7月7日

 今日も休みであったので、午前中にパソコンの車関係のあるソフトをぱちぱちいじってあれこれ思いを巡らせ、雲が多い天気であったので足回りを交換した。ディーラーの店長が工場の裏に隠しておいた純正ビルシュタインである。

 数日前、夜の7時ぐらいにディーラーにおもむく。いつもながら忙しそうな店長をつかまえ、「速いですね!」と挨拶した。今年から筑波で始まったNR-Aのパーティーレースの2番目のカテゴリーである「エンブレムクラス」で、2位だったのだ。

 予選2位。佐藤琢磨ばりのスタートダッシュでトップに出るも、CG誌のロードスターに抜かれて、予選順位のままゴールしたという。この抜いた人がなかなかきついガードをするらしく、ラインをブロックするのはいいのだが、そのままコース外にまで追いやられてしまったという。あの道幅がある筑波サーキットで。F1なら非難ごうごうだ。CG誌を見せてもらうと、店長がシャンパンを振っていた。すごい。

 この日の目的は、工場に落ちている純正の足をもらうことだ。最近、下手な僕には純正の足で上等ということを悟ったので、落ちていないか聞いてみたら、店長が使うためにとっておいたSスペビルシュタインがあるという。

下手な僕には純正の足で上等

 「月曜日にFISCOで使おうと思っていたのになあ」とのこと。しかし、組み替えいている時間がないだろう、と貸してもらえることになった。工場の裏に行くと、雨ざらしになったビルシュタインが…。ダストブーツもぼろぼろになって見た目はぼろぼろだが、抜けてはない、とのこと。喜んで貸してもらった。

 その後、店長が手に入れたというノーマルロードスターに乗らせてもらった。本当になにもいじっていないノーマルで、店長がエキマニとジャングルジムのようなロールバーを組んだだけという。

 エンジンは悲劇的に吹けない。ノーマルってこんなに吹けなかったのか。改めてROMチューンの威力を知ったのである。乗り心地がとっても良い。パワステとノーマル足のおかげで、とってもきびきびと鼻先が動いてとっても楽しい。僕のロードスターのハンドリングはノーマルとはやはり違ったものになっている。

 そのビルシュタインを、ことし2月末に組んだばかりのKONIと組み替えたのだ。ロードスターでリアはBeatlesのAbbeyRoad1枚分の時間で終わった。フロントは、右フロントのボールジョイントのボルトをはずすのに手こずり、かなりの時間を消費してしまった。

 詳しいバネレートは知らない。そんなことを気にしているより、運転しろというのが、最近の悟りであるので、どうでもよい。けれども、8K6KのKONIとあまり乗り心地が変わらない。さすがに段差が大きい場合は違ってくるが。バンプラバーの関係でごつごつした乗り心地という話は聞いたことがある。ハンドリングは少し軽快感が出た感じ。

 最初はこの足を甘く見る考えも、心の片隅であったのだ。しかし、乗ってみて知らなかった方が良い現実を悟ってしまったのである。それは、、、、、

 

 

 

 そんなに変わらねえ…

そんなに変わらねえ…そんなに変わらねえ…

という受け入れがたい現実だった。8K6Kの足からノーマル相当に変えたのに、そんなに大きな違いを感じられないような未熟なお馬鹿さんだったのね。

 最初は、スピードが出ないタイトなヘアピンでオーバーを出したら、思ったよりリアが流れるのが速くスピンした。右フロントが側溝に落ちそうになった。危ない。けれども、1往復してみると、思ったよりも挙動は安定しているな、と感じた。

 違いを感じたのは、コーナー中のアクセルオンで曲がってくれるということだった。今までは、横Gがかかっているときにアクセルを踏むと外側にふくらんでしまうアンダーステア気味だった。コーナーの出口付近までアクセルを我慢していたので、なんだかとっても気持ちがいい。最初スピンしたのも、前の足の感覚でアクセルを多めに踏んだからかもしれない。

 さすがに、ロール量は大きい。フルブレーキでかなりノーズが下がる。が、いかにも荷重が移動している感じでとってもつかみやすい。足に慣れるために、7往復ぐらいした。いくら、涼しい松本の夜であっても、汗だくになる。

 さすがメーカーが走りグレードとして出した足だけあって、なかなか具合がよろしい。店長に返すのが惜しくなってきた(不敵な笑み)。

 あれこれいじりはじめて数年。エンジンにも手を入れた。それが、今はノーマルエンジンに、ビルシュタインとSスペタイロッドエンドで、Sスペノーマルの足。あれこれやって時間と金を使い、結局ノーマルに戻ってくる、という笑えない悲劇は、ロードスター乗りには良くある現象だ。

 もちろん、ノーマルは過程にすぎないのだが。