北陸のロードスター乗りならば、おわらと言えばおわらサーキットのこと。が、全国的には民謡行事の「おわら風の盆」ということらしい。
とにかく、知名度が上がってきて、全国から人が来るようになったものだから、その混雑ぶりも有名になってしまった。9月1日から3日間の行事に、20万人以上が訪れるという。八尾の街中の狭い通りを使って踊っているのに、ギャラリーが万単位で訪れればどんなことになるのかは想像に難くない。とにかく、車で行こうものなら渋滞で駐車場にたどり着くまでに大変な思いをし、駐車場から町まで歩くのに大変な思いをし、たどり着いてからも細長い町は意外に懐が深く、坂道を歩き回らねばならない。とにかく大変で、気軽に見に行こうというものではないのだ。
そんな感じで、ことしも行けないな、と思っていたのだけれど、ふと考えると、来年9月に富山に住んでいるかは分からないのだ。仕事が終わってふらりと行く、ということはできなくなるのだから、無理をしてでも行ってみようと、車で向かう。
到着した3日午後11時は、ちょうど公式には行事が終わる時間。が、観光客でごった返す中の踊りで飽き足らない人たちは、夜中に自発的に出てきて踊っていて、それこそ風情があるという。次の日も仕事なので深夜までいるわけにはいかないが、それぐらいの時間に行けばまだ踊っているだろうし、観光客も引けてきているだろうしと期待して八尾の街中にたどり着くと、なんのまだまだ観光客でごった返していた。
激しく興ざめだったけれども、それでも胡弓と三味線、太鼓に唄い手と囃子の声の哀愁を帯びたハーモニーに勇壮な男とたおやかな女の踊り手。多くの人が見に来たがるのも分かるなあ、と納得。
人の家の軒先に寝っ転がってまで夜中の踊りを見たい(撮りたい?)気持ちはあまり分からなかったが、また行きたいと思わせる街並みだった。また、散歩にでも出掛けよう。