6月13日

 「アドセンス、やってみたらどうですか?」

 富山市で革製品を作っているアリノハネさんに会って、なんでまた富山で工房を持っているのかを聞いていたときのこと。ネットショップでけっこう食べていけるそうで、自宅を借りてさらに工房も借りるぐらいは何とかなるという。へえ、と感心しながらお話を聞いていたら「ブログ、やっていなんですか?」と。ええ、車のマニアックなページをやっているんですよ、ってな話で盛り上がったら、冒頭の言葉が飛び出してきた。

革製品を作っているアリノハネさん

 アドセンス? なんのことかまったくピンとこなかったが、どうやらGoogleがやっている広告のことらしい。

 マニアックで極めて狭い範囲の人たち向けのこのページでも、時々「広告出しませんか」とメールが来ることがある。小銭をちょっと稼いだって仕方がないし、なによりも「お金でやっているわけじゃない」というところが一つのポリシーであったので、どんなお誘いも無視していた。

 ネットで自立している人の言葉がちょっと気になったので、さっそくアカウントを取ってタイトルページと日常の2カ所にぺたぺたと張ってみる。

 もともと、広告収入が僕の給料の一部になっているのだし、仕事の人脈を駆使して広告を取ったこともある。別に広告自体が嫌いなわけでなく、僕が個人でやっているメディアの片隅に載っていたって、イヤじゃない。非営利というところがポリシーなだけ。

 この10年で一気にネット社会になって、うちの会社もかなり影響を受けている。ここのところの不況で売り上げもがた落ちだ。ネットで収益を上げる仕組みづくりを考えないとじり貧になることは目に見えているのだけれど、うちの会社の商品はなぜかネットでほとんどただで流通してしまっている。一度、ただにしてしまったものをもう一度有料にしたってだれもお金を払ってくれないわけで、本業が調子よくないのに、商品だけネットに流通してしまうというこの悲劇的な状況は、すぐには変えられそうもない。

 会社の立場でみると、ネットでまったく儲かっていないのに、商品を2次利用したGoogleだとかYahoo!は儲かっている。なんだ、この構造は、ということになるのかもしれない。

 そんな状況もあるので、食わず嫌いでは相手を知ることができないから、まずは試してみるという意味もある。

 Google先生がどんな風に僕のサイトを解析するのかも興味深かったが「チタンエキマニ」だとか「ロードスター」だとか、ちゃんと関連する広告が載っていて、これはこれで楽しくなって良い。出会い系サイトみたいな広告が載るようだったら一発で消すけれど。

 アリノハネさんがわざわざメールをくれて「自分や友達がクリックしたら追放されますよ! 監視されてますよ!」と注意してくれた。なので、僕をよく知っている人は決してクリックしないでください(笑)。