ようやく新環境に移行できた。いつものことながら、とっても面倒くさい作業の連続である。
今使っているノートパソコンは会社から配られているものなので、ときどき中身のソフトのバージョンアップを受ける。ハードディスクをそのまま丸ごと書き換えるので、データはバックアップしなくてはならない。
ハードに私物化している僕にとってはこれが大変なのだ(誰でも同じだと思うけれど)。膨大な量のメールにデジカメの写真、ホームページデータやさまざまなソフト類。ギガ単位に及ぶデータをコピーし、初期化された設定をいちいち元に戻さなければならない。
パソコンを本格的に使い始めた初期の頃、ちょうどDOSの時代が終わりを迎え、Windows3.1へ移行し始めた頃は、フロッピーディスクにちまちまコピーしてバックアップしていた。機種はNECのPC9821As2である(セットで40万!)。CPUは486SX(クロック33MHZ)、メモリーは5.6MB、HDDは340MB。フロッピーディスクが2台ついていた。CD-ROMドライブなんて、もちろんついていない時代である。Windowsの普及とともに、舶来のIBM互換機が「DOS/V機」という名で発売され、日本独自のPC98シリーズも斜陽の一歩手前の時代であった。メモリーは64MBまで拡張し、CPUは怪しげなCyrix5x86という100MHZのものを、はんだごても駆使して強引に取り付けた。ビデオカードも、CanopusのPowerWindow964LBという当時としては激速のものを差していた。今から考えるとパソコンも激しくチューンしていたもんだ。
Windowsはよく壊れたから、フロッピーディスク10数枚を差し替え差し替え、数時間かけて復旧していた。今から考えるととんでもない手間をかけていたと思う。フロッピーはよく壊れて、読み出せなくなったことも多かった。Windows95がインストールされたIBMのThinkpad535を買ったとき(Pentium133Mhz、メモリー8M!、HDD1GBで35万円ぐらいした)、最初にやったことは、OSをフロッピーディスクにコピーする作業である。はやる気持ちを抑えて、2時間ぐらいフロッピーを差し替えなければならなかったのである。最初からCD-ROMでついてくる今から考えると、馬鹿げたことをやっていたものだ。
その後は奮発してMOを買った。230MBが一気に保存できるので、復旧作業が一気に楽になった。しかし、少し前のMOは信頼性に問題があった。よくデータを飛ばしたものである。いまはCD-Rドライブ。
最近では、膨大なデータが蓄積され、失敗が許されないので「丸ごと」バックアップをとることにしている。ハードディスクごと交換してしまうのだ。20GBの9.5mm厚HDDがなんと1万円ちょっとで買えてしまうこのありがたい時代だからこそ、できることである。SCSI接続の外付けHDDが540MBで5万円とかしていた時代が懐かしい。PC8801で遊んでいた時代は20MBで5万円。ビジネス用の340MBが100万円していたなあ。
会社から配られた東芝のDynaBookSS3300は今となってはちょいと古い機種なので、HDDは8GBまでしか認識できない。けれども、IBMのドライブなら、IBMがただで配っているソフトを使えば、なんと強引に認識させることが可能なのだ。すごいぞIBM。
本体裏のねじをはずしてアームレスト部分をはずせば、簡単に交換できる。3つのノート用HDDを、差し替えたり、PCカード経由で接続したりして、環境を移行。ちまちま設定をして復旧がほぼ終わった。
大容量にするメリットは、たくさんのデータが入ることもあるけれど、読み書きの速度が上がることの方が大きい。音も静かになった。すばらしい。
ちなみに、PC9821もThinkpadもまだまだ現役である。特にThinkpadはROMチューンに活躍中。フリーダム制御もできるかな。