7月23日

サーキットでは「流し撮り」という撮影方法を練習した。

通常、写真を撮るときには、画面がぶれないように、なるべくシャッターが開いている露出時間を短くする。手持ちで撮影する場合、だいたい60分の1秒より短ければ、手ぶれが出ない。30分の1になると、慣れていない人だとちょっと手ぶれが気になりだす。15分の1だと、ぶれないようにカメラを持っているつもりでも手ぶれが出る。8分の1秒だと、プロでない限り、腕を机などで固定するか、壁にもたれかかってじっとしていないと、クリアな写真を撮ることができない。それより露出を長くすると、三脚なしではまともな写真が撮れない。

車を撮るときには、500分の1秒あたりでシャッターを切れば、ピタッと車が止まって見える写真が撮れる。野球でもここら辺の露出で撮影すると、さすがにボールやバットがぶれるが、きれいに撮ることができる。F1になると、4000分の1秒とかで撮るんでしょうか。

たとえば、三脚にカメラを固定して、15分の1秒のシャッタースピードで走っている車を撮ると、風景はくっきり写るけれど、車は動いているので、ぶれて長くのびたような格好に写る。「流し撮り」は、動いている車をレンズ上で追いながら、スローシャッターを切る撮り方。すると、車はピタッと止まって写るのだが、周りの風景が流れているように写るので、スピード感や躍動感あふれる写真となるのだ。間瀬サーキットで写真を撮ろうとすると、この撮り方じゃないと、コースの内側にある畑や農作業風景が写ってしまうので、間抜けな写真となってしまう。背景をぶれさせて、畑を消すのだ。

今回は「流し撮り大会」と称して、この撮影法を練習した。走っている車をレンズで正確に追いながら撮影する高度なテクニックだが、「下手な鉄砲も数打てば当たる」で、素人でもたくさん撮れば中には1枚ぐらいまともなやつがあるだろう、いう考えで、なぜか仕事場にあった不要なフイルムを100本ぐらい持ち込み、しかもこれまたなぜか仕事場にあるカラー現像機で現像して、費用のことをまったく考えずにシャッターを切りまくる、というのが趣旨。来る車すべてをレンズで追って、とにかくシャッターを切る。それこそ、サルのように切りまくる。

参加者は僕を含め3人。僕は仕事で写真を撮る程度。1人はコンテストにも出品する写真好き(本業だったりして?)。もう1人は、写真を撮ることに人生の意義の1つを見いだそうと苦悩するプチ思想家。

写真好きの人は自分のフィルムを含めて24枚撮り換算で、10本ほど撮影。僕は20本。プチ思想家は何と30本。枚数にしたら、720枚も撮っちゃった。サルです。

2日間、さんざん遊びまくって、富山から松本の仕事場に着いたのが土曜日の午後11時半前。へとへとだったが、何となく現像を開始した。

血反吐を吐きながらプチ思想家の30本を現像したあたりで、意識を失った。たぶん午前2時前ぐらいだったんだろう、覚えがない。再び朝、起き出して、残りの30本ほどを現像をする。日曜日は仕事。

今度、だれがどんな写真を撮ったのか品評会をやるのだ。

とりあえず、どんな写真を撮ったのかは、以下の通り。ほとんど15分の1秒で切ったのだけれど、僕の腕では30分の1や60分の1の方が良かったかもしれない。