7月29日

 マッサの代わりがシューマッハかよ! と思わずつぶやいてしまった。

 F2レースでクラッシュしたマシンから外れたタイヤがコース内に進入してきて、不運にもヘンリー・サーティースの頭に直撃して死亡した事故は衝撃的で痛ましかった。FJで走ったこともあるので、リアルに怖いと思った。F1のクラッシュでもたびたびドライバの頭が危ないシーンはあったけれど、死亡事故は起きていない。何か起きるたびに「何か対策する必要があるんじゃね?」という声が出たが、そのまま来て起きてしまった今回の事故。

 で、その次のF1の予選中、フェリペ・マッサの顔にブラウンGPのマシンから外れたバネが直撃。命に別状はなかったけれど、数レースは欠場する結果になってしまった。普通に走っていてバネが外れて転がっていくのもどうかと思うが、とにかく、時速300キロ以上も出るF1、いや、フォーミュラという競技全体で、頭がヘルメットだけでむきだしになっているのは危ないのではという議論が一気に高まった。セナが死んでしまったときも、前日にも死亡事故が起こったので、こういう事故って偶然ながら重なることが多い。セナが死んでF1の安全対策が次々と取られたように、今回もなにか対策が取られることになるのだろうか。(よく考えたらセナが亡くなった週にバリチェロも病院送りになっていたので、15年も隔てて2つの問題提起に絡む人もスゴイ)

 F1のコックピットの前にちょこっとある風切り用の透明な板をでっかくするとか、戦闘機のキャノピーみたいにするとか。前に板を設けただけではマッサの事故は防げても、横や斜め上から飛んできたタイヤは防げない。キャノピーみたいなものを設けると、今度はクラッシュしたときに速やかに救助できない。どうなるにしても、かっちょ良くなるよう希望。

 驚異的な回復をしているマッサだが、頭蓋骨骨折もあるから、しばらくは出場できない。で、タイヤが外れてしまったミスのペナルティーで次戦で出場停止処分になってしまったルノーからアロンソが乗るだとか、いろいろなウワサが巻き起こり、それはそれでおもしろい話題だったのだが、結論がミハエル・シューマッハの復帰。ドライバーとして適しているかどうかは別として、話題としては最強だ。FIAもスーパーライセンス即発行みたいな。ドキュメンタリーも撮影させて放映権料でもうけるフェラーリとか。

 これで馬鹿みたいに速かったらどうしよう、と焦るキミ・ライコネン。やっぱりシューマッハの前でゴールできないバリチェロ。