1月14日

 なぜか、韓国料理について偉い先生の講演を聞いて勉強してきた。身近な食べ物が韓国から伝わった文化だったんだなあ、と感心した。

 肉を直火であぶる「焼き肉」は、昔の日本にはなかった料理法だったらしい。確かに、日本は昔、とり肉かうさぎぐらいしか食べなかったんだよなあ、と今さら思い出す。焼き肉が一般になったのも戦後だとか。それがいま、外食産業のトップ。すごい勢いで席巻している。キムチも梅干しを抑えて、漬け物の中でトップの消費量に上り詰めているという。

 キムチなど、韓国料理に欠かせない唐辛子は、文献によると、日本から伝わったという。古来から使っているように思えるけれど、根付いたのはここ300年といったところらしい。韓国料理が辛くなって、まだそれほど時代が流れていないという。意外な気がする。

 韓国でははしを使っているものだと思っていたら、さじの文化だそう。基本的にさじで物を食べて、水気のないものだけはしを使う。そういえば、クッパや、石焼きピビンバはさじを使うことを前提としている。さじを使うから、器は机に置くようにできていて、大きく重い。日本みたいにお茶碗を持ってはしでかき込んだりしないらしい。机の高さも、日本は器を持つから低めにできていて、韓国だと胸のあたりの高さらしい。

 韓国ではおかわりをしない。古くは残す文化だったらしい。「食べきれないくらいいただきました」という感謝を表しているのだそう。今では廃れつつあるけれど、お年寄りはまだこだわっているらしい。

 ワールドカップを共催する隣の国なのに、知らないことが多かった。国が違えば事情も違う。「やはり実感しなくちゃ、勉強した意味がないよね」と、講演会の会場で出されたチャンジャやチヂミ、韓国のり、うるち米でつくった餅を牛骨スープで煮込んだ「トック」、キムチなどを、腹一杯食べたことは言うまでもない。