Freedomの調子がとっても良いので、これならバックアップで純正のECUを付けておくこともなかろうと、純正ECUとFreedomを入れ替えた。空燃比計も隣に置く。電源をきちっとした場所から取り、空燃比の表示パネル以外はすべて見えないところに設置した。炎天下の中でやったから、ものすごい量の汗を噴き出しながらの作業である。Freedomの中に汗が入らないかどきどきしながら作業をした。
いざというときのために、やはりドライブのときにはエアフロと純正ECUを積んでいくことになるのだろうけれど、配線がすっきりしてとてもよろしくなった。これも、最初から安定してFreedomが動いてくれているからである。ま、セッティングの最中は助手席にパソコンが鎮座することに変わりはないのだけれど。
5000回転ぐらいから、カムに乗ったようにもりもりとトルクが出る半面、3000回転から5000回転ぐらいのトルクが薄いな、と感じていたら、5000回転以下あたりの目標空燃比が薄い状態であった。ガソリンが少なければ、トルクも出るわけがない。燃費に気を使っているんだろうけれど、純正ECUのときでもこの領域を濃くしてそれほど燃費が悪くなった覚えはないから、出力空燃比にセットした。
すると、3000回転から8000回転まで、まさにフラットなトルク、というかフラットな吹け上がりが実現してしまった。まだ濃い領域があるからしばらく学習させないといけないけれど、だいたい良いところに来ていると思われる。しかし、かえって段付き加速していた方が「面白い」エンジンのような気がしてしまうのは、やはり車好きの病的なところか。
昔は今のようにコンピュータをいじって全域で調子を良くするなんて芸当はできなかっただろうから、かえって「カムに乗る」吹け上がりが強調されていたのかもしれない。いわゆる「低速がすかすか」という現象も強く出ていたんだろう。コンピュータさえいじることができれば、ある程度まではフラット吹け上がりを実現することができる。
しかし、コンピュータをチューンして、調子を良くすれば良くするほど、悪い言葉で言うと「つまらない」エンジンになってしまうこの不条理さ。速い、速くないで言えば、フラットに吹け上がった方が速いに決まっているのだろうけれど、「優等生」なエンジンは、魂に訴えかけてくるものが薄いかも。わざと段付き加速させるようにした方が、乗った者を「その気」にさせてくれるのかもしれない。
ノーマルコンピュータでハイカムにするよりも、コンピュータをチューンした方が全域で良くなる気がする。ま、ハイカムに合わせて圧縮比を設定して、コンピュータをチューンするのが最適なんだろうけれど。そこまでやると、普通に4、50万かかってしまうから、普通の人間はやはりコストとバランスを考えて妥協するしかないのだろう。
いつまでもエアクリレスは怖いので、バイク屋の南海部品にキャブレター用のエアクリーナーがないか探しに行った。10年ぐらい前に兄貴に連れられて豊田の南海部品に行ったことがあるから、ドライブがてら豊田に向かう。ところが、豊田にはもう無いらしいことが判明。仕方がないから、バイク雑誌で調べて名古屋市緑区の国道1号近くにあるお店へ向かう。
キャブレターのファンネルにかぶせるようなエアクリーナーを求めて走ったのだけれど、置いていなかった。仕方がないから、汎用のエアクリー用スポンジを買う。縦横30×20センチほどの四角いスポンジだ。これを、吸気管のところにあてがって、ひもで縛っておいた。なんだか、ものすごく貧乏くさいエアクリである。燃えないかしら。
こんな作業をあつかましくも南海部品の駐車場でやったのだが、エンジンをかけるとアイドリングしなくなっていた。やはり、吸気管の入り口をふさぐと吸気圧が変わるんだろう。たぶん、これまで使っていなかったマップの領域を読んでしまっていると思われる。設定されている数値が悪く、どうやら、ガソリンが薄すぎてエンストしてしまうらしかった。
面倒だったので、そのうち勝手に学習して調子が良くなるだろう、とそのまま家に向かう。アイドリングしない車で街を走るときほど大変なことはない。信号で止まるときも、ブレーキを踏んで、かかとでアクセルをあおっていなければならない。気を抜くとエンストである。止まっているときも常にぶおんぶおんと空ぶかししている車を、周りのドライバーは怪しんだに違いない。
いつまでたっても調子が良くならないので、噴射量マップを見たら、やはりアイドルで読む領域がずれていて、とっても薄い状態になっていた。手動で濃くしたら何とかアイドルするように。あとは、コンピュータが勝手に学習してどんどん調子が良くなっていく。ああ、素晴らしいぞFreedom+空燃比連動機能。
本編では、エンジンコントロールのコンピュータのことが何も分からない人にも分かるように上のことを書くつもり。とっても大変な気がするな…。