風邪はほぼ回復に近いのだが、まだ胃腸の調子がいまいち。何となくグロッキーで一日中、ボケッとだらだらすごし、夕方の会議を何とか乗り越えて、さあ、帰ろうと思ったら、仕事場の先輩からメシに誘われた。なんだか、よからぬ事があったらしく、機嫌の悪いオーラが漂っていたので、刃向かっていぢめられることを恐れて、表面上はしっぽを振って付いていった。
「体調が、しかも胃腸が悪いのでソフトなものを」などと、甘ったれたことは絶対言えないのがサラリーマンの悲しい掟であって、「中華料理を食いに行く」というヘビーなことを言われても、「とほほ」という心の中のつぶやきは封印しておき、お追従笑いを浮かべながら付いていくしかないのである。
円頓寺商店街近くの江川線沿いの中国農家料理という、ギラギラして怪しげなお店へ出かける。さすがに、生ビールを飲んでしまうと、お腹のゲリラ活動が活発化してしまうので、紹興酒を頼む。しかもホットで。
麻婆豆腐に青菜炒めに餃子などなど。お腹と相談しながら平らげる。やっぱり僕のアル中ぶりは体調が悪くてもフルスロットル状態で、紹興酒をがばがば飲んでいた。だって、相手はフルパワーで愚痴をがんがんとぶつけてくるのだから、飲まなければやっていられない。
最後に激辛卵とじどろどろラーメンを食べて、降参気味の胃腸をさらに痛めつける。それでも、ようやく帰ることができる、と思っていたら「カラオケ行くぞ」。風邪で喉を痛めて耳垂れまで起こし掛けた人間に、辛いものを食べさせてその上に、怒鳴らせるんだから、これはもう拷問である。それでも、刃向かっていいぢめられる事を恐れて、表面上はしっぽを振って付いていった。
カラオケ2時間。喉に優しいブルーハーツなどなど。さすがに家に帰って撃沈した。