ジムカーナで自分勝手に定めた課題は、カウンターを当てるか当てないかの領域でのコントロールだった(派手に横を向けて走るのもあこがれなのだが)。普段、コーナーで切っているステアリングよりも少ない量で、アクセルで車を曲げるイメージ。公道ではなかなか練習できないことを試そうと、意気込んでコースインしたのだが、雪道でしかやったことのないこと、当然、うまくいかなかった。
道路と違い、パイロンを目当てに走るので、どこをクリップにして走ればいいのか、どの段階で、どちらに車が向いていればいいのかがよく分からなかったことも敗因の一つ。ラインも定まらないのに、走り方ばかり気にしていた上、タイムまで気にしていたら、目標も曖昧になり、何がなんだか分からないことになるに決まっている。
午前中はなにがなんだか分からないまま終わり、午後になって、アクセルコントロールで車を自在に曲げることができる人を助手席に乗せて走ったら、「何がやりたいのかは何となく分かるけれど、オーバースピード。普段の道ではやらない走り方だから、次は抑えてスピードを殺して走って」とアドバイス。実にまっとうな意見なのだが、走り方としては極めて普通で面白みに欠ける。まあ、踏みたいのを抑えて走ることもコントロールで、速さなのだけれど。
公道をイメージしてコースイン。絶対にお尻が出ないよう、アクセルを踏まずに我慢する。一番スピードが乗るところでは、早めにブレーキをかけ、スピードを殺してからタイトなコーナーを無難に曲げる。これで一気に3秒ぐらい上がった。しかし、欲求不満である。
そういえば、ショックのセッティングをいじってなかったので、固めに調整する。これで挙動がかなり安定した。一番スピードが乗る場所では、かなり突っ込んでもまだまだいけそうであった。助手席から「オーバースピードだ」という声が聞こえたものの、もう少しいけると突っ込んだら、車が横っ飛びした。一気に失速して、その後はメロメロ。やはり、理性を失ってはいけない。
一番の課題は360度のターン。うまい人は前荷重にしてからサイドをがつんと引いてリアを流し、パイロンに吸い付くようにくるりと円を描いてクリアする。僕は、前荷重が作り出せずに、ハンドルだけ多めに切ってしまうので、どアンダーとなって格好悪くふくらみ、後半だけパワースライドさせ、楕円形を描いてクリアする。ここだけで1、2秒の差がついてしまうようである。練習あるのみ。
不安だったVスペシートも別に苦にならなかった。重ステは、タイトなコーナーではさすがにキックバックが強烈で、ねじ伏せるような力が必要であった。タイムを狙うならパワステだろう。
もっとうまくなるゾと、心に誓った走行会であった。