立山町もホタルがけっこう出るという話を聞いて、3度目のホタルツーリングに出掛ける。スロポジの問題でエンジン始動があまり調子よくないロードスターは置いておき、インプレッサで向かう。
昆虫王国付近の水田に到着し、車を止めてみると、普通にホタルが水田横の農業用水沿いに1、2匹飛んでいた。山側に車を向け、カーナビの電源も切って、車幅灯だけの光を頼りにのろのろと道を走る。橋を渡ったので、期待を胸に車を止めると、川沿いに無数の光が点々と瞬いていた。午後9時ぐらいが一番元気が良い、という話を聞いていて、ちょうどそのぐらいの時間だったためか、飛んでいるホタルが多い。
土手沿いをホタルの近くまで歩く。人が歩いていっても「我関せず」な感じで逃げないどころか人なつっこい感じで近くを飛んでいく。飛ぶ様も、ゆったりとたゆたう感じで、ぼうっと明るくなって、すっと暗くなる様子と合わせ、幻想的な光景をつくりだす。
橋の欄干に白岩川とあった。その光景だけでかなり満足だったのだが、山手に向かって車を走らす。ちょこっとだけ山に入ったところで再び川があったので車を止める。
川に数匹が。それよりも、隣の水田のちょっと高いところにホタルがいくつも飛んでいるのを発見した。見渡すと水田に隣接した山側の木々の間にたくさんのホタルが。
水辺にいるホタルがなぜ、森の中に?と疑問に思って、何かあるに違いない、と山手に向かって歩いていくと、分かった。農業用水が、山の斜面に沿って少し高いところを流れているのだ。土手をよじ登って水路沿いを歩く。たぶん、地元の人もホタルを見るのか、雑草が刈り倒されていて、青臭くふかふかの草の上を歩く。
山の斜面を少し削って水路が築かれていて、左右には木が生えているから水路沿いが木々のトンネルになっていた。草木の葉に、無数のホタルが止まっていて、携帯電話の照明を消すと、真っ暗闇に光だけが浮かび上がってホタルのトンネルになった。狭い空間のあちこちにホタルが止まっていたり、相変わらずのろのろと飛んでいたりして、違う虫ならば恐怖を覚えるかもしれないのだけれど、光を放つホタルだとなぜか「かわいい」と思った。
あてどもなくホタルを探すドライブに、また行きたくなりそうだ。