やりかけの仕事があるので、休むべき土曜日に出勤。とはいえ、昼まで家でごろごろしていたのだから、まったくやる気はない。
だらだらと仕事場で過ごして、高辻にあるスタジオに向かう。でっち奉公しているビートルズバンドの練習に顔を出して見学。と、思ってたら仕事で来られないボーカルの当て馬として歌わされてしまった。「While
My Guitar Gently Weeps」「Two of Us」「Let It Be」「You Never Give Me Your Money」などなど。声が出なくてさんざんだった。
ビートルズと言えば、本屋で「これがビートルズだ」という本を見つけて読んでいる。講談社現代新書というメジャーなところから出ているにもかかわらず、全曲が頭に入っていないと読んでも意味があまり分からないというマニアックさ。もちろん、僕は書いてあることのだいたいのことが、曲を聴き直さなくても理解できる。
本の至る所にビートルズの天才さ加減がちりばめられている。ポールマッカートニーは「I’ve Just Seen a Face」「I’m Down」「Yesterday」の3曲を1日でレコーディングした。「I’m
Down」なんて、ものすごく格好良くシャウトしているのだ。普通なら声がかれてしまうに決まっているのだが、その後にあの「Yesterday」の甘い歌を録音したのだ。この「Yesterday」はポールマッカートニーが朝起きたら頭の中でメロディーが鳴っていたのだという。本人もどこかで聴いた曲じゃないかしら、と思ったぐらいらしい。神がかっている。
もちろん、超有名人につきものの、「伝説」かもしれないが、やっぱり事実じゃないか、と思わず納得してしまうものが彼らにはある。曲がそれを証明している。