9月15日

 朝、起きたら体中がめりめりと悲鳴をあげていた。さすがに、昨日のツーリングはきつかったらしい。自分のペースで走る650キロと違い、助手席を意識しながらの650キロなので疲労度が違う。一人で走ったのだったならなんともなかったのだろうけれど。

 大阪で午後3時から仕事があったので12時には家を出なければならない。が、昨日さぼった仕事を進めないといけないので、少し早めに起きて、ぼちぼちと取りかかる。疲れているときだから、まったく能率が上がらない。

 仕方なく、新幹線の中でも、パソコンを広げてぱちぱちと仕事をしていた。さながら、敏腕ビジネスマン風のシチュエーションだが、遊びすぎたつけを払っているに過ぎず、服装もよれよれのシャツにジーパンなのだからさまにならない。

 新大阪から梅田。阪急で豊中へ。仕事だか趣味だか分からない時間の過ごし方をして、午後8時ごろ、帰途に就く。

 ここで不吉な情報を入手した。阪神の優勝が決まった、とのことである。阪神が優勝するのは一向にかまわないし、おきまりの巨人が優勝するよりはなんとなく晴れがましい気分になるのだが、今から梅田を通らなければならないのである。すでに阪神ファンの騒ぎが始まっているに違いない。

 果たして御堂筋方面は身動きできないほどの人が集まり、歩道橋の上もびっしり。大変、緊張を覚える状態になっていた。六甲おろしの大合唱。発煙筒を振り回しながら走り回るヤンキー車。タイガースの応援グッズに身をまとった人が多かったということは、甲子園から戻ってきた連中だったのかもしれないが、異常なハイテンションで、さめた人間からすれば、怖いだけの状況であった。

 そそくさと新大阪に逃れて、新幹線へ。東京行き最終ひかりの自由席は虎ファンで一杯だったので、あきらめて次のこだまに乗ることにする。

 さすがに疲れが出たらしく、気を失って気が付いたら名古屋だった。