8月3日

 松本時代、さんざん飲みまくった紀伊長島の先輩が用事があるので稲沢まで来るという。来るなら一緒にメシを喰らうしかあるまい、と夜勤をほったらかして食事に行く。

 ぼちぼちと食べ始めたころ、携帯メールに着信。なんだろう、と思ったら不吉な文字が並んでいた。以前、巨大な炎が上がった廃タイヤ火災の現場でまた火事だとの知らせである。

 警察や知り合いに電話を掛けても状況がよく分からない。こうなったら、速やかに現場に向かうしかない。なぜか、一緒にいた先輩もデミオに乗せて現場へ行く。

 近くまでたどり着くと、夜なのに黒々と立ち上るあの煙が再び立ち上っていた。この前と違うことは、時間が2時間ばかり早いためか、野次馬どもが車で現場近くに近づいていたことである。ただの興味本位の軽い気持ちの行動が、消防団の人や関係者の通行の妨げになるってことが分からないのかしら。

 ほんの1カ月ちょっと前の火災のビデオを見ているかのような火柱が上がっていた。私服姿の署長がいたのであいさつすると、「タイヤはな、外側から火を付けようとしても付かないが、こうして内側に火種を入れると火が付くんだ」とタイヤを使って親切に解説してくれた。ようするに放火だということを言っているわけで、遠慮なくそう書かせてもらった。

 写真を撮って話を聞いたら、あとは見ているしかない。1時半までなんとなく現場で過ごし、一宮に戻る。先輩が紀伊長島に向かったのは午前3時。タフだ。