気が張っているときは何とかからだが動いてしまうもので、深酒をしたのに、きちんと午前8時前に起きることができた。部屋の片づけをして、9時すぎ、B6エンジン1基分を積み込んだジムニーで名古屋へ向け出発する。
時速90kmでしか巡航できないジムニーだと、高速道路に乗るメリットが少ない。松本から名古屋に向かう場合、木曽谷を抜ける国道19号という信号があまりない国道があるのでなおさらである。
国道をとろとろと走り、名古屋へ向かう。気温は30度を超えているがさわやか信州の空気を窓から取り入れていればそれほど暑さは苦にならない。青い空と木曽川のコントラスト。森から出るマイナスイオンを浴びながらのドライブ。ジムニーとのお別れツーリングでもある。
そんな快適ドライブも中津川に出ると、状況が一変する。森から出たとたん、空気の質が変わり、凶暴な熱風が容赦なく吹き付けてくる。エアコンを付けても効くわけないのでただひたすら耐えるしかない。
それでも高速に乗ってごまかすことができた。多治見インターで下り、愛岐道路を通って、実家のある尾張旭へ。市街地に入ると、さらに強烈な灼熱地獄が待っていた。正直、4年間の松本暮らしでこちらの暑さを忘れていた。松本も気温は35度近くまでは上るのであまり変わらないや、となめていた。湿気を多めに含んだ空気は重く、まとわりつくように体温を上昇させ、体全体から汗が噴き出てくる。
アブラゼミの鳴き声の応酬。松本ではアブラゼミはほとんどいない。ついでに蚊もいない。夜中に窓を開け放して寝ていても刺されることはない。
銀行口座の準備とスーツ2着を購入して、地下鉄で名古屋中心部へ。錦三で飲みに突入し、カラオケへと正しく進む。11時すぎに外に出たら、あまりの蒸し暑さと人の多さにめまいがした。零時すぎに家に帰ってきたら、まだアブラゼミが鳴いていた。狂った世界である。
4日には愛する松本ともお別れである。