職場の上司たちが集まった会議が開かれた。遠くからはるばる来た人たちをそのまま帰すような業界じゃない。当然、飲み会になだれ込み、行きたくもないのに付き合わされ、しょうがないからつまらない宴席で座っていた。
おっさんたちが悪いのはかつての自分の武功話をひけらかすことだ。ひけらかすだけなら良いのだが、同じことを繰り返して話してそれについて意見を求めるようになると迷惑この上ない。はは、すごいですねえ、と適当に愛想笑いで応じているのだが、ちょっとでも気に入らないことがあると「最近の若いもんは」という決まり文句で攻撃されてしまう。
そんな大人たちがいけないのは、かつては自分たちも年上から「最近の若いもんは」と言われていたことを忘れていることだ。ようするに、どの時代でもおじさんたちは若い者を攻撃するものであり、特段、最近の若者が劣っているわけでも新人類なわけでもなんでもない。たぶん、1000年前も、この殺し文句は使われていたに違いない。
若かろうが年を食っていようが、だめな人はだめだし、良い人は良い。若い人間に絡んで虚栄心を満足させているような大人は、もちろんだめ人間に分類されるのはいうまでもない。