今回のサーキット走行会での目玉は、10k8kのバネではなく、タイヤだった。これまでずっと純正14インチのBBSを付けていたのを、譲ってもらったワタナベの15インチにしたのだ。NA6CEには14インチが似合うと一人で勝手に思っているので、あまり変える気がしなかったのだが、サーキットを走っていると、あの手この手を使ってみたくなるのである。
Vスペシャルにはワタナベ、という思いはずっと持っていた。見た目のバランスとしては14インチが良いのだが、同じサイズのタイヤを持っていても仕方がない。ホイールは高いし、しばらくは14インチかな、と思っていたところ、富山の方が15インチワタナベを余らせている、と聞いて即金で譲ってもらったのである。
サイズは195/50R15。銘柄はぎゅーん。やっぱり、14インチがかっこいいな、と思いながら取り付けてみると、これもなかなか格好良い。ちょいと余分にスパルタンな感じが出て、それがロールバーと相まって、具合がよろしいのである。
さて、走行会。付け替えてすぐサーキット走行だった。コースインして、正直、びっくりしたのである。こんなに違うものなのか、と。
バネが固くなったこともあるけれど、それだけではない。明らかにこれまでとは異質な横Gを体に感じ、狙ったラインに車がすっと入ってゆく。14インチの感覚で走っていると、切れ込みすぎて乗らなくても良いイン側の縁石に乗ってしまうぐらい。以前、15インチの人の助手席に乗って「次元が違う」と自分の腕のなさを反省したのだが、タイヤの違いも大きかった気がする。それくらい、明らかに違う。
コースインして4周目でこれまでの最速ラップを0.2秒更新した。しかし、14インチとは明らかに違う操作を要求される。慣れないととってもじゃないけれど、タイムを削ることが出来ない。練習しようと、Freedomが長時間のスポーツ走行でも不審な動きをしないかも含めて、しばらくタイムを考えずに様子見で走ることにした。
これまで、14インチのネオバでは、連続走行4周あたりで明らかにグリップが悪くなるのが分かった。真夏だったからということもあるけれど、1回の走行(1kmのコースで30〜40周)で極端な減り方をしていたので、かなりタイヤに無理をさせて走っていた気がする。おまけに操作も忙しかった。足回りがノーマルビルシュタインだったことも関係しているんだろうか。
これが15インチだと、忙しかった操作がオンザレールの動きになって狙ったところを走れてしまうので、楽ちんになってしまった。グリップの低下もそれほど感じない。パワステがないから、タイヤを太くすればそれだけ体力を消耗しそうだと想像していたけれど、ステアリングを忙しく動かさなくて良い分、楽だった。ただ、すべてのコーナーでブレーキングポイントやステアリングの切り方が微妙に変わってしまったので、思うとおりに走るにはしばらくかかった。
午前中の慣らし運転が終わり、連続走行したからかなりタイヤが減ってしまったと思ったけれど、ほとんど減っていなかった。きついコーナーばかりのミニサーキットでは15インチの方がコスト的にやさしいかもしれない。午後からは雨が降ってしまったので、ひたすら横を向く練習をする。
雨が上がって路面が乾き始めたところで、今度はドライ路面で滑っていたら、最終コーナーでまだ濡れていた路面につるっとすべって、そのまま縁石を乗り越えてコースアウトしてしまった。タイヤがホイールから外れてしまったのは、前の日記に書いたとおり。
最後はタイムアタック。14インチで走っていたときように、15インチでは走ることが出来ない。まだまだ走り込みが必要だと感じたので、練習と割り切った。ところが1周走ったところでエンジントラブル。赤旗を出してしまう。不動車を押してくださったみなさん、ありがとう。午前中の練習の成果を見ることが出来なかったのが残念であった。
15インチのインプレッションと言えば、14インチで走っていたときの方がさまざまな苦労をしていた分、楽しかった。15インチのタイヤで「楽しい」と思うまでは、まだまだ走り込みが必要そうである。