松本で送別会があったので、出張先の長野から急いで向かったのが月曜日。4年間松本にいて「一度は行ってみたい」と思っていたすき焼きの「三河屋」で開いてもらった。念願が叶って大満足である。馬刺があれほどうまいものだとは。調子に乗って馬刺や馬すき、ビールをじゃんじゃん追加していたら、予算を4万円もオーバーしたという。どうやって穴埋めするんだろう。
どうせタクシーで帰るのだから、やはりいつものショットバーに寄らねばならんだろう、と千鳥足で独り、中町と伊勢町を通ってふらふらと歩いて向かう。カウンターで「しゃっきり系」のカクテル2杯。最近、面倒くさいから銘柄の指定はしない。こんな系統の酒が飲みたい、と伝えれば、ジャストミートなお酒が出されるこんな良い飲み屋を残し、僕は松本を去らねばならない。
翌日、再び長野へ向かう。相棒でいる時間が少なくなったジムニーを駆る。たまにはのんびり走るのもよいものだ。窓から入ってくる風のすさまじい音と、F5Aの加給が効いたけたたましい音、AMラジオをボリューム最大近くまでがんがんならしてのツーリング。こんなのを車の味と言うんだろう。最近は味のない車が何と多いことか。
仕事を終えて夜、麻雀に誘われた。ときどきインターネット麻雀で遊ぶことはあるけれど、実際打つのは実に久しぶり。蒸し暑い、むさ苦しい、警官がそばにうようよいる場違いな場所で、首振りがなぜかすぐ止まってしまう困った扇風機の風に当たりながら打ち、さくっと勝った。メンツの一人と権堂に繰り出し、ジョッキビールをたらふく飲む。午前3時すぎ、ホテルのベッドに倒れ込む。
そして、今日はなぜか東京に用事があったのである。出張先から出張するという、出張のはしごをしてしまった。なんだかとっても働いている人みたいなのだが、まあ、遊びのようなもんさ。朝8時半に起きたらさすがにほんの少し残ったけれど、きちんと起きられた。長野県に4年間住んでいて、最後の最後で新幹線「あさま」に乗ることができた。
なんと1時間20分で東京駅に着いてしまうのである。午前10時10分の列車に乗り、午前11時30分に着くこの衝撃。これなら、ちょいと遊びに行く気になるぐらい。松本だと、8時ちょうどのあずさに乗って旅だっても11時前にようやく到着である。このギャップ。
東京駅で友人を呼び出して昼飯をくらい、霞ヶ関へ向かう。くそ暑いかと思っていたが、どうやら今日はさわやかな日であったらしい。長野の蒸し暑さとそれほど差はなかった。それでも、官庁街で迷子になっていたら、すぐに汗だくになった。普段山を見て方向を把握している者は、ビル街ではあっという間に迷子になってしまう。
夜、同じ会社の人とラーメンを喰らい、再びあさまで長野へ。あと2日、長野で働かなければならない。早く松本に戻りたい。