変態ツーリングへ行って来た。
ロードスターを使う目的の中で、一番のものが、この変態ツーリングである。信州に来た当初は、目的地もあてもなく、突然走りだして、うろうろといろいろな道を半日ぐらいかけて走るのが何よりのお楽しみであった。なぜ半日か、と言えば、休みの日の午前中には起きられないからである。
時がたつにつれ、信州の中で知らない道が少なくなってきた。すると、いろいろなルートを組み合わせた、とてつもなく長いツーリングにはまり出す。しかも、車があまりいないところを選び、アベレージ速度を上げて距離を稼ぐのである。
そんなルートの中で、一番良かったのが昨年8月にやった「信州高原巡り」であった。平地はなるべく避け、山深い高原ばかり選んで走るのである。松本から聖高原を抜けて長野へ至り、善光寺の裏から飯綱高原。そのまま黒姫高原へ向かい、野尻湖の横を通って斑尾高原を通り過ぎ、飯山に下って、野沢温泉村に到達。「奥志賀林道」というマニアックな道をひたすら志賀高原に向け走り、渋峠から群馬県草津。軽井沢へ至り、松本に戻る、とまあ、一気に書けばこんな感じのルートだ。志賀高原から渋峠の間は標高2000mオーバーである。別天地に来たようでとっても気持ちがよいのだ。
こんなおかしなツーリングに、以前「しごいた」埼玉県の某氏を誘ったら喜んで来た。お互い、変態ですなあ。野尻湖あたりまでは、本当にピクニックのようなコース。楽しく走ることができる。
それでも100キロちょっと走っているのだから、ちょっとは疲れるはずである。しかし、今日のメインイベントは、奥志賀林道なのである。車同士がやっとすれ違えるぐらいの幅の曲がりくねった道を延々と40キロぐらい走るのだ。
野沢温泉で「まだルートの半分ですよ」と告げると、期待とは裏腹に目を輝かせて喜んでいた。松本に来るまでに3時間ぐらい走っているわけで、この体力と言ったら舌を巻くしかない。
今日はとにかく、絶好のツーリング日和であったのだ。雲が高い位置にあって、日差しはなく、それでも北アルプスや黒姫山はきれいに見え、標高が高いところへ言っても雷雲がない、という本当に良い日であった。日が差せば、汗まみれのツーリングになるに決まっている。
野沢温泉からスキー場を抜け、山にはいるとところどころで山菜採りのおじさんおばさんたちが車を路肩に止めて、一生懸命に草むらに分け入っていた。ある場所では、猿の群が、道路を占拠していた。道路上なのに、人口密度と猿密度がほぼ等しいのである。そんな道を、言えないスピードでぶっ飛ばした。
佐久で分かれ、8時すぎに松本に戻り、腹が減ったので友人Kと飯を食うことにした。焼き肉を食べようと、豊科町まで遠征したのに、ことごとく満員であったので、40キロぐらい無駄足を踏んだ。
お腹いっぱいの一日でした。