7月8日

 本格的な夏のような日差しであった。松本で最高気温が34.2度だったようである。抜けるような青空。真っ白い入道雲が美ヶ原高原にかかり、梅雨が明けてもう真夏になったようだった。

 この時期は太陽の光線の色からして違う。白くて明るく、その上透き通っている感じ。街並みや、行き交う車、街路樹、路面といったすべてのものが明るく見え、気分がうきうきしてくる。暑さが何とかなれば楽しいだけなのに。8月のお盆をすぎるとこの光線の様子も変わってくるから、この時期から8月半ばまでが夏本番と言っても良いかもしれない。最近、本格的に海で泳いでいないので、無性に行きたくなっている僕はミーハー野郎だ。

 同じ30度オーバーでも湿度の低い松本ではやはり感じ方が違って、風の通る室内では何とか冷房がなくても過ごしていられるくらい。夕方、一気に気温が下がるのも特徴か。夜に寝苦しいことはほとんどない。窓を開けて寝ると風邪を引くぐらいである。

 うきうきしてくるこの日差しも、オープンカーにとってはつらいもので、昼間は高原に行かない限り、間違っても開幌できない。この時期、乗るなら朝だ。夏は朝が一番良い。東の空がだんだんと白み、鳥のさえずりが聞こえはじめたころ、幌を開けて走りはじめる。高原も楽しいが、海岸線はさらに良い。早朝はまだ道もすいているので快適に飛ばすことができる。少々湿った風も夜は不快だが、早朝だとなぜか気持ちがいい。

 気温が上がりはじめる午前8時ぐらいまで、浜のにおいを感じながら走ると、日頃のストレスも一気に解消である。しかし、気温が上がりはじめると開幌もただの苦痛になるので、おとなしく幌を閉め、窓とリアスクリーンを開けて走る。それでも耐えられなければ、エアコンの風を体に当てれば大抵はしのげる。窓から進入してくる重苦しい熱風を感じながら走るのは体力がいるけれど、趣がある。

 人は暑さもなんとかしのげるものの、車は気温が30度を越えるとなんともならない。NA6CEノーマルの場合、この時期、街乗りだと、油温が110度、水温も下手をすると100度に達する。オイルクーラーがなければスポーツ走行なんてする気にもならない。

 本気で走るなら、秋を待つしかないか。