起きたら午後3時だった。一日が始まったと思ったら、すでに終わっていたこの衝撃。しかも、外は抜けるような青空で、絶好のドライブ日和を、寝て過ごしてしまったことになる。ま、全力で朝までドラクエやっていたから、仕方がないことか。体調も良くなったことだし、寝て過ごした休日もよしとしよう。
でも、せっかくの天気なので、いつもの山道へ行くことにした。給油して、コンビニでパンを買い込んだ。日曜日はたぶん、ライダーな人たちがハングオンしているので、暗くなるまでは危なくて走れないことは分かっている。美鈴湖をすぎてそのまま美ヶ原林道を上がっていき、標高2000m付近で日没近くまでのんびりしていようと考えた。
今の自分の課題は、コーナー直前のブレーキとアクセル加減である。コーナーを曲がるのにブレーキもアクセルも使うから、何の説明にもなってはいない。今までは絶対にコントロールを失わないように、減速をきっちりして、車をきっちり曲げてから、アクセルを徐々に開けていく、という極めてつまらない走りだった。ぶつけたくない、ぶつけたくない、という考えが、そのまま出た走り方。走りがマンネリ化しているので、これをちょっと崩したくなった。
何をするのか、というと、ブレーキのタイミングを微妙に変えるのだ。速い走りではないかもしれないけれど、少し突っ込み気味で進入して、ブレーキを多めに残す。姿勢をわざと不安定にして、アクセルオンでオーバーステアというか、スピン状態に陥る。アクセルとステアリング操作の調和で、うまくスライド量と方向をコントロールできれば、いわゆるドリフト状態、というわけ。ドリフトをしたい訳ではないけれど、自分の意志で姿勢をコントロールできるようにしたい。
アンダーステアさえ出さなければ、少しぐらいオーバーになっても、ぶつけるような事態にはならないかな、というぐらいな感触は得ているので、わざと崩した走り方をしようと考えた。幸い、FM901はワイヤーが出る直前(実際に出したことがないからどこまで減れば出るのか分からないけれど)なので、思う存分変な減らし方をさせられる。
入り口の勾配のあるヘアピンで試したら、やはりこれまでの感覚を崩すことになるので、突っ込みが怖い。結局、なんだか分からない姿勢になって、えいっとアクセルを踏んだら、パワースライド。おつりまでもらって格好悪いな、と思ったら、対向車がいた。たぶんスピンして事故をしかけているように見えたに違いない。びっくりさせてごめんなさい。
やはり、ライダーがいた。なぜか、FCサバンナが側溝に落ちてオブジェになっていた。日曜日は交通量があるので、飛ばしても意味がない。パジェロミニの後ろについてとろとろと山を上がっていく。新緑の下を走る形になるので、とってもすがすがしい。
頂上の駐車場で、缶コーヒーを開け、パンを食べながら本を読む。夕方のちょうど良い日差しの中、高原のさわやかな風に吹かれ、好きな車の中で好きな音楽をかけて好きな本を読んでいるというこの贅沢。目を上げれば、浅間山が噴煙も含めてくっきりと見える。上田、小諸の街が眼下に広がり、菅平あたりのパノラマが広がっている。いや、信州って良いです。
人が増えてきたので、北アルプスが見える駐車場に移動する。小さいのでだれもいない。高原を独り占めした気がして、いい気分で本を読んでいたら、日没が近づいてくる。時間は午後7時前である。太陽が沈みかけたら、夕暮れの北アルプスを撮ろうとアマチュアカメラマンが何人もやってきた。鬱陶しいので、そろそろ下山することにする。
いつもの山道に至り、課題を試してみる。ちょっと突っ込み気味に走る。突っ込む先には下手をすると何もできなくなるアンダーステアが待っているので、やはり怖い。ここら辺の試行錯誤はやはり走っていないと表現できない。文章では伝えられない領域である。ま、下手だから分からないだけかもしれないけれど。
片道、すべてをきっちり走ると6kmあるコースを4往復ぐらいした。さすがに3往復目あたりで疲れてくる。間瀬峠30分よりもハードだと思う。胃腸がねじれて気分が悪くなる。左の膝がこすれて痛くなってくる。
何となくつかむものがあった気がする。さすがに、山道では怖くて、一気には限界を超えられない。徐々に徐々にステップを踏まないと、大切な車を壊してしまいそうで怖い。サーキットに行って、いろいろ試してみようかしら。
午後8時をすぎて、いくら日曜日でもいやに静かだな、と思ったら、そういえば日本代表の試合があるのに気付いた。別に見たいわけではなかったけれど、体力の限界を感じて下山する。グロッキー。