9月26日

 新幹線の建設で現在もめている新潟県と富山県。トキめき国体の開会式で、富山県知事が新潟県知事と同じ場所に行く、という情報を得れば「行くしかないでしょ」と上司を説得して、富山での仕事を放って置いて新潟県に出掛けた。

 間瀬サーキットの会員に1カ月に1度送られるスケジュール表によれば、27日(日)の午前中は、会員のため(非会員でも走れるけれど)の走行枠が3枠あった。おわらサーキットでセッティングを取ったのだけれど、やはり正しいかどうかは戦場で確かめなければならないでしょう、と、走行することに。そんなことを考えていた金曜日に「仕事で新潟に行けるかも」という情報が舞い込んできたので、迷うことなく「行きます」と志願したのであった。もちろん、雅久号で出張して、帰りがけに間瀬で走ってこようという魂胆である。行き帰りの出張旅費を会社に請求してしまう、という裏技があることは、ここでは伏せておく。

 朝一番で工場に出掛け、スーツ姿の自分をバケットシートに押し込めて、トキめき国体の開会式の会場近くまで、雅久号で出掛ける。

 国体の開会式って天ちゃんが来る。国内随一のVIPなわけで、競技場周りには警官がうじゃうじゃ。事前に申請していなかったので、会場に入れないことは分かっていたのだけれど、何とか知事にぶら下がれないかと会場周辺に出掛けるも、上空にヘリコプターが数機飛んでいるわ、沿道には警官や警備員がうじゃうじゃ立っているわで、やばい雰囲気。だって、ステカー張りまくりだし、GTウイングも付いていて、まともな車には見えないから。

 たんぼ道から競技場に近づいて、高速道路の高架下に車を隠し、歩いて競技場に向かう。途中、警官にすれ違うが堂々と歩いていれば大丈夫。それでも、入り口ではパスの提示を求められ、国内最VIPが来ている会場に、突然来た僕はお呼びじゃない雰囲気だったので、あきらめて次の会場に出掛けることにする。

 歩いて戻るのだけれども、ここであることに気がついた。ジャージみたいなイージーな格好でリュックサックを背負って歩いている人たちは皆、耳にイヤホンを付けている。私服の警官だった。会場に入れずうろちょろしている僕は怪しい人間に違いなく、散歩していたら私服な警官につけられた。やましいことはないから堂々歩いていればよいのだけれど。いや、車がやましいから、ついてきてほしくはない。何とか、会場から離れて車に戻ったら、正面から怪しげな人がこちらを伺っていた。にらみ返したら、どこかへ行ったところをみれば、やっぱり警官だったのだろう。

 ぼーんと、怪しげな音を出して会場を後にし、次の会場のホテルへ。遠回りしてやばい道を外したつもりだったのだが、どうもドンぴしゃな道を選択したらしく、沿道には100メートルおきに制服警官と私服警官がうじゃうじゃ立っている。そんな人たちの視線が突き刺さる中、ぼーん、と怪しい車高で通り抜ける。ま、テロやるつもりだったらわざわざ目立って行くはずはないので、警察に呼び止められないためには、雅久号でかえって良かったのかも知れない。

 萬代橋たもとのホテルなので、信濃川北側の駐車場に雅久号を止めて歩いてホテルに近づく。国道7号沿いとかは、まじで職務質問されそうで近づけない感じであった。

 とりあえず、時間があったので、萬代橋を歩いてわたってその先の伊勢丹方面へ。伊勢丹に用事があるわけもなく、歩いて新潟駅へ。再び歩いて伊勢丹方面に戻り、万代シティのマクドナルドで時間をつぶす。そろそろ時間と夜に出掛けるも、県の担当者に電話を掛けたら「自分の口からは言えません」などとわけの分からないことを言われて切られてしまう。まあ、いいや、知事を出口で待って捕まえれば、と思ってSPがうじゃうじゃいて、そいつらの視線が突き刺さる中、ずっと待っていたのだけれども、知事は出てこず。たぶん、待っていたのとは別の出口からすでに帰ったっぽい。

 出張してきたにもかかわらず、成果ゼロの空振りで終わった。まあ、仕方がない、長岡あたりに泊まって翌日午前は間瀬で最終調整だ、と思っていたら、お誘いしたT氏曰く「走行会が入ってるぞ」だと。なんと、会員に送ってもらった情報後に走行会が入ったらしく、本当に走れないとのことだったので、危ない橋を渡って雅久号を新潟に持ち込んだのに、その日のうちに、雅久号に乗って帰る羽目に(ioi)。

 オーバーホールしたHLAがちゃんと機能するか検証できたので、よしとしよう(涙)。