仕事で岐阜の各務ヶ原へ行って来た。名鉄の飛行場前、という駅で降りた。航空自衛隊の基地があるのである。
今日はこの地方には珍しく、とてもさわやかで、松本の夏のようであった。空も晴れ渡り、いつもこんな調子の空気だったら言うことないのにと思いながら道を歩いていると、突然の轟音が響き渡った。
自衛隊のF15であることはすぐ分かった。特徴のある高音の後、ジェット機特有の空気を切り裂く爆音が突然聞こえるから、他の飛行機と聞き分けられるのだ。松本周辺だと、ジェット機は松本空港を発着するMD87しか低空飛行しない。航空路はたくさんあるみたいなのだが、いずれもとても高いところを飛んでいて、音は聞こえない。長野県のあちこちで米軍のジェット機が高圧電線をくぐるような低空飛行をする、という噂は聞いたことがあるが、自分の目で見たことはない。久しぶりに戦闘機の轟音を聞いた気がした。
大きく右にロールして、旋回していた。そのまま向こうに飛んでいくと、かすかな音だけを残して辺りは静かになる。
立ち止まって見送って、そのまま少し歩いたら再び爆音が。見上げるも音の方が後から聞こえるから、音の方向とは少しずれた場所を飛んでいる。さっきよりも速度を上げたらしく、うるさい。飛び去ったと思ったら再び飛んできて、4、5回ぐらいぐるぐる回っていた。はっきり言ってあのやかましさは公害である。周りの家はちゃんと二重窓にしているんだろうか。
用事をすませたら今度は特急を使って1時間半かけて愛知県を縦断し、岡崎に向かった。F15であればあっという間に到達する距離なのに。