最近、バスやタクシーに乗ることが多い。松本では考えられなかった事態である。
他人の運転する車に乗る、という状況ならば、必然的にその運転がうまいか下手かを判断することになる。別に意識してずっと運転を注意しているわけではないけれど、クラッチを踏んだ瞬間、ギアをつないだ瞬間、ブレーキを踏んだ瞬間、発進の瞬間、と否応なしに「ああ、なかなかうまいな」「へたくそだな」と考えてしまう。もう条件反射の域に達しているから病気なのかも知れない。
ギアチェンジやブレーキの踏み方が荒い人の何と多いことか! 僕は一人で運転しているときこそ、急ブレーキも踏むし、少々の急ハンドル、急加速はするけれど、助手席に人が乗ったら、ほんとうに生卵を載せているようなイメージで、そおっと運転する。加減速、右左折で、助手席の人の首が少しでも「カクン」とするのが気に入らないのだ。これは、そおっと乗せざるを得ない状況がこれまでもあったから、自然に身に付いた「習性」である。
バスなんてとてもひどい。お年寄りが立っていようが、急ブレーキは踏むは、止まる瞬間にブレーキの踏む力を緩めずにものすごく揺れるは、立っている人がみんなつんのめってしまうような加速をするわで、本当に客商売なのかと疑うほど。タクシーは座っているからまだましなのだが、クラッチが減りそうなつなぎ方をしている人がかなり多い。時折、うまいな、と思うドライバーもいるのだが、人を乗せるプロなのだから、それが当たり前なのだ。
ペダルを踏む、ハンドルを切る。車の操作はいかなる状況でも慎重にしなければならない。たとえ、それがサーキットでの限界走行であっても。