月に1度か2度の「お祭り」の、しかも当番になったから、仕方なく朝6時に家を出た。
今住んでいる江南市では、ごみの分別がやたらと細かい。週2回の可燃ごみの日に捨てられるのは、生ごみ程度で、包装紙や、トイレットペーパーのロール、紙箱などは「雑紙」として資源回収に出さねばならない。商品のパッケージなどビニールやプラスチック類もひとまとめにして資源回収に。このほか、空き缶や空き瓶、不燃ごみ、牛乳パック、発泡スチロールの食品トレー、段ボールなどなど、すべて分類して捨てなければならない。
これぐらいなら、普通の分別なのだろうけれど、江南の場合は、捨て方に問題がある。資源ごみはすべて、各地区にあるごみステーションに持っていき、さらにごみを袋から出して用意してあるかごに分けて入れなければならない。食品に直に触れていたような包装なんかは一度洗ってはあるものの、何となく生ごみ臭い。それを袋から取り出して、すでに同じようなごみが満タンに入っていればそれを押しつぶしてから入れなければならない。いくら自分で出したごみで自分に責任があるとはいえ、さわやかな朝が台無しである。
毎週あるのなら良いが、月に2度だけ。5月なんかは月に1度しかなかった。くそまじめに分別していると、1カ月ためるとかなりの量になる。それを手では一度に持っていけないからデミオの後部座席に満載して持っていく。
いつもは捨てているだけだったが、今回は当番だから朝6時から1時間、ほかの人のゴミ捨てを見守っていなければならない。F1アメリカGPをライブで見ようと思っていたのだが、泣く泣く録画にしておき、朝早く起きてごみステーションへ。
特段、何をするわけでもないから、ほかの人たちが何を捨てるのかを見ているしかない。空き缶のところに立っていれば、みなさん何を飲んでいるかが分かる。ガラガラと捨てた空き缶が、キリンクラシックラガーだったりすると、なかなか経済状況の良い家庭であり、僕なんかはガラガラと淡麗の空き缶を捨てる。またある人はドラフトワンを捨てる。酎ハイを捨てる人も。なんとなく生活が透けて見えてしまう。ある家庭からは古いミニコンポが捨てられたのだが、どこからともなく現れたおじさんが、軽トラに載せて持ち去っていった。
ずっと見ていて分かったのだが、子どもがいるような家庭でも、僕の家よりごみが少ないところが多い。どういうことかと言えば、たぶん分別しなければいけないようなごみでも、可燃ごみとして捨ててしまっているんだろう。名古屋市に4カ月だけ住んでいたが、可燃ごみの収集と同じようにして資源ごみの収集もあり、資源ごみ用の袋にいれてごみ捨て場に置いておけばそのまま持っていってくれるから、とても楽だったし、きちんと分別もできていた。子どもがいる家庭なら、それなりの量となり、2人暮らしとは歴然と差が出る。
あまりにも細分化させてさらに月に2回しか集めず、しかもごみを近所のみなさんに見える形で捨てさせる江南の方式は、きちっとやっているように見えても、リサイクル率なんかで比較したら名古屋市を下回っている気がして仕方がない。名古屋市でやっていたのと同じぐらいの分別をすると、2人暮らしなのに資源ごみ排出量番付で上位に載ってしまうのが現状。住民に負担を求めているわりには実効性が薄い。なんなんだこれは。