10月29日

 富山の二上山にあるお店では、「とり野菜」という鍋を喰らった。冬のような寒波が来た寒い日にはぴったりの料理であった。

二上山にあるお店

 石川・能登名物らしい。鶏肉を白菜やシメジなどを味噌を使ってぐつぐつと煮込む。とってもヘルシーなお鍋である。どこにでもありそうなお鍋なのだが、やっぱり特別な味噌があるんだろうか。

 最後はうどんで仕上げ。何よりも、「温かくなるもの!」とわがままを言えば、最適なものが出てくるお店がステキ。

10月28日

 午後9時半に仕事を終え、会社でお誘いを受けたビートルズバンドの練習へ顔を出す。行くとちょうど最後の曲が始まるところであった。「A Little
Help From My Friends」のウッドストックバージョンというマニアックな曲を練習していた。12月8日に開かれるライブで披露する曲。ジョンレノンの命日であること、ジョージハリソンの1周忌に近いこともあって、ジョンとジョージ特集をやるのだそう。ビートルズバンドばかり集ったライブだから、「Happiness
is a Warm Gun」「Yer Blues」「Savoy Truffle」などなど、かなりマニアックな曲ばかりを演奏するらしい。

 反省会と称した飲み会に突入するのは当たり前のことで、2時間ほど飲み屋で騒いでいた。富山に行かねばならないから、アルコールは飲めない。ウーロン茶だけで我慢するのは至難の業である。

 解放されたのが午前0時すぎ。ロードスターに乗り込み、目指すは富山の福光町だ。スキー場の駐車場がジムカーナ会場なのである。

 国道22号から国道156号へ。午前8時に集合だから、まだ時間はたっぷりある。下道をゆっくり走って午前5時ぐらいに到着し、ロードスターの中でまどろんでいればいいかな、と思っていた。天気予報通り、北陸に近づくほど天気が悪い。美濃あたりでポツポツと降り始めた雨は、郡上八幡あたりで本格的になっていた。

 ゆっくり走って時間をつぶす必要があろうが、雨が降っていようが、前に誰も走っていないワインディングロードがある限り、可能な限りスピードを出してしまうのは、僕のいけないところである。ノンストップで福光まで走り抜き、時計を見てみると午前3時半。目を疑った。

 早すぎる。あと4時間半も何をしていればいいんだ? 走り回っていても仕方がないので腹を決めて、寝ることにした。外は土砂降りだ。幌が雨粒の猛撃を喰らって、ものすごい音を立てる。風も強くて、駐車している車が揺れるほど。騒々しいったらありゃしない。努力して何とかまどろむことに成功したと思ったら、あまりの大雨に雨漏りしてきやがった。腕がひやっとして起きたら、ボタボタと景気よく雨水が浸入してきていた。

 車内にあったスポンジを窓に挟んで雨漏りをふさぐ。まどろんでいるうちに、なんとか7時になった。途中寒くて何度かエンジンをかけてヒーターを効かしていたので、ガソリンが少ない。午前7時すぎにとりあえず福光の町中に出て、給油した。

 ジムカーナ大会は大雨であった。いや、嵐であった。パイロンを並べるのを手伝っただけで、体がぐしょぬれ。体温が冷え切って、血が頭まで届かず、意識が飛びそうである。

 よく考えてみるとジムカーナは2回目だ。山道ばかり走ってきたものにとって、ジムカーナはある意味、別世界の走りである。目で見てつっこめるかを判断する山道とは違い、パイロンとパイロンを結んでいかに速く走れるか、ラインを考えながら走るのがジムカーナである。僕はまだパイロンめがけて走ってしまうから、慣れが必要だ。もう一つは、360度ターンのように、サイドブレーキを駆使した方がうまくできるテクニックが、山道野郎にとっては未知の領域である。地道な練習をしないと、本番だけでうまくターンは決められない。

 とにかく、あいにくの雨が残念であった。アラレが降るぐらいの気温と、ものすごい風だったのがつらかった。いや、雨だったからこそ、1、2本はうまく360度ターンが出来たのかもしれない。みんなイコールコンディションで争うのだから、天候のことは言うまい。

 夜は二上山の料理人さんにうまいメシを食わしてもらう。くつろげる場所でノンビリと食事をしながら談笑して過ごすのは、なかなか贅沢な時間だ。

 朝起きると、雨模様であった。今日も休みにしたのは、乗鞍スカイラインを走ろうと思ったから。しかし、富山で雨模様では、乗鞍はこの季節、雪が降っているかもしれない。

 どうしようかな、と悩んでいたら、僕のホームコースであるおわらの里スポーツランド上空が晴れているようである。迷わず、偵察に行く。遠くの乗鞍より、近くのおわらである。

 路面が乾きかけているようだったので、迷わず走った。走らなければ良かったのだ。さんざん攻めたのに、初めてこのサーキットを走ったタイムより悪かったのである。車を散々いじって練習しまくって、準備万全で臨んで「攻めきった」と思ったら、1年前よりタイムが悪いの。サーキットのおじさんは「路面の表面が乾いているように見えても微妙に濡れているんだヨ!」と慰めてくれたのだが、いいのさ。僕は一生へたくそのまま終わるのかもしれない。

 富山の車屋さんの家に寄って、夕方、家路に就く。山間部に入った途端にバケツをひっくり返したような雨。どんなに悪かろうが突っ込むのだ、と狭い道を調子に乗って飛ばしていたら、路面を覆う大きな水たまりに突入してしまい、時速60キロぐらいで走っているときに跳ね上がった水によって5秒くらい視界を失った。大変危険。

 古川から清見に抜ける峠で、なんとなく雨に白いものが混ざっている気がした。気のせいだろう、と清見インターから東海北陸道に乗る。

 トンネルを抜けると雪国であった。列車に乗っていれば優雅なせりふなのだが、ロードスターに乗っているとシャレにならない。高速道路路肩の気温表示が0度を示していても、まだ雪が降るわけないだろうと高をくくっていた。まだ10月なのに、路面まで覆う雪に遭遇するとは想像すらしなかった。フリーダムの吸気温度を見ると、3度ぐらいを示している。つい1カ月前は平気で60度を超えていたのに。

 いくら溝があるといってもはいているタイヤはネオバである。上り坂で止まってしまわないかしら、と冷や冷やしながら走った。乗鞍に行くどころの騒ぎではない。標高1000mですでに雪が降っているのだから。

 こんなときに限って車も不調になるもので、スロットルポジションセンサーがおかしくなって、ぎくしゃくとした走りになってしまう。ぎくしゃくしているスピンするかと震えおののきながらの走行であった。燃費が極悪になって予想よりガソリンを消費してしまい、途中で高速を降りざるを得なくなった。途中、コンビニへ寄ってあれこれいじるものの、なかなか直らない。

 何とか無事帰宅。さすがに、疲れた。

10月26日

 明日、富山でジムカーナ大会があるので、オイル交換をした。QUAKER STATEのオイルがいくら調子がよいといっても、筑波サーキットの走行も入れて3000キロぐらい走っているから、そろそろ限界である。別にエンジンがおかしくなることはないだろうけれど、踏みちぎるには新しいオイルの方が気分的に良いのだ。

 入れたのは、20W-50というたぶん100%合成の高性能オイルなのに、なぜか1リットル398円という価格のバルボリンのレーシングだ。怪しさ満点。

 ジャッキアップしてドレンプラグを外し、オイルを抜く。オイルはまだちゃんと粘度を保っていて、茶色に見えるから汚れも少なそう。レベルゲージで見るとほとんど入れたばかりと変わりがない。良いオイルは、もちも良いのかもしれない。

 ついでにタイヤも15インチのワタナベに交換する。別に14インチで走っても良かったのだけれど、雨が降りそうなので溝がある方にした。ステアリングも軽くなる。

 オイルジョッキにあけてみると、色、粘度ともに問題はなさそうである。

 しばらくアイドリングしてエンジンを止める。次にエンジンを始動したら、ラッシュ音がした。

 やばいかも。

10月25日

 減量強化キャンペーン中なので、歩く機会を増やしている。名古屋の街中を30分ぐらい歩く。近頃の気候は歩くのに最適で、汗もそれほどかかないからるんるんピクニック気分だ。

 栄にできた「オアシス21」に行ってみた。リンク先(無断)に完成予想図が載っているが、そのまんまのものが街のど真ん中に出現している。バスターミナルと公園を合体させたものだ。それはそれは鉄やガラスでできた巨大な建造物で、不自然な建物だ。「都会に潤いを!」「開放感あふれる公園!」などというキャッチフレーズが踊ったこの施設の企画書が目に浮かぶようだ。

オアシス21

 巨大な構造物が宙に浮いているのだから、その下に行けば不安感を覚える。宙に浮いた回廊は床が強化くもりガラスになっていて、上を歩いている人の靴底の陰が見える。透過してくる光がゆらゆらしているところを見ると、屋上には水が張られているんだろう。どう考えても不自然。待合い場所にはもってこいかもしれないが、少なくとも憩いのスペースとしては使いたいとは思わない。爽やかになりようがない。

 隣り合って巨大な芸術文化センターがあるから、箱もの行政の象徴のような一角になってしまった。多くの人は知らないだろうけれど、名古屋ではその昔「デザイン博」という博覧会を開いたことがある。センスある街を目指して開いたと思うのだが、名古屋の代表的な繁華街の一角を占めるこの2つの建物は、どう考えても「いいセンス」とは思えない。

 僕のセンスがおかしいのかしら。

10月24日

 午前5時半はまだ暗い。しかし、市場は活動の最盛期を迎えて、暴走軽トラやフォークリフトが忙しく走り回る。暗いから、下手をすると本当にひかれてしまいそうである。明るかったときには「大丈夫だろう」と割と平気で歩いていたのだが、暗い時分になると、命の危険を感じる。前に止めてある軽トラにおっさんが乗り込んだと思ったら、疾風のようなエンジン始動と、稲妻のようなギアさばきで、突然こっちに向かってバックしてくることもあるから、気が抜けない。

 どうやら、海がしけているらしい。お魚の入荷が少なく、いつもと風景が違う。うずたかく積み上げられた発泡スチロールの箱の高さが、低いのだ。自然相手だから天候に左右されるのは当たり前なのだが、目に見えた形にんなると、実感を伴う。今は満月に近い暦だ。満月の夜はやはり月明かりがあるので、漁り火にお魚が寄ってこないらしい。満月前後の1週間はやはり漁獲が明らかに減るのだという。

 しばらくすると朝日が差し込んでくる。先ほどまで降っていた雨はすっかりやんで青い空が広がる。手やカメラに付いたワカサギの鱗がきらりと光る。なかなか落ちないんだ、これが。

10月23日

 昨日はボスと飲んだ。今日は同じ職場の人と飲んだ。2日連続、飲み歩いたのはどれくらいぶりなんだろう。

 飲むのは楽しくて良いのだけれど、明日は午前4時半に起きなければならない。現時点で4時間半後よりも短いぐらいなのだが、独り酒を喰らってこんな馬鹿げた文章を書いているのだ。

 とにかく眠い…zz。

10月22日

 新栄で仕事があったので、仕事場から歩いて行くことにした。最近、おなかの出っ張り具合が深刻な状況に陥りつつあるから、少しでも運動することが必要なのである。

 てくてくと、名古屋の道を歩いていく。新しい街に引っ越してきたら歩くかオープンで走るに限る。街の表情を知ってこそ、住んでいる場所に愛着がもてるのだ。

 秋の日差しはとっても穏やかで気温もそれほど高くないから、スーツの上着を着ていてちょうど良いくらい。ときどき、キンモクセイの香りが漂ってきたりして、すっかり秋の風情が漂っている。もうしばらくしたら、冬と呼ばれる季節になるんだろう。松本に住んでいたものとすれば、名古屋の冬は冬のうちに入らない。

 歩くときに邪魔に思うのが眼鏡だ。微妙にずりおちてきたのを上げるのが面倒くさい。外してみた。ど近眼なので、眼鏡を外すと1メートルぐらい先までしか見えずにあとはぼやけてしまう。10年ちょっと前に眼鏡を着け始めてから、10分以上かけないで歩いたことはないと思うのだが、今日は外したまま、何も見えないまま、20分以上歩いてみた。

 はっきり見えない、ということはそこら辺に張ってある怪しげな広告の文句も読めないし、たとえ、とっても良さそうなおねいちゃんとすれ違ったとしてもまったく目を向けることもない。眼鏡を外していると、まったく煩悩から離れてしまうので不思議なものである。

 でもかなり視野が狭いらしく、セントラルパークを横断していたら、すぐ横にテレビ塔があったのに気が付いて驚いた。この間完成したばかりのオアシスなんとかというへんてこな建造物も、巨大な輪郭が分かるぐらいで、細かいところはよく分からない。人が倒れていてもそのまま踏んづけてしまいそうな勢いだから、デンジャラスな人間だ。

 仕事があるので再び眼鏡をかけたら、とっても度が強く感じた。景色もゆがんで見える。目が回る。頭痛がし出した。

 夜まで違和感は収まらず。頭も痛い。どうやら、あまり慣れないことはしない方が良いらしい。

10月21日

 またもや、知多半島で仕事があったのでロードスターで向かう。なぜだか知多半島へ行くことが多い。

 次の仕事場へ行く途中、時間があったので名東区の「ハイエース」というホームセンターに寄る。高校生時代にフナ釣りの道具やえさをかった場所。懐かしいなと思いつつ、ぬかりなくカー用品売り場をのぞく。

 すると、すばらしい品揃え。パーツクリーナーの安売りがうれしい。クレのブレークリーン2本498円を2セット買う。オイルコーナーにも、クスコのLSD用オイルなんかが置いてあって、少しマニアックな品がちょいちょいと置いてある。

 棚の一角が目に飛び込んできた。アメリカのオイル「バルボリン(Valvoline)」の直輸入バージョンが大量に置いてあった。ターボ用、オールシーズン用、レーシング用と3種類ラインナップがあるのに、すべて1本(1リットル弱)が398円なのが笑える。一応ポルシェなんかにも使うオイルだから品質には問題ないだろうと、レーシング用のオイルを4本買う。20W-50というなんだか変な粘度である。ジムカーナの前にオイル交換してみよう。QUAKER
STATEがすこぶる調子がよいので、米国産オイルは僕の中ではかなりポイントが高いのだ。

 バルボリンはアメリカのレースを見ると、よくロゴを目にする。たぶん、向こうでは一般的なものなのだろう。ちょいちょいっとWebで検索すると、同じオイルが1リットル2000円の値が付いていた。この値段の差がどこから生まれるのかは知らない。まさか、バッタものというわけでもないだろう。アメリカではオイルを始め、自動車用品はこちらの感覚では激安で売られているらしいから、輸入ルートによっては現地価格で仕入れられるのかもしれない。

 ロードスターとは相性が悪いという噂も聞いたことがあるこのオイル。エンジンが軽いとかパワー感云々より、HLAから音がするかどうかが僕の「良いオイル」判断基準なので、とってもいい加減なのである。

10月20日

 フロントブレーキが、きぃきぃうるさい。もしかしたらパッドがなくなっているのかもしれない、と思って、さっそくジャッキアップ。タイヤを外してみたら、やはり、残り少ない。次のパッドを考えなければ。

 軽井沢ミーティングで買った「RS factory STAGE」製のパッドだ。前後合わせて13500円のパッド。とってもリーゾナブル。いつも走っているミニサーキットなら、まったく不足を感じなかった。お店曰く、間瀬サーキット1分14秒台ぐらいの走りなら対応可能、ということだったので、ラジアルを付けている分には、最適のパッドかもしれない。

RS factory STAGE

 5カ月弱でなくなってしまった。4月上旬にエンジンを交換したときが135000キロぐらいの走行で、今が150000キロ近いので、だいたい1万キロちょっと使ったことになる。やはり、ミニサーキットを連続して走っていると、減りが早い。

 車をいじるときに何が一番いやだったかといえば、ジャッキアップをすることなのである。2000円ぐらいで買った油圧フロアージャッキだと、高さがあるので、そのままメンバー下まで押し込むことができない。車載ジャッキで片側を上げて置いて、突っ込む必要があるのだ。

 しかも、この油圧ジャッキ。長年の使用で剛性が落ちているからか、ジャッキアップをすると、ゆがんでしまう。持ち上げた車が左右どちらかに傾いてしまうので、なるべくメンバーの中央に当てようと、いろいろ試行錯誤しなければならない。

 ある程度持ち上げると、やはり剛性がないから、車が落ちそうで怖いのだ。ウマを当てて徐々にのばしながらじわりじわりとジャッキアップすることになる。

 こんな状況を打開しようと、アストロで買ってきたのがこれだ!

 3トン!のフロアージャッキだ。1カ月ぐらい前にジャッキを物色しにアストロへ行ったら、店のお兄さんが「今日まで安いよ。最後の一つだよ」と、タイミング良く勧めて来たので、考えなしの反射であっという間に買ってしまった。2.5トンのものより安かった。

 低く作ってあるので、今の車高なら、そのまま突っ込むことができる! もう少し低くしても、板を用意してタイヤの下に敷けば大丈夫だろう。

 これがとっても楽ちんで、皿が大きいから、車体が傾くこともないし、いい加減に突っ込んでもそのままジャッキアップ可能だ。タイヤ交換程度なら、ウマも必要ないだろう(危ないか?)。持ち運ぶのに少々重いが、1メートルぐらいの棒で、がしがしジャッキアップしていくのは快感。まったく不安なく持ち上げることができる。

 これがあるから、会社から帰ってから車の下にも潜る気になるのだ。一気に40センチ以上上がるから、前後2回のジャッキアップで寝板での作業が可能になる。安全性も大幅に向上。素晴らしい。

 作業場所は道路に面している。いつも宙に浮いている我がロードスターを見て、近所の人は不審に思っているに違いない。