9月23日

 おおとろ亭のちゅうとろ君(5つ)と最近、自転車で遊んでいる。

 早いもので来年春には小学校へ上がるちゅうとろ君。赤ちゃんのころから知っていると、けっこう感慨深いものがある。特に4つのころから「友達付き合い」している僕としては。

 1年前は、なにを話しているのか分からなくコミュニケーションが取れないこともたびたびあったが、最近は大分人間らしくなってきた。一人の人間としてコミュニケーションが取れる感じ。わずか1年で立派な口利きをするようになるのだから、子どもの成長ってスゴイ。どうやら、かなり陽気で愉快な人間に成長していく模様。

 相変わらず、グランツーリスモが得意で、1年前はオーバルを走るのがやっとだったのが、今はフェラーリF1を駆って鈴鹿を1分35秒ぐらいで走るようになった。正直、グランツーリスモをやったことがない大人はまったく太刀打ちできないぐらいの腕前。というか、オーバルコースのうまさは舌を巻くほどで、かなりの腕前の大人でもびっくりするほどになっている。もちろん、左足ブレーキ。

 そんなレーシーなちゅうとろ君なのだが、最近、あることに気がついた。昨年はわっぱ付き自転車に喜んで乗っていたのだが、雪シーズンになって中断した後、一緒に自転車で遊んでいない。

 せっかくバーチャルな世界で大人びっくりのドライビングを披露するのだから、やっぱりリアル世界でレーシーな体験をしてもらわなければ、と日曜日、久しぶりに一緒に自転車に乗った。大人の僕が久しぶりなのだから、幼稚園児のちゅうとろ君にとっては新たな体験と言っても良いぐらいの世界だろう。

 すでにわっぱなし自転車を乗れるようになったちゅうとろ君。だが、まだまだおぼつかない感じ。真っ直ぐもふらふらと走るし、コーナリングなんて、こけてしまう。

 とりあえず、だらだら一緒に走っていても成果が上がらないので、工場横のスペースに目印のタイヤを置いて、特設コースをつくった。コントロールラインを通り、ホームストレートを駆け抜け、ハイエースとべいべNB号の駐車した間を縫うように走る「ハイエースコーナー」を設定。その後は、水たまりの中を走らなければいけない「水たまりコーナー」。僕のデミオの後ろにタイヤを置いたというだけで銘々された「デミオコーナー」、その後はバックストレートを走って最後にヘアピンカーブを抜けてホームストレートに至る全長50メートルぐらいのコースである。

 せっかくコースを走るのだから、タイムを計る。携帯のタイム計測機能を駆使しながら、「ライコネン」のちゅうとろ君を「マッサ」のまさが追いかける設定で。

 最初は、ハイエースコーナーでタイヤに激突してこけたり、バックストレートでスピードを出しすぎてバランスを崩して、ひどいこけかたをしたりしていたのだが、ぐんぐんと腕を上げるちゅうとろ君。こけて体のあちこちを打ち付けて「痛った」とうずくまるぐらいのダメージを受けても、回復したらコースに復帰するちゅうとろ君。普通なら痛い思いをしたら泣いて親の元に行って「もういやだ」と言って投げ出す子だっているはずなのだが、こけてもこけても再び走ろうとする根性はすごい。

 タイムを読み上げながら「この周はペースが上がらない」とか「マッサがライコネンのインを刺す!!!」などと実況中継をしながら走っていたら、本気で走り続けるちゅうとろ君。30分ぐらいぐるぐると走り続けるうち、スピードを出してもこけることなく、さらにヘアピン手前ではロック寸前のブレーキングとナイスな立ち上がりを見せるまでに上達した。大人ではまずできない適応能力はただただ舌を巻くばかり。

 それで今日、火曜日。仕事をさぼっておおとろ亭に顔を出すと、子どもとしてはあり得ない猛スピードであちこち走り回るちゅうとろ君の姿が。当然「一緒に走ろ」と誘われるわけで、仕事をちゃちゃっと片付けてコースと設定して再び一緒に走った。

 明らかにスピードが上がったちゅうとろ君。ちょびっと難易度を上げたコースでも、前より3秒は速い。が、コーナー中に砂がたまったところにタイヤを乗せて転がったり、ステアを切りすぎて転がったり。前よりスピードが上がっているからかなりダメージもでかい。「うう、痛った」としばらくうずくまるのだが、30秒も待っているとケロっと立ち直って再び走り出す。走りに対する意欲は素晴らしい。

 もう、ポケバイぐらいなら乗れる気がする。マシンに乗る日は近いカモ?