6月29日

 べろべろに酔っぱらって帰ってきたのに、朝7時半に目が覚めてしまった。老化現象だろうか…。

 とっても良い天気だったので、おもわずツーリングに行きたくなったのだが、4連スロットルの調整をしておかねばならなかったので、朝飯前におもむろに作業に取りかかる。

 E&EシステムのインマニアダプターでトヨタAE101の4連スロットルをインマニごと取り付けると、キャブのようにインテーク部分が長くなって、スペースの問題が出てくる。ブレーキのマスターシリンダーの配管と4番のファンネルがかなり近い。スロットルの加減によっては当たっているかもしれない。

 よってスロットル回りの作業はとてもやりづらい。ファンネルを取り外すのでさえ、手こずってしまう。六角レンチを使うのだが、レンチの角度をきちんとしないと入らないし、狭いしでエンジンが降りてさえいればとっても簡単なことでも、大変手間取るのである。

 狭い中、短いレンチ。注意深く作業を進めなければならないシチュエーションなのだが、案の定やってしまった。フルパワーを入れたらゆるんだ瞬間、右手親指を激しくスロットルボディーに打ち付ける。ザクッと指の甲側が切れてしまった。けっこう深い。あっという間に血が滴ってくる。

 ま、車いじっていればいつも生傷とは隣り合わせであり、多少深くてもそんなに慌てることはない。浅ければほっておけばよいけれど、そんなわけにはいかなさそうな深さだったので、時間が取られることを残念に感じつつ、とりあえず、流水で洗う。輪ゴムで指を縛る。軽く抑えてから、消毒クリームを塗ったら血は止まった。後はなるべく指を折り曲げないように気を付けて、ほかって置けばよい。朝飯を喰らって作業続行。

 が、作業をすれば問答無用で手は使うに決まっているのであり、特にごちゃごちゃしているインテーク回りをいじっていれば、傷口があちこちに引っかかる。あっという間に傷が開いてしまった。もう放置、油まみれ状態。

 今回の作業はアイドリングの調整である。4連スロットルを組んだとき、大変なのがエンジンをアイドリングさせること。だが、僕のエンジンには各スロットルに空気を供給してやるISCVを取り付けてあったから、ほぼ1発始動だった。ISCVの仕組みを説明すると、スロットルとは別に専用の空気の通り道があって、その中に4つの穴があり、それぞれのポートに空気を供給している。もう一つのスロットルがあるようなものだから、ぼばん、と始動してアクセルでちょちょっとあおってやり、3分ぐらい足を載せたまま待ち、そっと足を話したらきちんとFreedomがISCVを動かして空気量を調整し、アイドリングしていた感じ。

 だから、何の苦労もなくアイドリングをした。が、スロットルとは別の経路からけっこう多くの空気を吸わしてやっている状態。ちょうどシングルスロットルのインマニのようなものが組み込まれていると考えてもらえばよい。あまりISCVに頼ると、ハイカム特有の空気の吹き返しの影響が他の気筒に及んでしまう。アイドル状態で安定した空気が供給されないことになるので、必要以上にどろどろと不安定なアイドリングとなってしまう。アイドリング以外のときでも、スロットル途中から余分な空気が大量に入るのはあまり良い状態とは言えないだろう。ISCVの経路は負圧を集める場所でもあるので、Dジェトロの制御だと影響をもろに受けそうである。

 だから、ISCVになるべく頼らないように調整してやることが安定したアイドリングと制御につながるのだ。どうやるかと言えば、アクセルを踏んでいない状態でも、ほんのちょっとスロットルが開いているようにする。とってもシンプルで分かりやすい。

 スロットルには全閉の位置を決めるストッパーが付いている。位置はねじで調整できるようになっている。ねじの突き出し量を変えればおのずとスロットル全閉の位置が変わるわけ。

 がしかし、ただでさえ手を入れにくい場所で工具も入りにくい。1、2番気筒ならばそれほど難しい作業じゃないのだが、3番、4番となってくると手前から手を入れてアクロバチックな態勢でやることになる。慣れていない最初は、4番の調整は不可能かと思われた。

 が、人間、試行錯誤していれば学習していくもので、工具の入れ方や角度などを試しているうち、なんとか4番気筒も作業ができるようになった。

 付き出し量をあれこれ変えるわけだが、なかなか難しい。すべてのねじを外して同じ付き出しに調整して組んだのだが、最初は開き過ぎてISCVをいくら絞っても1800回転ぐらいになってしまった。これはいかん、と再び面倒な作業を経て付き出しを少なくしたら、今度はごほごほっと600回転ぐらいの止まりそうなアイドリング。またまた調整してやったら、再び1200回転より下がらなくなったり。5回ぐらい繰り返して、最後はあきらめて、スロットル上部についているアジャストスクリューを回して別経路から空気を供給してやり、ようやく納得いくぐらいに調整できた。FCSSの画面でみると、スロットル開度が3.5%ぐらい。

 でも、なんとなくアイドルの調子が悪い。各気筒で空気の吸い込む量がばらついているに違いない。各気筒を手で塞いでやると、2番気筒を塞いでやったときにエンジンが止まりそうになって調子が悪くなる。そこで、2番気筒の開き加減をもう少し絞ってやることにした。

 すると、回転数がかなり落ち込んだ。各気筒のアジャストスクリューや、ISCVの開き具合を調整してやったら、900回転ちょっとのところでかなり安定したアイドリングとなった。ISCVのカウント数(スロットルの開き具合と思えばよい。最大250)は60ぐらいで落ち着いた。

 3.5%ほどずれたスロポジを修正しようとしたら、ミスった。片側のねじがなめかけていたので、片方のねじだけをゆるめてプラハンでたたいて修正していたら、なんだか様子がおかしい。それでもかまわずたたいていたら、スロポジがぼっきり折れてしまった。折れるような形状じゃないんだが、ハードにたたきすぎちゃったんだろう。失敗。あわてて富山に電話をし、スペアを送ってもらうようお願いした。(いつもお世話になっています)

 ファンネルを取り付ける。いままで4000キロちょっと走って、エアクリーナーを付けていなかったのだが、ここに来て付けることにした。マルハのファンネルソックスである。ファンネルを取り付けてからではとってもソックスが入りそうになかったので、ファンネルにソックスをねじ込んで置いてから、スロットルボディーに取り付けた。

 あれこれ作業していたら、いつしか夕方に。本当は午前中に作業を終わってツーリングに行きたかったのだが、素人の作業だから思いの外時間がかかる。その上、スロポジが壊れてしまったのだから走りに行くのはおあずけかと思っていたが、だんだんむらむらっとしてきたので、走りに行くことにする。スロポジがなくたって、ちょいとレスポンスが悪く、空燃比がおかしくなるぐらいで、普通に走る分には困ることはない。アクセルオフにしても燃料カットしないから、エンジンブレーキがきかない。

 瀬戸方面を走ってきた。スロットル回りの配管が邪魔してアクセルが半分ぐらいしか開かない。それでも十分速く車は走った。アイドリングはおどろくほど安定している。