7月11日

 なぜか仕事場に届いたNikonのD1を触った。

 デジカメは基本的に信用していない。ある瞬間を撮らねばならないときh、デジカメの持つタイムラグが致命的なのだ。時間にしてコンマ何秒の世界だが、失敗が許されない場合、これが異常に長い時間に感じられる。しかも、オートフォーカスや露出に手間取って、なかなかシャッターが下りないことがある。今使っているNikonE5000の場合、スイッチを入れて数秒待たねばならない。これは問題外。あ、この瞬間と思ってカメラを構えたのに、ジーと数秒間待たねばならないのは、何とも間抜けである。

 デジカメは画面で確認できるから、便利じゃないか、と言うかもしれない。けれども、NikonF90xで写真を撮った場合、「あのカットは使える」という手応えがある。何百枚も何千枚も撮影した経験があるから、手応えを感じてそのカットが使えないことは、ほとんどない。逆に、「使えるカットがない」という手応えを感じることもあるけれど。

 NikonE5000で暗い場所だったりすると、なぜかシャッターを押しても切れないことがある。この場合、AE、AFロックを駆使するんだろうか。けれども、1眼レフであれば、オートフォーカスさえマニュアル(悲劇的に使えないので使っていない)にしていれば、何も考えずに押したその瞬間にシャッターが切れる。少々ピントが甘かろうがその瞬間が写っていることが重要なのだ。E5000の場合、マニュアルのピントは距離でだいたい合わせるしかないので、これも問題外。

 さてD1である。今はD1xという後継機が出ているので、型落ちに当たるが、これが本当に素晴らしかった。F90xと遜色がないどころか、すべてに置いて上回っているかもしれない。レンズの焦点距離にして1.5倍程度画角が狂うのが気になるけれど、それ以外は本当に使いやすい。撮影のために必要な設定はほとんどがダイヤルやスイッチで変えることができる。その使いやすさも秀逸。1眼レフ最高峰のF5をベースにしているから、当たり前と言えば当たり前なのだが、手に取ってその操作感を味わってしまうと、がぜん欲しくなってしまった。

 けれどもカメラ屋さんで50万弱というこの価格。中古のNA6CEより高いなんて。