9月20日

 朝一番で旧大山町役場で仮ナンバーを取ってくる。さっそく、耐久用ロードスターに取り付けて、テスター屋さんの場所を聞いて出発。

 そういえば、ノーマルNA6CEに久しぶりに乗った。ぐにょぐにょした足回りに、手ごたえのないステアリング、段差でぶるぶる震える車体がけっこう怖いけれど、普通にドライブする分には、これぐらいがひらひらした感じで楽しいのかもしれない。

 富山運輸支局近くのテスター屋さんに行き、一通り見てもらう。ブレーキ検査にスピードメーターの測定。スピードメーターはローラーの上で普通に走り出して、時速40キロになるとブザーが鳴る仕組み。「ロードスターだとメーター読みで42、3キロぐらい」と事前に聞いていた通り、42キロぐらいだった。排ガスも問題なし。灯火類も問題なし。サイドスリップもOK。光軸はやっぱり少しずれていたので調整してもらう。下回り検査でテスタ屋のお兄さん曰く「どこかで見てもらいました? 下回りがすごいことになっていた跡はあるんですけど、とってもきれいになってますね」。車屋さんの配慮ぶりに頭の下がる思い。

 4000円を支払って運輸支局へ。3番窓口に書類を提出。顛末はまた書こうかと思うが、素人ではすぐに理解できないぐらい書類の種類と窓口があって大変だったので、事前に税金や手数料の印紙も含めてそろえてあった。走行距離を書くのを忘れていたのと、譲渡証明書に自分の名前を書くのを忘れていたぐらいですんなりとハンコをもらう。「次どこ行ったらいいですか」と聞くと「ぐるっと後ろから回ってそこでまた聞いて」とのこと。書類を受け付ける人と車検証を出す人、検査を担当する人が見事に縦割りで、お互いの業務をよく知らないらしい。ここら辺が危機意識のない場所に務める公務員っぽい。

 言われたとおり、ぐるっと回るとそのまま検査ラインへ突入してしまったので「3番を通って」というテスター屋さんの言うとおり、3番ラインに並ぶ。ロードスターの場合、ヘッドライトを下ろしただけで光軸がずれるようなので、絶対に上げっぱなしにする必要あり。クーラーが壊れていたので、窓とリアウインドを全開。排ガス検査のためにはアイドリングしていた方がいい気もしたが、炎天下だったのでオーバーヒートで変なトラブルが出たら困るからエンジンは止めた。

 10時15分ぐらいから並んでいたのだが、ちょうど休み時間だったようで前の車はぴくりとも動かない。

 10時半にラインが再開し、少しずつ前に進む。隣のラインでは、検査員のおっさんがハンマー片手にやってきて、灯火類などのチェックをする。ラインに並んでいるのはみんな業者なので、慣れたもので「ライト」「ワイパー」「バックライト」などという指示と同時に操作していた。隣の車が窓を開けていたら「窓閉めて」と言われていたので、あわてて窓を閉めた。こういうときに限ってレギュレーターのワイヤーがぶちっと切れるかもしれない。

 30度は超えているので暑くてたまらない。そのうち、僕のラインでも検査員のおっさんがやってきた。僕の車の番になったら「ユーザー車検デス!」と大きな声でアピール。そのために、TシャツにGパンでやってきた。間違っても、素人はつなぎで行ってはいけないと思う。

 素人とアピールしたおかげで丁寧に対応してくれた。灯火類をチェック。ハザードのチェックでは間違えてリトラクトのボタンを押さないようにと緊張した。前で一通り終わると、左側の前後ホイールのナットをかんかん叩きながらリアへ。リアでも一通り灯火チェック。車を降りて書類を渡し、エンジンフードを開けて、車体番号をチェックしてもらう。

 エンジンの打刻をかなり細かく見られた。こっそりBPなんて積んでいると、間違いなく通らない感じ。サスペンション回りをけっこう熱心にチェックしていた。純正ダンパーのブーツ破れを指摘されないか、かなりどきどきしたが、そのまま通してくれた。

 ラインに入る。最初は排ガステスト。ボタンがたくさんあって、まったく訳が分からないし、時間も限られているので、近くにいた検査員の人に「ユーザー車検ですぐぁ」とアピールして助けてもらった。素人には親切に接してくれる。プローブをマフラーに差し込んで、上の電光掲示板を見ていると、表示が「検査中」に変わり、OKが出た。近くにある記録機に自動車検査票を差し込んで、がちゃこんと○をもらう。

 テスターに進入。フロントとリアのブレーキテスト。何をしなければならないかは電光掲示板で指示されるので迷うことはない。「ゆっくりブレーキを踏む」と表示されたので、床まで踏み抜けそうなぐらいのハードブレーキングで対応。「○」の表示にホッとする。サイドブレーキのテストでも「ゆっくり引く」と出たので、ワイヤもちぎれろとばかりに引っ張ったら「○」と出た。スピードメーターは42キロぐらいでパッシングをして問題なく合格。

 光軸も一発OK。機械で精密に測定するので、車高が変わっていたら絶対にずれている。素直にテスター屋に寄った方が良いと思われる。

 最後にピットの上に車を進入。下回りをチェックしたり、車体を揺すったり。横のボックスにいたお兄さんが、すべて指示してくれたから問題なく対応できた。出口にあるボックスにいるおっさんに書類を渡し、スタンプをもらって検査は終了。あとは、車検証をもらうだけ。「1番窓口に行ってね」と教えてくれた。

 1番窓口で必要な書類を提出。10分ぐらいで車検証が出てきた。別の事務所に行き、自動車税を払ってナンバーを買って、車体に取り付けて、封印を付けてもらって終了。業者が車検代行料を取るのもうなずける。

 お昼にはナンバーを付けて戻ることができた。お昼ご飯を食べに行き、そのままおもむろに内装や幌の撤去に取りかかった。