6月30日

 マウンテンバイクのような自転車で、急斜面や岩場のコースを攻めるバイクトライアルという競技がある。江南市に国内ランク3位のすごい選手がいて、なぜか会うことになった。7月下旬からイギリス、アンドラ、チェコの3カ国で試合をしてくるという。工場ラインを設計する仕事をなげうって、プロとして活動する志の高い人である。江南市の某所に自転車を持ってきてもらい、せせらぎの中にある石の上を攻めてもらう。

 自転車にまたがったままで静止するのが僕のあこがれなのだが、なかなかバランスが難しい。そこはプロ、ぴたっと静止し、そこから前輪を持ち上げてウイリーの状態になり、そのままジャンプして石から石をぴょんぴょんと飛ぶ。曲芸の域である。

 「あそこからも飛べますよ」と指さしたのは、高さ1.5メートルほどもある石製のモニュメント。さすがに自転車に乗ったままはそこには登れないが、先に人が登って、僕が自転車を手渡し、モニュメントの上で自転車にまたがる。そんな高い不安定な場所で自転車にまたがる神経がしれないが、なにしろ相手はプロであるから、そんなこと朝飯前なんだろう。

 で、そこから飛び降りる。かなりの衝撃のはずだが、うまく殺して何事もなく着地した。もうパチパチと拍手するしかない。

 すごいのだが、競技だけでは食っていけないから、自転車屋でアルバイトしつつ、遠征費用を自分でためている状態。こういう志の高い人を江南の市民が支えてあげる必要があると思うのだが。今度、商工会議所の会頭さんでもたぶらかそう。