8月9日

 午前3時すぎになんとなく目を覚ましたら、来た。ずずーんという不気味な音とともに、突き上げるような揺れとその後の横揺れ。震度3程度だからたいしたことじゃないのだが、やはり気分の良いものじゃない。7月下旬には、震度5や6が何度も襲ったのだから、震源地周辺に住む人の心労は推して知るべしである。

 観光ホテルに泊まったので朝はバイキング形式。スクランブルエッグやベーコンやスープやサラダ、ヨーグルト、果物、というのが一般的なのだが、ここは和食が充実して刺し身やとろろいもなどなどつい欲張って食べ過ぎそうな品揃えであった。残ったものはどうなるのかな、と余計なことを心配してしまうが、従業員たちで食べてしまうんだろう。

 松島の五大堂、瑞巌寺を見て回る。仕事に来ているんだが、せっかくだから観光してしまった。ここまでは曇りだったのだが、

 ヴィッツに乗って鹿島台役場。今回の地震で玄関の柱がぶっ壊れて、使用不可能になって職員が農協に避難してしまった。のみならず、隣にある病院まで壊れてしまって慌てて患者を避難させた、という町である。緊急時に増俸を集めて対策を取る役所と、けが人を受け入れて応急手当てをする病院が両方とも壊れてしまって逃げ出さなければならなかったのだから、ちょっと運が悪かった。建物が古いことと、盛り土の地盤が悪かったらしい。昭和37年と41年の建物は建築基準法が改正される前だから、鉄筋が空くなすぎるらしい。これぐらいの建物は大都市圏ならごろごろ残っているから、揺すったら同じように壊れる、ということだろう。

 地震の被害といえば、家がぺちゃんこになって住人がつぶれちゃうという被害を想像してしまうが、文字通りぺちゃんこなのは戦前とか戦後とか建てて物置にして手入れもしていない建物で、家屋が傾いたとしても1階部分がつぶれてしまうような被害は本当に少ない。それも、地盤や土台が悪く、事前に予想できる範囲。

 瓦屋根は本当に被害が大きい。ほとんどの家で何らかの損傷があり、浸水しないように青いビニールシートが掛けてある。広大に広がる田んぼの向こうに青いビニールシートが点在している光景は痛々しい。

 台風が来てしまっているので、大変だ。シートをかけていてもめくれてしまって水が入ってしまう。走りながらだんだんと風雨が強くなっていき、午後5時前には土砂降りの横殴りになったので、今日の宿泊地である仙台へ行き、チェックインする。

 酒飲みの二人で行動しているから、夜はもちろん居酒屋である。生ビールに冷酒をちょこっと。あとはホテルでやろう、という話になり、酒を求めてコンビニを探す。台風が直撃していた時間帯だったが、それほど風は強くはなかった。傘をさしてうろうろと街を歩く。が、1軒、2軒、3軒、4軒。回っても、アルコールが置いてあるコンビニがない。ぐしょぐしょに濡れながら、それでもアルコールを求めてさまよう姿は、非情に情けないのだが、そこは我慢できないのが酒飲みの性である。

 ホテルに戻ってビール1リットルと酎ハイを飲んで撃沈。