吸排気を少しいじって、ノーマルエンジン+Freedom仕様がほぼ完成した。
昨日のエンジンばらしで、マフラーを棚ぼたしてしまったのだ。マフラーはいままでノーマル以外を使ったことがない。ヘッドをいじったり、エンジンを2基交換したりしてもかたくなにマフラー交換を拒んでいたのである。なぜなら、うるさいマフラーだったら我慢できないから。これまでついていたのは、NA8Cの純正品。ちょうど良い加減に抜けてきていて、アイドリングなどではわりと静かなのだが、回すとなかなか良い音が出ていた。乾いた高音系の音質。
ところが、Freedomで高回転がはじけるように、壊れそうに回るようになって、マフラーを交換してみたい、という思いが募ったのである。ほんの少し太いパイプにすれば、もっと良く回るんじゃないか、と。
そんなことを考えていた昨日、エンジンを抜く車に、社外マフラーが付いているのを目ざとく見つけてしまったのである。「このマフラー頂戴!」とわがままを言ったら、「OK、持って行きな」ということになった。棚ぼた成功である。
1時間ほどでエンジンを降ろした後、マフラーも外してもらった。プレートを見るとHKSのリーガルマフラーである。太鼓の大きさやパイプの形状から、とっても大人しいマフラーに見えた。パイプは50パイか。お手頃なマフラーである。
3万キロほど使ったNA8Cマフラーを取り外して、新マフラー(といっても錆び錆びだけれど)を取り付ける。作業の段階から、エンジンを回したくて回したくて仕方がない。
エンジンを始動すると予想どおり、とっても静か。前のマフラーより若干静かなくらいだ。はやる気持ちを抑えて乗り込み、暖機をすませてからフルスロットル。若干、重低音が強くなっているものの、ノーマルとほとんど変わらない音量。トルクの出方がどう変わっているかを確かめながら回す。
3000回転から5000回転までのトルクが上がった気がする。これまでは5000回転から突然、取り憑かれたように段付き加速をしていたのだが、その段付きがほぼ消えて、3000回転あたりから、リニアに回転が上がっていくようになった。5000回転の段付きがさらに強調されることを狙っていたのだが、逆効果。けれども、こっちの方が速そうである。
これまでの固定観念では、マフラーを太くすると中低速がスポイルされて、高回転側にパワーバンドが変わる、と思っていたけれど、まったく逆の現象が起きてしまった。高回転側の吹け上がりはそのままに中低速のトルクが出た感じ。60パイの太いマフラーだとまた変わってくるのだと思うが。
ついでに、吸気の取り回しも変更した。これまで、エアフロを取っ払った場所にエアクリーナーを直づけしてあったのを、エンジン前にひょろ長く伸びているクスコのアルミ製吸気管を取っ払った。インマニにエアクリーナーを直づけしたのである。Freedomをまだ信頼しきっていなかったので、いつでもノーマルECUとエアフロが取り付けられるようにしてあったのだが、標高の高いところへ行っても大丈夫になったし、エアフロのお世話になることもしばらくないだろう、と判断した。エアフロ、パイプがなくなったエンジンルームはかなりすっきりした印象になる。
これが大成功で、全域でトルクがアップした。それこそ、2000回転から明らかにトルクが増している。3速4000回転あたりでアクセルを踏み込むと、車がちゃんと前に出るのだ。NB8に乗っている人ならギア比の違いもあって当たり前だろうけれど、ノーマルNA6CEだと、このあたりの車速で加速しようとするとギアの選択を迷うのだ。2速にすると、すぐ吹けきってレブリミッタに当たってしまうし、3速だとアクセルを踏んでもあまり前に進んでいかないから。
今では3速3000回転でも十分な加速力がある。吸気音もパイプ全体が振動するような「ガロロロロ」という下品な音から、「フバッーァーン」(文字で表すと難しい)という何ともその気にさせてくれる音になった。高回転ではスロットルバルブが空気を切り裂く音なのか「シュー」という音も加わる。
ノーマルエンジンでも吸排気とコンピューターでここまでトルクが出るようになるという新発見をしてまさに感動している。面研1mmとかをやるのが馬鹿らしくなるくらい。4連スロットルも必要ないかな、と思うくらい。自分で欠陥があるかもしれないエンジンを作って載せるのが馬鹿らしくなるくらい。