11月12日

 つまらない会議のために、東京へ行く羽目になった。これだけで1日つぶれてしまうから、朝からやる気が出ない。午後2時からの会議なので正午前に名古屋駅を出れば間に合う計算。どうせ午前中だけでは中途半端な時間になるのだから、まとまった仕事ができるわけもなく、10時半ごろやる気なく出勤。

 のぞみで向かう。1時間半。本当に速い。筑波までロードスターで走ったからどれくらい離れているか実感があるけれど、新幹線だけで移動していると、東京との距離の感覚が麻痺してしまうだろう。

 新幹線に乗っていたら、アポの回答の電話があり、明日11時、六本木に来いという。どうせ会議後にはおきまりの「懇親会」と称した飲み会があるに決まっているのだから、帰るのは午後10時の終電になるはずだ。もし帰って出直すとすると、家に午前1時前に着いて、寝て、翌日再び8時には出かけなければならぬ。急きょ、諏訪に住んでいた某氏に、最近使うようになった携帯メールを送る。すぐ返事が返ってきてOKとのこと。持つべきものは良い車野郎仲間である。

 久しぶりの東京泊だ。よく考えるとここ数年は日帰りしかしたことがない。4年ぶりぐらいになるのかも。

11月10日

 土曜日は朝6時に起きだして、下道で群馬に向かった。国道153号をずっと北上し、岡谷へ抜けて和田峠、内山峡と抜けて群馬入りする予定であった。素直に高速道路を使えば良かったのだが、財布が寂しいので下道を走ろうと思ったのが間違いであった。

 出発時の天候は曇り時々雨。峠での雪が心配だったが、国道であれば融雪剤がまいてあるし、交通量もあるから夏タイヤでも対丈夫だろうと、甘く考えて失敗した。

 まず、愛知県を抜ける前に道に迷ってしまった。いつも使う国道の裏道を走ったら、なんと国道へ抜ける箇所が工事で通行止め! 仕方なく、勘で走ったのがいけなかった。迷いに迷いまくって、さらに通行止め箇所に出くわし、ついには旭高原というえらい高いところにまで上らされ、下ったら矢作ダム周辺の恐ろしく入り組んだ車がすれ違えるかどうかの細い道に迷い込み、本当にどこにいるのか分からなくなって、べそをかいた。タイムロスすること40分ぐらい。

 なんとか国道257号に出ることができ、稲武へ向かって無事国道153号に乗ることができた。ところが、この153号が無事ではなかった。

 電光掲示で「雪 チェーン必要」と出ていたのだが、日も出ていることだし、そろそろ解けている頃だろうと高をくくっていた。しかし、県境を越えて長野県に入り、ロードスター中部ミーティングが開かれる治部坂高原の手前で圧雪路に出くわす。タイヤがネオバでは、雪道の、しかも上り坂は走りようがない。仕方なくUターンする。

 冬の信州に向かって走るなどというなめたまねをするから、こういう羽目に陥る。素直に帰ってスタッドレスタイヤにしようか考えるも、帰るだけで1時間はかかってしまう。

 土曜日に泊まる予定の松本の天気予報を聞いてみる。天気は回復し、日曜日は晴れという。帰りは雪の心配はしなくて良いらしい。なので、257号を岐阜県恵那市に向かって走ることにした。中央道を使おう。こんなことなら最初から高速で向かえば良かった。高速代数千円を浮かせようと考えて、2時間ぐらいの時間と10リットル以上のガソリンを損した。

 高速な何事もなかった。飯田の南あたりに雪が降っているだけであった。岡谷で下りて、和田峠に向かう。山頂の料金所の手前から雪雲の中に突入し、大粒の雪が舞う中をノーマルタイヤで走ることに。まだ、路面に積もる前だったのが幸いして、峠は越えられた。峠を下ると晴れ間がのぞく。本当に峠の周辺しか雪が降っていないのだ。

 厚い雲の合間から見える浅間山の山腹は、薄く雪化粧している。とても11月上旬の風景には見えない。周りの山はすっかり紅葉していて、すでに美しい盛りは過ぎてしまっていた。紅葉の美しさ、というよりは冬の寒々しさを感じる風景だが、それはそれで美しい。ああ、信州って素敵。

 内山峡の上空だけは晴れているので、こちらの峠越えは大丈夫そうである。案の定、群馬側に抜けると晴天であった。山岳地帯は高原ごとに天候が変わる。当たり前のことだが、車で走っていくつも連続して体験すると、面白い。

 肉を食べて、語らった。

11月8日

 何とか仕事を片づけて土日を確保した。明日は群馬で肉を喰らった後、夜は松本で飲むのだ。日曜日はどうしようかしらん。

 例年だとこの時期は考えられないことなのだが、今年は雪を心配しなくてはならない。去年であれば、ぎりぎり美ヶ原に上がれた時期だと思うのだが。安房峠など、長野の標高の高いところでは雪が降っているらしい。スタッドレスタイヤで走ってさえ怖いのに、ノーマルタイヤだと下手をすれば引き返さなければならない。

 天気図をみると強い冬型の気圧配置らしい。雪が降ったらどうしよう。

11月6日

 久しぶりに大量に飲んで胃がおかしかったのだが、夜、職場のボスから「帰るぞ」と、不吉な言葉をかけられた。「ちょっと一杯のどを湿らせてから」。やっぱり。

 「一杯飲む」が「一杯一杯飲む」になってしまうのは言わずもがななのである。

11月5日

 久しぶりに痛飲してしまった。午後6時すぎから日付が替わるぐらいまで飲んでいた。大量のビールに4人で焼酎ボトル3本…。朝、起きたら二日酔っぱらい状態。今日は福井へ行かねばならなかったので、言うことを聞かない体を無理矢理引きずって出かけた。

 いつものように本を読みながら地下鉄に揺られていると、どうやら、二日酔っぱらいから二日酔いの状態に移行してきたらしい。突然、電車ごとジャイアントスイングされているような感覚に襲われ、活字が読めない。それどころか、満員電車の中で、逆噴射しそうな状態に陥る。なんとか名古屋駅にたどり着き、地面を歩くとなぜかすぐにシャキッとする。二日酔いのアンプルを飲んで、和倉温泉行きのしらさぎ3号に乗ったら、再び症状が悪化した。まったく効きやしない。列車が揺れるごとに、地獄の思いをする。

 なんとか、福井に到着する頃には峠を越えて、仕事には支障がなかった。バスで30分ほどのところに行って仕事をこなし、夕方、再び福井駅にたどり着き、せっかくだから朝昼晩兼用で、何かおいしいものでも食べたいなと思うも、7時から名古屋で行かねばならないところがあったのを思い出し、そのままとんぼ返り。

 まだ11月になったばかりなのにこの寒さは何なんだろう。列車の車窓からはすでに雪景色が見えていた。まだ11月なのに。

11月3日

 気が付いたら本編が1カ月更新していない放置プレー状態になっている。つい最近、更新したばかりと思っていたんだけれど、時がたつのが早すぎる。

 休みになると遊びに行ってばかりいるから、ちっとも更新する時間がない。いや、時間がない訳じゃないけれど、そちらに気が向かない。休日、閉じこもっているよりは、ロードスターで走りに行ってしまうのだ。

 松本時代は仕事中の時間を大胆に使って、ネタを書き込んでいた。監視されるような環境じゃなかったから、仕事をしているふりさえすれば、比較的自由に過ごしていられたのだ。

 が、名古屋勤務になって、パソコンを広げる場所といえば、上司が隣に座っている仕事場に限られてしまっている。しかも、座っている席の後ろに、飲み物の自動販売機が鎮座しているので、お偉い様も含め、多くの人が僕の後ろを通り過ぎる。ネットサーフィンですら、なかなか集中してできないのである。迷惑な話だ。

 休日に遊んでばかりいるから、実は引っ越しの荷物がろくにひもといていない状態で両親の部屋に放置してあった。狭い思いをさせてさすがに心苦しかったのだけれど、予定の方からこっちに押し掛けてくるような状態だったので、後回しになっていた。

 財布もガス欠になったことだし、そろそろ荷物を自分の部屋に入れるか、とあまたある段ボール箱を2階の自分の部屋に持ち上げて、荷物を取り出す。多くが書籍類。本棚をひもでくくってつり上げ、ベランダから運び込む。よくもまあ、こんなにため込んだものだな、と自分でも感心するほどの本の量である。自動車関係の整備書やら、参考資料も並び、ようやく見られるようになった。オーディオ類も取り出して配線した。ようやくパソコンの音環境が良くなった。

 車の部品関係の箱は、物置にでもしまっておけばよい。あとは、時間がなくて、周りにあるものを片っ端から突っ込んだ段ボール箱をあけて中を整理すれば終わりである。

 簡単に書いているけれど、整理できていないものを片づけるのが一番時間がかかりそうだったりして。

11月2日

 出勤して気にかかっている仕事をこなそうと思っていたのだが、なんともやる気になれず、洗車してタイヤを14インチに換えて、夕方、ツーリングに出かけた。

 豊田から足助に抜ける。香嵐渓という紅葉の名所を通りかかったが、まだまだ色づきが足りなかった。そのまま国道153号を上っていき、稲武で設楽へ向かう。ここら辺は、なかなか良いワインディングである。ぶっ飛ばしたら気持ちいいのだが、路面もしめっていたので、のんびりのほほんツーリングを満喫する。

 鳳来町から新城、豊橋へ。鳳来町付近で空が晴れ上がっていたので、開幌する。気温5度ぐらいとあって、空は澄みわたり、星がきれいに見えた。松本であれば、夜、いつもの山道に走りに行って、美鈴湖あたりで休憩していると、素晴らしい星空が見えたものだが、最近は名古屋の何も見えない夜空しか見ていなかったので、新鮮な感じがする。

 最近、鬼エンストして調子が悪かったのも、スロポジの配線をきちんとして、噴射マップがかなり狂っていたのを修正したら、調子良く走るようになった。ぎくしゃくしていたのも、マップがでこぼこだったから。ちゃんと調整すればきちんと走る。調子が悪い理由はだいたいが、自分の設定が悪いからである。

 ツーリングをしているとやはり、10k8kのバネは硬すぎる。もう少し柔らかくしようかな。

11月1日

 異動した上、移動しまくっているので、そろそろ財布の中がガス欠しかかっているのに、ロードスターの任意保険の支払いが11月にあることをコロッと忘れていたのを思い出した途端、声にならぬ叫び声を上げて、もんどりを打つぐらいの勢いでそこら辺を飛び回って「大変だ!」と叫んで騒いで走ったものの、やはり保険は車に乗る上での最低限の責任であるからして、仕方なく払うしかないのだが、やはり少しぐらいは抵抗を試みようと思った。

 去年はなんと12万円もの保険料を払っていたのだ。これは車両保険もセットになっていたから。ロードスターを買って5年、ついぞ盗まれることも当て逃げされることも幌を破られることもなかったから、結局、車両保険が活躍することはなかったのである。

 保険のことは、家に出入りしている保険屋さんにすべて任せっきりであったので、車両保険をかけたまま放置状態、掛け金払い放題になっていた。どうせ、10年落ちのポンコツなんか、査定がほとんどゼロに近いだろうから、掛けていても意味がないだろうと、外そうと考えた。

 保険は、損害を補償するだけなので、いくら数百万をつぎ込んで「ふるチューン」した車が盗まれようが燃えようが、保険の世界では世間一般の普通に走る車だけの価値しか認めてもらえない。新車からだんだんと価値は落ち続け、10年もすればほとんどその車に価値は認めてもらえない。いくら谷から落ちて廃車になろうとも、雀の涙ほどしかお金がもらえないのである。これは一般的な車両保険の話で、別の種類の保険なら思い通りのお金が下りるかもしれないが、掛け金も高くなるだろう。

 で、平成4年式の我が愛車の価値はどれくらいあるのか、保険屋さんに聞いてみた。20万ぐらいだろうと高をくくっていたら、60万!という回答が寄せられた。10年落ちの車で60万の価値が認められるのはさすがロードスターである。

 しかし、全損したとして、NA6CEをもう一台買うことを考えると、60万円よりも、もっと安く買えるになってきている。程度の良いノーマルを買うならばもう少し高いかもしれないが、ぶつけてつぶしてしまったとして、最低、ボディーと書類だけついてこれば、自分でこつこつ部品を移植して直してしまうだろうから、ちゃんとしたボディーであればエンジンや駆動系の程度は問わないのだ。今の車が盗まれてなくなるか、燃えるかしなければ大丈夫である。いや、60万がもらえないよりも、車がなくなる方が怖い。補強に、フリーダムに、空燃比計に、MDデッキに、NA8C用部品の数々に…と考えていくと、恐ろしい金額に上ることが分かる。

 60万の補償をいくらで買っているのかを聞いてみたところ、保険金の約半分の5万円ほどだという。車両保険を外してしまえば、5万円保険代が浮くことになる。5万と言えば、下手をすればオーバーヒートした廃車ロードスターが買える金額である。即、車両保険を切ってもらった。

 悪気があって言った言葉ではないのだが、保険屋さん曰く「保険を切った途端に事故に巻き込まれることが良くあるんですよ!」。僕は妄想する。ぶつけられてしまった愛するロードスターから泣く泣く部品を取り出して、交換すべき部品を新品にして、新しいロードスターに組み込んでいく自分の姿を。まるでレストア。一から作ったロードスターに乗れるなんて、とっても素敵じゃないか!

 妄想はついでに激しくチューンしたエンジンを積むところまで発展していったのだが、ふとわれに返ると、こんな考えが思考の片隅からわき起こった。

 「やっぱり僕って普通じゃないのかしら」

 

10月30日

 なぜか東京・霞ヶ関に行くことに。午後4時にアポを入れたから、1時20分の新幹線に乗り、向かう。

 本当に東京まであっという間である。筑波までロードスターで向かったときを考えると、とっても近く感じる。本を読んでいて、気が付いたら新横浜に着いている、という感じだ。

 用事を終わらせて、歩く。日比谷公園を抜けて、あてもなくうろうろと歩いていると、いつしか銀座に。東京についてはまったく土地勘がない。確かに、丸の内線では銀座の次が霞ヶ関だったけれど、公園を挟んだ反対側だとは知らなかった。とっても近い。東京に来て街を歩くと、いつも距離感が狂って困ってしまう。有名な名前の街が密集しすぎである。

 諏訪から東京に移ったB氏を晩飯に誘ったものの、7時以降でないと仕事が終わらないとのこと。10時には列車に乗らねばならないので時間的にきつい。仕方がないから、ほかの友達に電話を入れて、神谷町でメシを喰らった。

 ビールを大量に。帰りの新幹線では、寝ていたら名古屋に到着した感じ。前にも書いたと思うけれど、気が付いたら目的地に着いている、という感覚はとっても幸せな感覚だ。

 一般的な言葉ではただの「酔いどれ」なんだけれども。