7月21日

 松本のいつものショットバーでいつの間にか酔いつぶれていた。飲みまくってふらふらの状態で寺からタクシーで移動して駅隣のホテルにチェックインし、再び抜け出してショットバーにいってしまった。マスター曰く「来たときからかなり酔っていたのに無茶しすぎ」。回りを見回すと、すでにだれもいない。隣に化け猫が座っていなかったのが残念であるが、松本にいた当時は毎週そうだったように酔いつぶれてしまったらしい。朝、待ち合わせをしているのに、これでは睡眠不足確定である。

 ふらふらとホテルの部屋に戻り、意識を失う。朝、問答無用で携帯電話が僕の意識を覚醒させる。「はい、起きま〜っしゅ」と答えて、そのまま寝てしまい、1時間後にはっと目を覚まして慌ててチェックアウトして、待ち合わせ場所にした松本時代のホームコースに向かう。すでに、埼玉の某氏は到着していた。

 美鈴湖を中心とした林道と市道をなんども往復しながら、走りについてあれこれやりとりする。2時間半ばかりぐるぐると同じ場所を行ったり来たりしていたから、釣りに来ていた人たちは、さぞかし不審だったに違いない。

 朝は雨模様だったのが、晴れてきたのでツーリングに行くことにする。国道143号を上田へ。丸子に抜けて、千曲ビューライン。東信地方は梅雨空の合間に青空がのぞき、直射日光が差す様子はもう盛夏であった。かなり厳しい日差しだったのだが、開幌を貫き通す。御牧原の台地の畑には、トウモロコシが実って夏を実感させる。日差しは強いが吹き抜ける風はさわやか。信州って素晴らしい。

 佐久で分かれて、帰路に就く。どこから帰ろうか悩んでいたら「麦草を通れば?」と言われた。八千穂村と茅野市を結ぶのが麦草峠なのだが、標高2100メートルである。通常は観光で通る道であり、普通の人間なら帰宅途中にそんな峠道を通ることはない。

 疲れることは分かり切っていたが、次にいつ走れるかも分からない。3連休の最後の日で茅野側が込んでいることが予想されたが、誘惑に負けて麦草を選択する。

 ところが、貸し切り状態であった。午後3時すぎなので、観光客はほとんど下山してしまったらしい。新エンジンの強力なトルクで急斜面でもぐいぐいと加速し、転がり落ちるように茅野に至る。途中、ブレーキがフェード気味になったが、しばらく冷やしたらまた聞くようになった。どうも外気圧補正がまだうまく動いていないようで、回転数と負荷によってはいまいちな領域もあったのだが、おおきな問題になるほどではなかった。

 茅野から国道152号で高遠。長谷村から駒ヶ根。天竜川の東側の車1台通るのがやっとで対向車もいないマイナーな県道を駆け抜けて飯田へ。飯田からはさすがに高速を使った。が、多治見まで2500円もかかるのが納得できない。恵那山トンネルが高すぎるのかしら。

 午後3時に佐久を出て、途中本屋で30分ぐらいつぶして家に到着したのが午後9時前。距離感が麻痺してしまっているから、それほど大変でもなかった。