7月10日

 月曜日は大町で飲んだくれた。飲屋街、というにはあまりにも寂しい街の、寂れた感じのスナックで、マンツーマンでとことん。2軒目行ってカウンターに座り、バーボンを1本入れてしまった。記憶が途中から怪しくなっている。もしかしたら、ボトル1本、干しちゃったのかも知れない。

 翌朝、白馬村へ。仕事をこなすも、はあはあと息が荒く、脂汗を流した怪しい男に、周囲の人は恐怖を感じていたに違いない。

 仕事自体は大したことはなく、あっという間に終わる。大町に引き上げようと、車に乗ったら、無性にラーメンが食いたくなってきた。正しい男の子の行動のような気がする。まだ午前9時台。ラーメン屋なんて開いていないので、ローソンに寄ってカップラーメンを買い、お湯をもらって、ジムニーの中で喰らっていたら、さすがに自分の馬鹿さ加減が身に染みた。

 夜になって、松本の仕事場に戻る。体調はすぐれない。今日はさっさと帰って部屋の中のエンジンパーツでも片付けようかな、と考えていた。

 なのに、仕事場の人がおもしろくないことがあったらしく、「酒飲みに行こうぜ光線」を発してきた。「勘弁して」とも思ったが、人にはやはり、とことん飲みたいときが、ある。それに付き合わないなんて、人間として、ヒトとして間違っている、という訳の分からない理屈によって、2晩連続のハードドリンクで、ドランクな僕なのであった。