8月13日

 久しぶりにフルに休める1日。もちろん、昼過ぎまで寝ていたことは言うまでもない。それからもぞもぞ起き出して、飯を作って喰らい、まだ見ていなかったHot
Versionを見ていたら夕方。

 久しぶりにでたらめツーリングに行きたくなって、午後5時前に出発する。夏は日が出る前の早朝か夕方から夜にかけてのツーリングが気持ちよい。昼間は地獄。

 ロードスターには満タンの燃料が入っている。どこにでも行けちゃう気分。とりあえず、ぐにゃぐにゃしたワインディングをぶっ飛ばしたかったので、岐阜方面へ。

 岐阜から福井、金沢まで通じている国道157号は、通行止めで通れないらしい。途中、国道なのに道路の上に川が流れているぐらいの秘境らしいので、果たしてロードスターで完走できるかは疑問だが、一度は走ってみたい道である。

 いかんせん通行止めなので、国道303号に向かってみる。岐阜から滋賀県木之本町まで行くことができる道である。

 もらったMP3カーステでローリングストーンズをかけてぶっ飛ばす。愛岐大橋を通って、関市から西へ。山県市を抜けて本巣市。国道303号に入ると「通行止め」の電光掲示が。この前の大雨で崩れたのかもしれない。通り抜け不可である。

 気を取り直して進路を南に取り、池田町へ。池田山の山麓をぐるっと回るように走る良い道を発見。標高100メートルほどの良い眺望がある道を回り込んで、21号のバイパスへ。伊吹山ドライブウエイの前を通過すると国道365号になる。このあたりですでに日没を迎えているので、引き返しても良いが、何となく琵琶湖を見てみたい気分。

 長浜市へ。長浜というか、黒壁スクエアになんとなく引っかかる気持ちがあるので、市街地を通らないようにそのまま365号を走る。途中、適当に曲がって虎姫町から国道8号へ。北上すると暗闇に街の光を反射する琵琶湖が見えた。国道303号へ。地図で見る限りでは素晴らしい眺望がありそうな奥琵琶湖パークウエイも通行止めの表示。仕方がないから、そのまま303号をひた走り、国道161号へ。

 湖周道路をところどころ経由しながら、琵琶湖西岸を南下する。お盆休みらしく、湖岸では花火で遊ぶ人たちが多かった。高島市をすぎた辺りで、大渋滞に巻き込まれる。レジャーを楽しんで、京都大阪方面に帰る人たちだろうか。

 30分ほど渋滞に巻き込まれる。こりゃかなわん、と、湖沿いの県道を発見して細い道をひた走る。再び国道161号に入るとスムーズに流れていた。大津市内ではやっぱり県庁所在地ということもあって交通量が多く、国道1号に至るまでにかなりの時間を費やした。

 おとなしく国道1号を走って帰るわけがない。琵琶湖を離れて、信楽へ向かう県道へ。細いワインディングだが、信号もなくスムーズに走れるだろうと判断。んが、前に軽自動車がいて、詰まってしまう。後ろのMR-Sもいらいらしているみたいなので抜くことに。

 ストレートに差し掛かり、抜きにかかるとここでトラブル発生!

トラブル発生!

 2速にたたき込んで対向車線に出、軽自動車に並び掛けたところで7500回転ぐらい。シフトアップしようと思ったそのとき、異変が。「しゅご」っと変な音がして、シフトアップするも、回転落ちが悪く、アクセルもなんだか軽い。後ろのMR-Sも、同時に追い越しにかかったので、ぴったりと後ろに付いてくる。

しゅご

 とりあえず、ハザードランプを点灯させて、様子を見る。とはいえ、2速を回しきって3速に入れたスピード領域なので、安全なスピードではない。

 なんだか3気筒になったばらつきがしたから「ああ、ブローしたな」とあきらめた。1年近く放置していたし、エンジンオイルも交換してから3000キロ。オイルが減る傾向があるのに、最近はオイルの量もチェックしていない。「チューニングエンジンなのに、5万キロ近くも走ってまだまだ回るなあ、などと考えながら走っていたので、頭の中では山道のまっただ中で不動になったロードスターをどう持ち帰ろうかと、いろんな思考がぐるぐると巡ったのである。

ああ、ブローしたな

 が、アクセルをあおると、変な回り方だが回転が上がる。クラッチをつないでみると、駆動力が伝わる。トラブルを起こしながらも、エンジンはまだ何とか生きている。

 もしかして、このまま走って人里まで行けるかしら、と一瞬思ったのだが、3回目ぐらいのブレーキで再び異変。タッチが突然堅くなり、ブレーキブースターの死亡を確信する。

 ブレーキがまとも利かないんじゃ危ないので街灯がある交差点に力一杯ブレーキを踏んでなんとか停車させる。

 停車させたロードスター、エンジンがそのまま死亡するかと思ったら、なんと、まだアイドリングしている。ブローしたにしては、白煙も上がらない。「ぼろぼろぼろ」といよいよ3気筒の音がしてトラブルが起きているのは明らか。エンジンフードを開いて確認してみると、一目瞭然だった。FCSSの画面を見てみると、吸気圧が大気圧に近い数字を示している。やはり。

 3番気筒のエアクリーナーのてっぺん部分がなくなっていたのである。古くなって崩壊したエアクリーナーのスポンジを、吸気ポートに吸い込んじゃった。スロットルが完全に閉まらないから負圧が発生せず、ブレーキブースターも作動しなかったということか。それにしても、スロポジ制御だからしぶとくエンジンが回るが、Dジェだったら、すぐにかぶってエンストし、MR-Sに突っ込まれたかもしれない。

 携帯電話の光で照らして確認すると、果たしてスロットルの奥の方にエアクリーナーの残骸が。

 エンジンを止めてファンネルを外し、手でつまんで引っ張り出すと、なくなっていた部分が丸ごと出てきた。エンジン内部には吸い込まなかったらしい。不幸中の幸い。ほかの気筒のエアクリーナーもちぎるようにすべて外してエンジンを掛けると普通にアイドリングした。ブローはブローでも、エンジンではなく、エアクリーナーであった。確か3万キロぐらい使いっ放しである。スポンジが堅くなって限界に近いことは分かっていたのだけれど、もったいない(いや、お金がない)からそのまま使っていた。というか、ファンネルからはずすと崩壊しそうだったから、あまりいじらないようにしていたのである。

 ファンネルにかぶせる形のエアクリーナーは、2万キロごとに1回ぐらいの割合で替えなければならないだろう。触れば劣化がわかる。

 エアクリがなくなったエンジン、とっても調子が良くなった。何より、音がちょっとレーシーに。アイドリングも抵抗がなくなって200回転ぐらい上がったこともあり、圧倒的に失火が少なくなって安定し、パワーとレスポンスも感じ取れるぐらいアップ(いや、音がでかくなって錯覚しているだけか?)。触媒&ノーマルマフラーで最盛期の2割近くパワーが落ちているはずだったがエアクリでもけっこうな損失らしい。排気系がきちんとしていれば相当なパワーが出そう。

 国道307号に至り、日野町から国道477号へ。鈴鹿スカイラインをぶっ飛ばす。タイトなコーナー以外は上り坂にもかかわらず、3速で十分なパワー感があり、2速に入れなくてもけっこう走る。容量アップラジエーター&石井自動車のでかオイルクーラーの効果もあって、ワインディングのきつい登りにもかかわらず、水温は95度、油温90度。安心しきって峠を越え、三重県菰野町。国道306号を北上し、国道421号。県道などを駆使し立田大橋へ。愛西市のたんぼ道を北上し、東海大橋たもとから木曽川堤防道路へ。江南の自宅に戻ったのが午前1時すぎ。

 メーター読みで355キロを走った。4.1ファイナルで5%ほど距離が狂っているから実際は380キロ弱走ったことになる。

 久々のでたらめツーリングでストレス解消。