金沢の元ボスに金沢駅のビルにできた回転ずし屋で昼飯をおごってもらう。当日の夕方に突然電話して押しかけて、居酒屋でビールを飲みまくったあげく、家にもずかずか上がり込んで泊まっちゃったりした上に、昼ご飯までおごらせるのだから、これはもうたかりである。
お昼を食べて別れて、今度は高岡のKさんに電話。「いまから行きますからFD乗らせてください」と一方的に通告し、高速道路であっという間に押しかけて、ガレージから最終バージョンRX-7のSpiritRを引っ張り出す。ガソリンが空に近かったから、おもむろにロードスターのトランクから携行缶を取り出して勝手に給油。ロードスターはKさんに任せて、RX-7で富山市の車屋さんに向かう。
ロータリーどころか、ターボ車すら運転したこともないので、わくわくどきどきのドライブだったのだが、下道ではそのパワーを発揮しようもなく、不完全燃焼に終わる。高速道路かサーキットにでも持って行かなければ、本領を知ることは無理。
アイドリングはウルトラ静か。僕のロードスターは、げほげほぶるぶると振動しっぱなしで、ミッションからはがらがらがらがらと盛大な歯打ち音がするから非常に不快。山道をいいペースで走っているときは「この車最高!」と思うのだが、町乗りではつらい。
1、2回7000回転ぐらいまで回したが、ビーーーーンとモーターのように回るのは話に聞いていた通り。ノーマルで維持していることもあって、全体的にすごく普通の車。高回転も脳みそが変形するぐらいの加速をするかと思いきや、そこまでではなかった。速いのは確かだけれど。
あっという間に車屋さんに到着し、あれこれ話をしているうちに「まあまあ、ビール飲んで寝ていかれ」と誘われて、100分の1秒ぐらいの刹那は「休日は今日までだし、帰らなきゃ」という考えが頭に浮かんだが、その100分の2秒後ぐらいにはケロリと忘れて、ぷしゅっとプルタブを起こしていた。
一度始まればがんがん飲んでしまうわけで、空き缶の数に比例するように富山の夜はふけていったのであった。