10月7日

 電車で行くには少しだけ面倒くさい知多半島で仕事があったのでロードスターで出勤したら、アイドリングが無かった。始動直後の制御が終わった途端にエンストするようになってしまったのである。

 アイドリング状態になると自動的にエンジンが止まるから、大変乗りにくい。直そうにも、車載パソコンはぶっ壊れてしまっている。仕事で使うノートパソコンにはシリアルポートが付いていないから、Freedomと接続できない。そのまま、アイドリングなしの状態で走り続けるしかなかった。

 何しろ、信号待ちで止まろうとしてクラッチを切るとエンジンが止まるわけだから、ブレーキをかけながらかかとでアクセルをあおる羽目になってしまう。周りの車は相当腹が立ったに違いない。

 気を抜くと、スコンとエンジンが止まるから、セルモーターを多用する。何度も使っているとバッテリーが上がりそうだ。仕方なく、惰性を利用してギアを入れて、クラッチをぽんっとつないでエンジンを始動する。Freedomはエンストすると、なぜかエンジンがかかりにくいから、こっちの方が手っ取り早い。

 しばらくして、何とかアイドリングするようになった。一度アイドリングするとかなり安定して、かなり良い状態なのだが、気を抜いているとまたアイドリングをさぼるようになる。仕方なく、信号待ちではアクセルを踏んで2000回転ぐらいのアイドリング。信号待ちごとにアクセルをあおったり、エンストしたり、セルを長い時間回したりと、後ろから付いてきた車は相当怪しく思ったに違いない。

 天気が良かったので開幌状態で畑の間を抜ける道を走る。知多半島は、海岸線は工場ばかりなのだが、山側に行くとツーリングに良い道があってなかなか楽しい。

 工業地帯の海を見た。そういえば、一週間前、朝起きて富山の日本海を見たんだった。水曜日には三重南紀の南国の海を見てきたし、今日までの間には筑波にも行ったんだった。ざっと計算して、1週間で2000キロぐらい走っているからでたらめな走行距離である。

 そりゃあ、お金だってなくなるよね。

10月6日

 さすがに、不眠不休でぶっ通しで走って名古屋からは若干遠い筑波サーキットまで到達し、サーキット走行をしてくる、というスケジュールは、ちょこっとだけ無理があったらしく、体のあちこちが痛い。今日は8時に起きたのだけれど、筑波報告を書いたら再び睡魔に襲われ、3時間ほど眠ってしまった。

 夕方起き出して、サーキット仕様になっている愛車を元に戻した。すなわち、排気系のいたずらを直して、タイヤを14インチ化、助手席を取り付けて、運転席のバケットシートも皮シートにしたのである。

 下に潜っていたら、マフラーの吊りゴムが1つちぎれているのを発見。段差でぼこぼこっという音がしていたのは、こいつが原因らしい。疲れているし、放置したいところなのだが、排気管の途中には5万円もするセンサーが付いているのであまり暴れてほしくない。イエローハットに行って、吊りゴムを買ってくる。カーショップに行くと強化品しか置いていないので、苦労して硬いゴムを取り付けた。

 乗ってみると、ふかふかのクッションがある皮シートがステキ。ドライビングポジションもこちらの方がしっくり来る。さらに、ぎゅーんからネオバにしてひどいくなっていた車の乗り心地が、何とか我慢できるレベルになった。ステアリングはタイヤが減っていることもあって、重くなった。タイヤがよれる分、14インチの方が重たい気がする。

 なんだか、車ばかりいじっている気がする。

10月4日

 いよいよ、明日筑波サーキットを走る。本格的な高速サーキットは春の間瀬以来半年ぶり。間瀬では圧縮比10.7と264度のハイカムエンジンで臨み、直線だけはかなり速かったのだけれど、今はノーマルエンジンに15インチ。直線で速いとは言えなくなり、ごまかしがきかないので腕のない僕にとってはつらい状況。頼みの綱はFreedom制御である。ほかの車とストレートで比べてみれば、速いか遅いか、何となく分かるだろう。フィーリングではかなり速いんだけれど。

 とりあえず、吸気管を外してしまったので、ISCV専用の小さいエアクリをバイクショップの「南海部品」で購入。ブローバイ垂れ流し状態になってしまうので、クスコのオイルキャッチタンクを取り付けた。月曜日に思い立って、その夜インターネットの通販サイトにオーダー。昨日届いたから、便利な時代になったものだ。

 オイルキャッチタンクは造りが良くてなかなか満足度が高い。なによりも光っているのがうれしい。専用ステーでばっちり簡単に取り付けることができた。

 問題は明日の朝6時に筑波に行かねばならないことである。早めに仕事場から逃げ出して、家に帰るのが午後8時すぎ。筑波まで高速道路を400キロぐらい走るのかな? 余裕を見て午前零時すぎには出発したい。準備とメシを食べてフロにはいると最低9時は回る。寝付くのが10時としても1時間半の睡眠でロングドライブだ。カフェインドーピングが必要だな。

 さて、無事に帰ってこられるしら。

10月3日

 今朝、市場へ行ったらおもしろいものを見つけた。その名も「フリーダム」。

 なんとキュウリの新しい品種の名前なのだ。キュウリにつきものの表面のぶつぶつをなくし、味と食感を良くしたのだという。今一番頭を占領しているものと名前が一緒なんて、因縁深い。

 市場のおじちゃんによると、現在流通しているキュウリは昔のキュウリに比べて味が劣っているんだという。これは、見た目と保存期間の長さが優先されたため。

 昔のキュウリは白いロウの粉を吹いていた。「ブルーム」と言って、キュウリの生理現象らしい。しかし、白い粉が農薬に間違われて嫌われるようになってきたので、品種改良をして新しく「ブルームレス」というタイプを作った。これが瞬く間に市場を席巻したのだという。それ以前のキュウリに比べて皮が厚く、果肉が柔らかい。味も薄いのだけれど、見た目重視なのだそうだ。キュウリも、最近の風潮に迎合しなければいけないんだな。

 ぶつぶつをなくして漬け物やサラダ業者の加工の手間をなくして、食感とキュウリ本来の味を出したのだフリーダムだそう。一見、よいことずくめに思えるのだが、これが、一般家庭に浸透するかどうかは分からない、というのが難しいところ。

 なんだか、フリーダムコンピューターの説明みたいだ。

10月2日

 朝5時すぎは、まだ暗い。「台風一過」の言葉どおり、天気が良くなりそう。るんるん気分でロードスターに乗り込もうと、さっそうとドアを開けた、その途端、脳みそがフリーズした。

 浸水し放題で、車内が洪水状態だったのである。ついにやってきてしまったか、10年もたつと仕方がないよね、と苦笑した顔の筋肉が次の瞬間引きつった。洪水のど真ん中にFreedomの設定変更用のパソコンが鎮座していたからである。

 間違いなく壊れてしまったと思われる。とりあえず、ずぶぬれのまま電源を入れるのは自殺行為なので放置しておく。こっちが感電するかもしれない。

 6年も使ってきたパソコンだから、これで引退かな、と考えつつ運転席側のエスケレートシートに手をかけて脳天に衝撃が走った。全体がぐちょぐちょに濡れている。濡れたスポンジの中にすっぽり座るようなものだ。でも仕方がない。

 台風による大雨の余韻で、あたりは湿気まみれ。フロントガラスも外側、内側の両側がぐちょぐちょに濡れている。仕方がないな、と左手をエアコンのスイッチに伸ばして再びショックを受ける。エアコンは壊れているんだった。

 さんざんな思いをしながら夜明けの街を走り始める。ヒーターをがんがんにかけて少しでもカーペットが乾くように暑いのを我慢した。

 御浜町は、三重県の最南端である。地図を見てみると分かるが、実はとても細長い県なのである。高速道路が伊勢の手前まで。後は下道しかない。

 勢和多気インターで降りるまではすぐである。そこから国道42号で尾鷲へ向かう。あと70キロ弱の案内表示が。これで驚いてはいけない。その尾鷲から熊野までも同じくらい距離があり、御浜町はその次なのである。ひたすら走るしかない。御浜町は名前の通り、まっすぐに伸びる砂浜がとても美しい町だ。まだ夏のような日差しにエメラルドグリーンの海が映えて輝く。

 4時間ぶっ通して走って、なぜか普通よりちょっと早い気がするが、御浜町のミカン畑に到着。1時間ほど過ごしてとんぼ返りである。

 同じ道から帰るのも芸がないので、国道169号を走ることにする。この道は、すれ違いもままならないような細い曲がりくねった道である上、すさまじい「秘境」を走っていて、この世の物ではない何かに出くわしそうな雰囲気を醸し出していた。台風の大雨で道路が崩れていないか心配だったが、対向車が走ってきたから通行止めではないのだろう。

 ひたすら無心に走る。道は途中からかなり良くなり、良いペースでダムの横を通る道を駆け抜け北上する。本当なら橿原あたりから名阪国道に乗って帰るのが早いのだろうが、津に用事があったので、途中で真東に向かう。津で用事を済ませて、国道23号へ。街の渋滞がいやだったので、最後だけ名古屋高速に乗った。

 結局メータ読みで600キロを走破した。あ、ファイナルが狂っているから630キロぐらいか。道中、ずっと乾かしていたパソコンは、電源すら入らなかった。

10月1日

 おろしたての新品タイヤってタイムが出ないんだろうか?

 かなり使い込んだタイヤの方がおいしい、という話を良く聞く。確かに、おろしたてのタイヤはぬるぬるした感触で、接地感もグリップも弱くなるけれど、100キロも走れば気にならなくなる。素人考えでは新品の方が良くグリップしそうなのだが。分厚いブロックがよれるんだろうか?

 とりあえず、タイヤの慣らしとしゃれ込もう。すでに富山から250キロほどの道のりを走っているから、表の皮むきは終了しているはず。

 明日はなぜか南紀の御浜町に行く。電車で行くのが決まりなのだが、ばれなければよいので、ロードスターで向かう。これで400キロちょっと稼げるか?

 確か名古屋から東京までが360キロだったので筑波までは400キロちょっとだろう。すると、サーキットに行くまでに1000キロは走ることになるのか。

 1000キロと言っても高速道路中心だから溝はあまり減らないかもしれない。うーむ。

 ふと、正気に返ってみると、何という距離を走っているんだろう。9月に富山に3回行った気がする。サーキット走行は2回。

 どれだけのガソリンを燃やしているのかは、考えないことにしておこう…。

9月30日

 日曜日に開かれた結婚式の2次会に乱入するために、隣町である富山県高岡市に行った。月曜日は時期は遅いが「夏休み」という名目で仕事をさぼった。

 ついでに富山の車屋さんでタイヤも交換してもらおうと、195-50/R15のネオバを注文する。今付いているぎゅーんの溝が残っているので、ホームコースのサーキットも走ることにする。そういえば、ハードトップを売ることにしたので、おいてこなければ。高岡に行くのならば、二上山のお店にも行って、うまいメシを食べねばなるまい。そういえば、富山の車屋さんに放置状態になっている14インチのネオバも回収しないと。富山に行くと、忙しい。

二上山のお店

 タイヤを積むスペースを確保するために、助手席を外し、この前の走行会で付けていくのを忘れたバケットシートを取り付ける。助手席の付いていない車って、とってもスパルタン。でも、Freedomの設定のためのパソコンいじりはしにくい。

 二上のお店で角煮丼とベークドチーズケーキを食べる。このお店は置いてあるメニュー以外の料理「裏メニュー」が充実している。材料さえ間に合えば、何でも作ってくれるから、わがまま言い放題も可能なのだ。この日食べたいずれも、もはや「料理」という枠を抜け出して「作品」という趣であった。目から鱗が3、4枚はがれ落ちる感じだ。いや、はがれると言うよりははぎ取られるぐらいの強制力がある。

 夜は、結婚式の2次会。とっても楽しめた。

 そして、今日は第2の本番のサーキット走行であったのだが、朝から雨が降っていた。とりあえず、サーキットに行ってから走るかを考えようと、9時すぎに到着すると、どうやら雨がやんだ様子。西の方からは晴れ間が見える。待っていれば路面も乾きそうだ。

 我慢できなくなって、申し込みをする。ウエット状態で走っていたら、午前11時ぐらいにはほとんどドライ状態になった。

 けれども、タイムはまったく伸びず。それどころか、Vスペシートで走った前回の走行会の方がタイムが出ていた。自分の腕の未熟さに反省することしきり。午後はタイヤを付け替えた。パワステを付けたようにステアリングが軽くなったので、ごきげんである。

 さて、土曜日はいよいよ筑波2000。準備はだいたい完了。

9月28日

 土曜日なのに出勤。土日は会社の周りの道の駐車禁止が解禁になるので、ロードスターで出勤する。会社に行って、暇なのだがボーっと過ごすことはない。このページの更新作業で大忙しである。

 隣には上司が座っているのだけれど、机に向かってがしがしとキーボードをたたいている姿は正に「できる社員」。ものすごい集中力で机に向かい、無言で怖い顔しながら無心に手を動かしているので、横から見たら、ものすごい勢いで仕事をしているように見えただろう。実際は、ものすごい勢いでさぼっていたのだけれど。

 夜は仕事だか趣味だか分からないような用事で外出。午後10時半ごろ社に戻り、ロードスターで帰る。なんだか、湿度が100%近いような天候で、窓が曇って大変だった。エアコンが効かないとやはり不便である。

 明日は富山へ。あさって、筑波対策にミニサーキットを走る。

9月27日

 素人のやることをまねしちゃいけません。

 読者から、1年前にやったヘッドチューンでカムプーリーの溝加工の方向が間違っているのではないか、との指摘を受けた。あれ、おかしいなと思いながら、面研をしてバルタイがずれる方向、エンジンの回転方向、カムを進めるためにどうずらせばよいのか、などをこの2、3日、思い悩んでいた。本当にわかりにくい。仕事も手に付かず、熱が出るくらい考え込んで考え抜いた結果、「やっぱり間違っているよなあ」が結論。

 参考書を見たはずだ、と思い、今朝に引っ越しの段ボールの奥底に入っていた本を引っ張り出して読んでみた。すると、削る方向は同じだったのだけれど、本に載っていたのはバルタイを遅らす加工。確か参考に見たはずだと東名のホームページを見てこれだ、と思った(無断リンク)。スライドカムギアの使い方で、どっちにずらすと進むのかを見た覚えがある。仕組みを知らなかったから、これでいいだろう、と一人合点してしまったみたい。

東名のホームページ

 4度進めて24度のオーバーラップ! と自信満々に書いていたにもかかわらず、16度のオーバーラップだったことになる。これでもまったく普通にエンジンは回っていたし、きれいに高回転まで吹けていた。案外、エンジンって回っちゃうものである。ただ、最初乗ったときに「あまり変わらない」と思ったことは確かだから、きちんと正しく加工できていれば、もう少しトルクフルなエンジンになったのかもしれない。結局、この仕様では5カ月半乗っただけですぐにエンジンを降ろしてしまった。その後はバルブタイミングをきちんと習って、測定して、スライドカムプーリーで調整しているからちゃんとバルタイは正確だった(と思う)。いまとなっては笑い話。このカムプーリーを使っている某氏は笑えない話だが。

 こんないい加減なページに書いていることは鵜呑みにしないように! いま書いているこの文章でさえ、筆者自身、正確かどうか分からないのだから。

9月26日

 なぜか朝4時30分に起きて、日比野の市場へ行った。魚部門に。

 朝の市場は戦場である。発泡スチロールに入れられたお魚がうずたかく積み上げられた合間を、魚を満載した荷車を押す殺気だったお兄さんやおばちゃんが無言で足早に歩いていく。うかうかしていると、軽トラやフォークリフトにひき殺されそうになる。あたりは相場や在庫を確認する声が飛び交う。

 ちょっとした物陰で、包丁で魚をさばく人や、ごろごろ転がる大きなマグロ。水が張られた箱にはまだ生きているヒラメがうごめく。サワラや巨大なタルイカといったものも、市場で見ると小さく見える。抱きかかえるぐらいの大きさなのに。魚のにおいも、市場だと生臭さは感じない。

 みんなゴム長にエプロン姿なのに、スーツ、革靴姿の人間が歩き回るのはかなり場違い。白衣を着た保健所職員にはかなわないけれど、とっても目立ってしまう。

 朝早くに起きたので午後5時すぎには帰っちゃおうとたくらんでいたのに、こんなときに限って仕事が入り、さらに飲みに誘われてしまうのだ。ビールを大量に飲んで、睡眠不足もあって半ば意識不明で帰宅したのが日付が変わった頃。