なぜか朝4時30分に起きて、日比野の市場へ行った。魚部門に。
朝の市場は戦場である。発泡スチロールに入れられたお魚がうずたかく積み上げられた合間を、魚を満載した荷車を押す殺気だったお兄さんやおばちゃんが無言で足早に歩いていく。うかうかしていると、軽トラやフォークリフトにひき殺されそうになる。あたりは相場や在庫を確認する声が飛び交う。
ちょっとした物陰で、包丁で魚をさばく人や、ごろごろ転がる大きなマグロ。水が張られた箱にはまだ生きているヒラメがうごめく。サワラや巨大なタルイカといったものも、市場で見ると小さく見える。抱きかかえるぐらいの大きさなのに。魚のにおいも、市場だと生臭さは感じない。
みんなゴム長にエプロン姿なのに、スーツ、革靴姿の人間が歩き回るのはかなり場違い。白衣を着た保健所職員にはかなわないけれど、とっても目立ってしまう。
朝早くに起きたので午後5時すぎには帰っちゃおうとたくらんでいたのに、こんなときに限って仕事が入り、さらに飲みに誘われてしまうのだ。ビールを大量に飲んで、睡眠不足もあって半ば意識不明で帰宅したのが日付が変わった頃。