荷重のままで恐ろしい挙動が出そうなことはすぐ分かる。たぶん、リアが出て、変にがんばるとコースアウトしてどっかんとはねて横転し、高低差8mを一気に転がるんだろう。てっぺんに登って最終コーナーまでも崖を転がり落ちる感じ。

 いろいろな情報を集めてみて、ちょっとがんばって走って30秒台で走りたいな、と思い自己申請タイムを30.999としたのだが、思わずごめんなさいっっ!!主催者に謝ってしまった。

ごめんなさいっっ!!主催者

 唯一、今回の決戦のためにROMチューンをしたコンピューターに交換してきた。3コーナーが2速だとリミッターに当たるし、3速だと坂を登らないっぽかったから。ROMで8000回転オーバーまで回るようにしようと。

 ドライバーの腕やタイヤ、車のチューン度によって6つのクラス分けがされていて、雅久号は一番おとなしい?Fクラス。まずはSタイヤのAクラスが走り始めて、その走りっぷりに再び頭の血が引く。完全に持ってくる車を間違えたかな。

 1枠10分で走行開始が50分後。コースインして、短い走行時間を有効に使うべく、最初から飛ばし気味で走る。いや、走ろうと思ったら、2コーナーでリアがざあああぁと流れて盛大なカウンターを当てる。恐ろしくグリップ感がない。寒波でかなり寒い日で、路面温度が低いせいと、舗装自体もひっかからないっぽい。

 しばらく様子を見て、コースを攻略する。1コーナーはノーブレーキで入っていく車もあったけれど、14インチのコース初心者だとやらない方が無難っぽい。1コーナーを進入し、回り込む2コーナーにかけてのラインがなかなか難しい。ラインの難しさは、ミニサーキットなのに、コース幅が広いALTの特徴か。3コーナーにかけて思いっきり踏んでいきたいのにできない。2速を使う3コーナーはノーブレーキなはずなのに、ちょんとブレーキを踏んで頭を入れたい感じ。しかも、ビスカスで3コーナーを攻めるとイン側のタイヤが盛大に空転して前に進まない。進まないのも腹が立つから、クリップからアクセル全開にしてやったら、8000回転以上(いくつにしたか忘れた)のレブリミットに当たる始末。

 頂点のコーナーで縁石に乗ろうとしたらどっかーんとはねてコース半ばまで吹っ飛んだ。転がり落ちるようにして60Rに進入。思いっきり前に荷重がかかっているものだから、ちょんとブレーキを踏んだだけでリアが吹っ飛ぶように流れる。そこで無理すると、最終コーナーのクリップに付けない。

 出たタイムが31秒5。このコースでコンマ5秒ってえらい遠い気がするorz。1枠10分という走行時間も納得。それ以上はパワステがないと腕が上がらなくなるぐらい疲れる。2コーナーでがんばって、3コーナーでもがんばって、頂上から右、左、右っと切り返さなければならないから休む暇がなくて腕に来る。

 なんとか、31秒4ぐらいが出せるようになってきて、決戦前のフリー走行で出たタイムが31秒230。目標まで0.231。

 同じタイムの相手と5分間走る金魚決戦では1コーナーから3コーナーまでのリズムが分からなくなって不調。31秒台後半でだらだらと走ってあっという間に終了。ベストを出すことができずorz

 意地でも30秒台を出してやろうと、最後のフリー走行に臨む。決戦のいけていない感じが継続するだけでいまいち。ちょっと休んでいる間に、RCファクトリーSTAGEさんが「スーチャー号と交換しない?」と。喜んで乗せてもらって、過給の太いトルクと15インチタイヤを楽しむ。改めて14インチと15インチの差を体感。あとパワステも。14インチでは一生懸命になる場面でも、15インチは何事もなく、オンザレールって感じ。最終でリアを出しながらどうにか曲がるのに、15インチは切り増せば曲がっちゃう感じ。

RCファクトリーSTAGE

 へーっ、いいな、と思って最終アタックしていたとき、ラインの自由度が上がったこともあって、2コーナーから3コーナーでものすごく良い感じで曲がれるラインを発見した。これだこれ、と思って雅久号に乗り換え、最後のアタックに出る。

 3コーナー前のちょんぶれがなくなって、アクセルコントロールだけで曲がれるようになった。タイムも31秒3が3ラップ連続。すべてうまく行けば30秒台だ! とがんばっていたら、どっかから「がらんがらん」という異音が。何かが転がっている感じ。

 トランクにものが入っていたっけ? と一度ピットインしてあちこち調べるも分からず。そうこうしているうちにフリー走行タイムが終了し、結局31秒230がベストで目標タイム到達はならなかった。異音の原因は上着のポケットから落ちた携帯電話がバケットシートの下を転がっていたorz

 ラジアルのトップが29秒台に入れていたので、まったくかなわない感じで終了。Sタイヤのトップが28秒台前半。路面温度がもうちょっと高ければ30秒台に入ったかな。R1Rは5周で終わっていたらしいが、ネオバは溶けもしないし、まったく減らなかった。15インチにすればたぶん、もうちょっと楽になるとは思うけれど、それはそれでまたセッティングが変わったりするので、机上の空論にすぎない。

 結論から言えば、ALTでタイムを出そうと思ったらデフは必須で、タイヤのグリップにタイムが比例していくと思われる。グリップ云々はどこのサーキットでも同じだけれど、割合が高い感じ。ターボとかだと、どこでもリアが出ちゃってなかなか踏めないかも。ブレーキはあまり使わない。フルブレーキからいかに車を操るかっていうのがモータースポーツの醍醐味の一つだと思うのだが、このサーキットではあまり重要じゃないかな。荷重移動は意識して使わねばならないけれど。

 ということでライトチューンな車は「おととい来やがれ」(とは誰も言わないが)的なすっごくレベルの高い走行会でした。

 走行会としては、アマチュアがやっているとは思えない、すごく行き届いた運営がなされていてびっくり。貴重な場を提供していただき、ありがとうございました。

12月5日

 明日は金魚決戦。が、北陸は見事に雪マーク。スタッドレスタイヤ装着決定。

 夜から寒気が来るみたいだから、とりあえず仕事を早く終わらせて、実家で寝てから出陣だ。タイヤ交換して洗車して給油してとけっこう忙しい。

12月3日

 12月6日は金魚決戦に出撃。けっこう広域からロードスター乗りが集まってサーキットでぶんぶんやるのだ。

金魚決戦

 つい1年前まで愛知に住んでいたのだが、オートランド作手には行ったことがなかった。R-Junkieな方々のホームコースとしてロードスター乗りの間では名が知れているサーキットを走ってみたかったし、なによりも各地から来るロードスターを見てみたい。富士のNゼロロードスターも来るみたいだから、間瀬Nゼロと比べてみるのもおもしろい。

R-Junkie

 クーマックカップ最終戦の日が申し込み最終日だったので、車がどうなるか分からなかったから申し込みできなかったのだが(あと仕事も…)、なんとか原型をとどめていたので、わずかに残っていた枠に強引に入れてもらった。(ありがとうございます→502氏

502氏

 気合いを入れるのだ!とまずは最終戦でちょこっと壊れたバンパーを直す。後はオイル交換と洗車。たぶん3秒ぐらい上がった。

 ハードトップと助手席は現地で外すので、その分、足回りのセッティングをいじることになるとは思うけれど、基本的にはそれだけ。何秒出るのか、で間瀬Nゼロ耐久車両がどれくらいの戦闘力なのかが客観的に分かる。「初めてのサーキットでもタイム出せるよ」と語る最終兵器の大道総監督を投入するので、ドライバーもばっちり。

 基本的にノーマルエンジンに185タイヤなので、トップ争いができないことは分かっているけれど、熱い人たちと同じコースでぶんぶんするのだ。夜は宿泊してマニアックな話題で盛り上がる所存。

 翌日は、鈴鹿クラブマンレース最終戦の観戦に直行。FJ1600に参戦しているDさんの応援に。来シーズンはスーパーFJに乗るとのことなので、FJ1600はラストラン。最後に表彰台のトップに上り詰めてほしい。

 ネックなのが、天候。現地はOKみたいなのだが、北陸はなんと雪マーク。こんなこともあろうかと、29、30日は愛知の実家に戻ってスペアタイヤを運んでおいた。実家でスタッドレスを付け替えて出陣するのだ。

11月23日

 22日土曜日を、クーマックカップに参戦した富山チームの打ち上げの日ということにして、大宴会を開くことにした。スポンサー様に伏木にある富山湾に面した素敵な場所を提供していただき、みんなで集まって飲みまくって、意識を失ったら別室に引きずられていって寝るという完璧な段取りの宴会である。

 マッサGOGOを応援していただいている中部水産さまから、今回も食材を送っていただき、メーンディッシュはてっちり。あとはカツオのたたきにサーモン&スモークサーモンという組み合わせ。どんどん、と包丁で切ってしまえばあとは簡単に食べられるというセットを送っていただいた。

 相変わらず、間違えたとしか思えない量の食材が届く。いつもハンドルを握って闘うまっさもこの日ばかりは包丁を握って奮闘。といっても、ばんばんばんとフグをカットして(毒は処理済みなので素人でもOK)、鍋に放り込む野菜やらキノコをばんばんと切って一丁上がり。

 集まった人数は子どもも含めて26人。ドライバーが9人なのに、これだけの人数が集まるところが富山、T.O.Racing Factoryチームの強さの源だ。みんな顔をそろえて一緒のごはんを食べているのが、やっぱり強いのだ。

 マッサGOGOのじょうも間違えたとしか思えない量の鶏肉を勝ってきて食卓に並び、豪華な宴会がスタート。サーバーで運ばれたビール30リットルはあっという間に消費されていったのであった。

 いつもと違う環境で飲んで変なふうに酔っぱらってみんなに迷惑を掛けたことは、内緒にしておく。

11月19日

 富山の平地にも雪が降った。以前、10月に富山から愛知にロードスターで帰るとき、東海北陸自動車道のトンネルを抜けた途端に銀世界になってかなりびびった経験があるが、平地でこの時期に降るって相当早い。ちらちら降っているぐらいだったら、道路に落ちてすぐに解けるから笑っていられるのだが、午後11時ぐらいに「ざーっ」て感じで降ってきた。

 こういうときに限って宿直だったりする。あいにく、デミオのスタッドレスタイヤはこの夏にはきつぶしていて、ちょうど新しいスタッドレスを注文したところだったので、タイヤがない。やばいな、と思っているうちに路面が真っ白になっていったので、これはいけないと工場横に置いてあるロードスター用スタッドレスを取りに行くことにした。ロードスターのノーマルホイールはデミオにぽん付け。

 それにしても、外は銀世界。目の前の路面こそ、ぐずぐずに解けてノーマルタイヤでも走れそうな感じだが、大山町の工場はちょこっと標高が高いし山側なので、絶対に雪が多い。ノーマルタイヤで行くのは自殺行為である。

 どうしようかと仕事場の駐車場に置いてあるタイヤを物色。職場のみんなが、冬用タイヤを保管してあるのだ。

 4穴のホイールについたスタッドレスを発見。PCDも100っぽい。13インチホイールはデミオと同じだが、155の80タイヤだからちょこっとサイズが違う。それでも付けば走れると、デミオの車載ジャッキと貧弱な車載ホイールレンチを使って交換してみたら、見事に付いた。ちょっとお借りします。

 空気圧が1キロぐらいしか入っていない感じだったけれど、ちゃちゃっと4本取り替えて、とにかく走れるようになったので雪道へ。けっこうグリップして問題なく雪道を走れる。ノーマルタイヤでのろのろ走っている車たちをぶち抜いて工場にたどり着き、自分のロードスタースタッドレスを積んで再び戻ってくる。

 で、またタイヤ交換。借りたスタッドレスはこっそり元の場所に置いて、自前のスタッドレスに履き替えた。

 NA6CEの5.5Jノーマルホイールに、175/65R14のスタッドレスタイヤ。デミオに付けてみて、ぐずぐずの雪道を走ったら、ノーマルタイヤを履いてウエット路面を走るよりもグリップ感がある…。

 雪よ、じゃんじゃん降ったって、何かあれば現場に行けるぜ!と準備万端になった途端、降り方が弱くなって路面が黒々してきた。